「電子レンジとドライヤーを同時に使ったらバチンと停電した」「最近ブレーカーがしょっちゅう落ちる」——こんな経験、ありませんか?

ブレーカーが落ちるのは「電気の使いすぎ」だけが原因とは限りません。漏電や配線トラブルが隠れている場合もあり、放置すると火災や感電のリスクにつながることも。

この記事では、2026年4月現在の情報をもとに、ブレーカーが落ちる5つの原因と、原因ごとの正しい復旧方法・再発防止策をわかりやすく解説します。「契約アンペアの見直し方」も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。

まず確認!ブレーカーには3種類ある

対処法を知る前に、分電盤(ブレーカーが並んでいる箱)の中にある3種類のブレーカーを知っておきましょう。どのブレーカーが落ちたかで、原因と対処法がまったく違います。

① アンペアブレーカー(契約ブレーカー)
分電盤の一番左にある大きなスイッチです。電力会社との契約アンペア数(30A・40Aなど)を超える電気を一度に使うと落ちます。落ちると家全体が停電します。東京電力エナジーパートナーの公式ページでアンペア数の選び方を確認できます。

※関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力のエリアでは「最低料金制」を採用しているため、アンペアブレーカーが設置されていないことがあります。

② 漏電ブレーカー(漏電遮断器)
分電盤の中央付近にあるスイッチで、家の中で漏電(電気が本来のルートから漏れ出すこと)を検知すると自動で落ちます。落ちると家全体が停電します。漏電は火災や感電につながる危険な状態なので、最も注意が必要なブレーカーです。

③ 安全ブレーカー(配線用遮断器)
分電盤の右側にずらっと並んでいる小さなスイッチです。「キッチン」「リビング」「エアコン」など、部屋や回路ごとに分かれています。その回路で電気を使いすぎたりショートが起きたりすると落ちて、該当エリアだけが停電します。

ブレーカーが落ちる5つの原因と見分け方

ブレーカーが落ちる原因は大きく5つ。どのブレーカーが落ちたかで原因を絞り込めます。

原因①:契約アンペア数を超えた(アンペアブレーカーが落ちた場合)

一番多いパターンです。家全体で同時に使っている電気の合計が、契約しているアンペア数を超えると落ちます。

たとえば契約30Aの家庭で、こんな組み合わせだと一発アウトです:

  • 電子レンジ(15A)+ ドライヤー(12A)+ エアコン(6.6A)= 33.6A → オーバー!

東京電力の公式ページによると、主な家電のアンペア数の目安はこちらです:

  • 電子レンジ:15A
  • IHクッキングヒーター(卓上):14A
  • 炊飯器(炊飯時):13A
  • ドライヤー:12A
  • エアコン暖房:通常6.6A(起動直後は20A
  • エアコン冷房:通常5.8A(起動直後は14A
  • 掃除機:2〜10A

ざっくり覚えるなら「100Wで1A」です。1,200Wのドライヤーなら12A、という計算になります。

原因②:特定の部屋・回路で電気を使いすぎ(安全ブレーカーが落ちた場合)

安全ブレーカー1つあたりの容量は通常20A(2,000W)です。キッチンのコンセントにホットプレート(13A)と電子レンジ(15A)をつないで同時に使うと、その回路だけ容量オーバーで落ちます。

「家全体は大丈夫なのに、キッチンだけ停電した」というケースはこれが原因です。

原因③:漏電が発生している(漏電ブレーカーが落ちた場合)

漏電ブレーカーが落ちたら要注意! 家電製品の故障、配線の劣化、雨漏りで配線が濡れた、などが原因で電気が漏れ出している状態です。

漏電は火災・感電のリスクがあるため、原因がわからない場合は電気工事店や電力会社に点検を依頼してください。

原因④:家電のショート(短絡)

電気コードが傷んだり、コンセント周辺にホコリがたまって湿気を帯びたりすると、トラッキング現象(ホコリを通じて電気がショートする現象)が起きることがあります。ブレーカーが落ちるだけでなく、発火の原因にもなります。

コンセント周りが焦げている・異臭がする場合は、すぐにコンセントからプラグを抜いて使用を中止してください。

原因⑤:ブレーカー自体の劣化・故障

ブレーカーの寿命は一般的に13〜15年とされています(東京電力パワーグリッド)。古い家に住んでいて、特に電気を使いすぎていないのに頻繁に落ちる場合は、ブレーカー自体の交換が必要かもしれません。

分電盤の交換費用は3万〜8万円程度が相場です。電気工事士の資格が必要な作業なので、必ず業者に依頼しましょう。

ブレーカーが落ちたときの正しい復旧手順

ブレーカーが落ちたら、まずどのブレーカーが落ちたかを確認しましょう。復旧手順はブレーカーの種類によって異なります。

アンペアブレーカーが落ちた場合

  1. 使っていた家電のスイッチやコンセントをできるだけ多くオフにする
  2. アンペアブレーカーのつまみを「入」に戻す
  3. 家電を1つずつ順番につけていく(一度にたくさんつけるとまた落ちます)

安全ブレーカーが落ちた場合

  1. 落ちた安全ブレーカーに対応する部屋・エリアの家電のコンセントを抜く
  2. 安全ブレーカーのつまみを「入」に戻す
  3. コンセントを1つずつ差し直して、どの家電が原因かを特定する

漏電ブレーカーが落ちた場合(慎重に!)

  1. すべての安全ブレーカー(小さいスイッチ)をオフにする
  2. 漏電ブレーカーのつまみを「入」に戻す
  3. 安全ブレーカーを1つずつ「入」にしていく
  4. 特定の安全ブレーカーを入れた瞬間にまた漏電ブレーカーが落ちたら、その回路に漏電の原因がある
  5. 原因の回路はオフのままにして、電気工事店に点検を依頼する

漏電ブレーカーが何度上げてもすぐ落ちる場合は、無理にスイッチを入れず、電力会社のカスタマーセンターや電気工事店に連絡してください。

ブレーカーが落ちにくくなる5つの予防策

予防策①:消費電力が大きい家電の同時使用を避ける

電子レンジ・ドライヤー・炊飯器・IHクッキングヒーターの4つは「電力大食い四天王」です。この中から2つ以上を同時に使わないだけで、ブレーカーが落ちるリスクは大幅に下がります。

たとえば、「電子レンジが動いている間はドライヤーを使わない」「炊飯器が炊飯中はIHの火力を弱める」など、ちょっとした時間差を意識するだけでOKです。

予防策②:コンセントの回路を分散させる

同じ部屋のコンセントは同じ安全ブレーカー(回路)につながっていることが多いです。消費電力の大きい家電は別の部屋のコンセントに差すか、専用回路(エアコンやIH用に設けられた単独の回路)を使いましょう。

予防策③:契約アンペア数を見直す

「生活スタイルが変わって家電が増えた」「在宅勤務でパソコンやモニターが増えた」という場合は、契約アンペアが足りていない可能性があります。

東京電力の契約アンペア変更は、Webまたは電話で申し込めます。2026年4月現在、アンペア変更の工事費用は原則無料(アンペアブレーカーの取り付けが不要なスマートメーター設置済みの場合)です。ただし、電気の契約は年間契約が基本のため、変更後1年間は再変更できない点に注意しましょう。

なお、関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力エリアでは最低料金制のためアンペア契約の変更は不要です。

予防策④:コンセント・プラグのホコリ掃除

トラッキング火災の原因となるホコリは、冷蔵庫の裏やテレビ台の裏など掃除しにくい場所に溜まりがちです。年に1〜2回はコンセント周りのホコリを乾いた布で拭き取りましょう。

予防策⑤:古い家電・配線をチェック

10年以上使っている家電は漏電リスクが高まります。電源コードが熱くなる・焦げ臭いにおいがする・異音がする場合は買い替えのサインです。築年数の古い家では配線そのものが劣化している場合もあるので、定期的な電気設備の点検をおすすめします。

こんなときはプロに相談!自分で対処しないほうがいいケース

以下のケースは電気工事店や電力会社に相談してください。自分で無理に復旧しようとすると危険です。

  • 漏電ブレーカーが何度上げてもすぐ落ちる
  • コンセントや壁のスイッチ付近から焦げ臭いにおいがする
  • コンセントの差し込み口が変色・溶けている
  • ブレーカーを上げるとバチッと火花が出る
  • 分電盤が築20年以上で一度も交換していない

東京電力パワーグリッドでは、電気設備のトラブルに関する相談ページを設けています。お住まいの地域の電力会社のWebサイトでも、トラブル時の連絡先を確認できます。

FAQ

ブレーカーが落ちたら家電は壊れる?

通常、ブレーカーが落ちただけで家電が壊れることはほとんどありません。ただし、パソコンやHDD/SSDの録画機器などデータを扱う機器は突然の電源断でデータ破損のリスクがあります。UPS(無停電電源装置)の導入がおすすめです。

契約アンペアを上げると電気代はどのくらい増える?

東京電力の従量電灯Bの場合、2026年4月現在の基本料金は10Aあたり約311円(税込)です。たとえば30Aから40Aに変更すると、月々の基本料金が約311円アップします。使用量が変わらなければ、それ以外の料金は変わりません。

賃貸マンションでも契約アンペアは変更できる?

多くの場合、賃貸でも契約アンペアの変更は可能です。ただし、マンションの全体の電気容量に上限がある場合や、管理会社の許可が必要な場合があります。事前に管理会社や大家さんに確認しましょう。退去時に元のアンペアに戻すよう求められることもあります。

エアコンの起動時にブレーカーが落ちやすいのはなぜ?

エアコンは起動直後に通常の2〜3倍の電流(突入電流)が流れます。暖房の場合、通常6.6Aのエアコンが起動時に20A近くまで跳ね上がることもあります。他の家電を多く使っているタイミングでエアコンを起動すると、一瞬だけ契約アンペアを超えてブレーカーが落ちるのです。

スマートメーターが付いていればアンペアブレーカーは不要?

スマートメーター設置済みの家庭では、メーター側でアンペア制限をかけるため、分電盤のアンペアブレーカーが撤去されていることがあります。この場合でも、契約アンペアを超えるとスマートメーター側で自動遮断されるため、仕組みは同じです。復旧は自動(数秒〜10秒程度で復帰)の場合が多いです。

参考文献