「洗濯は終わったはずなのに、乾燥した服がなんか臭い……」そんな経験、ドラム式洗濯機ユーザーなら一度はあるのではないでしょうか。

とくに購入から1〜2年が経った頃から「乾燥するとモワッとした臭いがする」「生乾き臭が取れない」という声がSNSでも増えています。2026年3月現在、ドラム式洗濯乾燥機の普及率は年々上がっていますが、乾燥機能のニオイトラブルに悩む人も同じくらい増えているんです。

この記事では、ドラム式洗濯機の乾燥で臭いが出る原因5つと、自分でできるお手入れ方法をメーカー別にわかりやすく解説します。

ドラム式洗濯機の乾燥が臭い原因5つ

「乾燥した後なのに臭い」のは、洗い方ではなく乾燥経路の汚れが原因であることがほとんどです。ざっくり5つのパターンに分けられます。

原因1:乾燥フィルターにホコリが溜まっている

乾燥フィルターは、衣類から出る糸くずやホコリをキャッチする部品です。ここが詰まると温風の通りが悪くなり、乾燥効率が落ちて生乾き状態に。湿ったホコリには雑菌が繁殖しやすく、モワッとした不快なニオイの原因になります。

パナソニックの公式サポートによれば、乾燥フィルターは乾燥運転のたびに掃除するのが基本です。「毎回なんて面倒……」と思うかもしれませんが、ネットを外してホコリを取るだけなので30秒もかかりません。

原因2:洗濯槽の裏側にカビ・雑菌が繁殖している

ドラム式洗濯機は縦型に比べて使う水の量が少ないため、洗剤の溶け残りや皮脂汚れが洗濯槽の裏側に残りやすい構造です。これがカビや雑菌のエサになり、乾燥時に温風がそこを通ると臭いが衣類に移ります。

つまり、乾燥で臭いのは「乾燥機能の問題」ではなく「槽の汚れが温風で蒸し返されている」というケースが多いんです。

原因3:排水トラップの水が蒸発して下水臭が逆流している

これは見落としがちなポイント。排水口には「排水トラップ」という水が溜まる仕組みがあり、下水管からの臭いが上がってくるのを防いでいます。

ところが、ドラム式洗濯機の乾燥時に出る熱い排気がこの排水トラップの水を蒸発させてしまうことがあります。水がなくなると下水の臭いがダイレクトに洗濯機内に入り込み、衣類にまで臭いが付くことに。

とくに日立のビッグドラムではこの現象が起きやすいと言われており、日立の公式サポートページでも除湿方式の変更や専用カバーの利用が案内されています。

原因4:ヒートポンプユニットにホコリが蓄積している

パナソニックやシャープのドラム式洗濯機の多くはヒートポンプ方式を採用しています。省エネで衣類にもやさしい方式ですが、長期間使うとヒートポンプユニット内部のアルミフィンに微細なホコリが溜まることがあります。

乾燥フィルターをいくら掃除しても臭いが取れない場合、このユニット内部の汚れが原因かもしれません。残念ながらここは自分で分解清掃するのが難しい部分で、メーカーの点検・クリーニングサービスに依頼する必要があります。

原因5:洗剤・柔軟剤の入れすぎ

意外と多いのがこれ。「しっかり洗いたい」「いい香りにしたい」と洗剤や柔軟剤を規定量より多く入れると、すすぎで落としきれなかった成分が槽や衣類に残ります。

この残留成分が雑菌のエサになり、乾燥時に加熱されることでイヤなニオイに変わるんです。パナソニックの公式FAQでも、洗剤は必ず規定量を守ることが推奨されています。

自分でできるお手入れ方法5つ

原因がわかったところで、自分でできるお手入れ方法を紹介します。どれも特別な道具は不要で、週末の30分もあれば一通りチェックできます。

対策1:乾燥フィルターを毎回掃除する

基本中の基本ですが、一番効果があります。乾燥運転が終わるたびにフィルターを取り出して、溜まったホコリを除去しましょう。

水洗いできるタイプのフィルターなら、週1回は水で流してしっかり乾かすとより効果的です。目詰まりがひどい場合は使い古した歯ブラシでこすると、細かい繊維も落とせます。

対策2:月1回の槽洗浄を習慣にする

洗濯槽の裏側のカビ・雑菌を防ぐには、月1回の槽洗浄が有効です。

使うのは塩素系の洗濯槽クリーナー(衣料用の塩素系漂白剤でもOK)。酸素系と塩素系がありますが、ドラム式には泡立ちが少ない塩素系が推奨されています。メーカー純正の槽洗浄コースがある機種なら、それを使うのがベストです。

手順はシンプルで、「クリーナーを投入 → 槽洗浄コースを選択 → スタート」だけ。終わったらドアを開けて内部を乾かしましょう。

対策3:排水フィルター(糸くずフィルター)を週1回掃除する

ドラム式洗濯機の手前下部にある排水フィルター(糸くずフィルター)も忘れがちなポイントです。ここにはゴミや糸くず、場合によっては小銭やヘアピンまで溜まっていることも。

フィルターを引き出すと水が出ることがあるので、タオルを敷いてから外しましょう。フィルターに付いた汚れを取り除き、水洗いしてから戻します。

対策4:排水トラップに水を補充する

下水臭がする場合は、排水トラップの水切れが疑われます。対策は簡単で、乾燥運転の前に洗面器1杯分の水を排水口に流すだけでOKです。

日立のドラム式洗濯機の場合は、設定メニューから除湿方式を「空冷除湿」から「水冷除湿」に変更すると、乾燥中に水を使って排熱するため排水トラップの水が蒸発しにくくなります。ただし水道代が若干増える点は覚えておきましょう。

対策5:乾燥後はドアを開けて内部を乾かす

乾燥が終わった後、すぐにドアを閉めてしまうと内部に湿気がこもり、カビや雑菌の温床になります。

乾燥終了後は衣類を取り出したら、ドアを少し開けたままにして内部の湿気を逃がしましょう。ドラムだけでなく、洗剤投入口も開けておくとより効果的です。

メーカー別:知っておきたいお手入れのコツ

日立(ビッグドラム)

2022年以降の日立ビッグドラムには乾燥フィルターがありません。「らくメンテ」と呼ばれる機能で、乾燥時のホコリも糸くずフィルター(排水フィルター)で一括キャッチする仕組みです。そのぶん、糸くずフィルターの掃除がより重要になります。

また前述のとおり、排水トラップの水切れによる下水臭が起きやすい構造です。乾燥時の臭いが「雑巾臭」ではなく「下水のような臭い」の場合は、まず除湿方式の設定を確認しましょう。

パナソニック

パナソニックのドラム式はヒートポンプ方式が主流で、省エネ性能に優れています。乾燥フィルターは2段構造のモデルが多く、奥側のフィルターの掃除を忘れがちなので注意が必要です。

パナソニック公式では、乾燥フィルターだけでなく「乾燥経路」の掃除方法も案内しています。自動お手入れ機能が付いている機種なら、定期的にこの機能を使いましょう。

シャープ

シャープの公式故障診断ナビでは、臭いの種類別に原因と対策が確認できます。シャープのドラム式はマイクロ高圧洗浄やプラズマクラスターなど独自の機能を搭載したモデルもあるので、取扱説明書で自分のモデルに合ったお手入れ方法を確認するのがおすすめです。

それでも臭いが取れないときは?

上記のお手入れを一通り試しても改善しない場合は、以下を検討しましょう。

プロの洗濯機クリーニングを頼む
自分では手が届かないドラムの裏側や乾燥経路の奥まで分解洗浄してもらえます。費用は1.5万〜3万円程度が相場(2026年3月現在)。2〜3年に1回の利用で臭いトラブルを大幅に減らせます。

メーカーの点検サービスを利用する
ヒートポンプユニットの清掃など、プロのクリーニング業者でも対応が難しい部分はメーカーサービスに依頼するのが確実です。保証期間内なら無料で対応してもらえるケースもあるので、購入時の保証書を確認しましょう。

買い替えの目安
ドラム式洗濯機の設計上の標準使用期間は約7年です。それ以上使っている場合は、臭いの原因が経年劣化による場合もあります。修理費用と買い替え費用を比較して判断しましょう。

FAQ

ドラム式洗濯機の乾燥フィルターはどのくらいの頻度で掃除すべき?

乾燥運転をするたびに毎回掃除するのが基本です。パナソニックや日立の公式サポートでも毎回の清掃が推奨されています。最低でも週1回は水洗いしましょう。

洗濯槽クリーナーは酸素系と塩素系どちらを使えばいい?

ドラム式洗濯機には泡立ちが少ない塩素系が推奨されています。酸素系は泡が大量に出てドラム式ではエラーの原因になることがあります。各メーカーの取扱説明書で指定されている種類を確認してください。

乾燥した服が下水のような臭いがするのはなぜ?

排水トラップの水が乾燥時の熱で蒸発し、下水管からの臭いが逆流している可能性が高いです。乾燥前に排水口に水を流すか、除湿方式を「水冷除湿」に変更することで改善できます。

プロの洗濯機クリーニングの費用はどのくらい?

ドラム式洗濯機の分解クリーニングは1.5万〜3万円程度が相場です(2026年3月現在)。縦型より構造が複雑なため割高ですが、2〜3年に1回の利用で臭いトラブルを大幅に減らせます。

日立の新しいモデルに乾燥フィルターがないけど、掃除はしなくていいの?

2022年以降の日立ビッグドラムは乾燥フィルターを廃止し、糸くずフィルターでホコリを一括キャッチする「らくメンテ」を採用しています。乾燥フィルターの掃除は不要ですが、そのぶん糸くずフィルター(排水フィルター)の掃除頻度が重要になります。

参考文献