「あれ、このPDFにパスワードかけたの自分なのに、毎回入力するのめんどくさい……」って状況、あるあるなんですよね。仕事で機密ファイルにパスワードをかけたけど、もう社内共有済みだからロックを外したい。あるいは確定申告の書類を暗号化したけど、自分しか使わないからもういらない。PC ショップ時代も、似たような相談を年に数件もらっていました。
この記事では、自分でパスワードを設定した PDF ファイル からロックを解除する方法を、Windows・Mac・無料オンラインツールそれぞれで解説します。パスワードを忘れた場合の対処法もあわせて紹介します。
そもそも PDF のパスワードには2種類ある
まず知っておきたいのが、PDF のパスワードには 「文書を開くパスワード」 と 「権限パスワード」 の2種類があるということ。「文書を開くパスワード」はファイルを開くときに入力を求められるやつで、「権限パスワード」は印刷や編集を制限するためのものです。
自分で設定した場合、たいていは「文書を開くパスワード」のほうですよね。これを解除するには、パスワードを知っている状態でファイルを開いて、設定を変更するだけ。意外とカンタンです(自分も最初これを知らなくて、専用ツールをダウンロードして一晩潰した記憶があります)。
ちなみに、権限パスワードだけ設定している場合は、ファイル自体は普通に開けます。印刷や編集ができないだけ。こちらの解除方法も後ろで触れます。
Windows で解除する方法(3つ)
方法1:Adobe Acrobat を使う(有料だけどいちばん確実)
Adobe Acrobat Pro/Standard を持っているなら、これがいちばんラクです。パスワードを入力して PDF を開いたら、「ファイル」→「プロパティ」→「セキュリティ」タブを開いて、「セキュリティ方法」を「セキュリティなし」に変更。保存すれば完了です。
Adobe Acrobat 公式サイト から無料体験もできるので、この作業のためだけに7日間試すのもありです。
方法2:Google Chrome で開いて再保存する(無料・お手軽)
実は Google Chrome が最強の無料 PDF パスワード解除ツールだったりします。やり方はシンプル。パスワード付き PDF を Chrome にドラッグ&ドロップ → パスワードを入力して開く → Ctrl+P(印刷)→「送信先」を「PDF に保存」にして保存。これだけで、パスワードなしの PDF が作れます。
結局のところ、自分も普段はこれを使っています。インストール不要で、すぐ済むので(ちなみに、自分のメイン機にも Chrome は常駐しているので、ほぼワンクリック)。
Google Chrome ダウンロード はこちらから。すでにインストール済みの人がほとんどだと思いますが。
方法3:CubePDF Utility を使う(無料・日本製)
日本製のフリーソフト CubePDF Utility を使えば、GUI でかんたんにパスワード解除ができます。インストール後、PDF を開いてパスワードを入力し、「セキュリティ」タブで暗号化のチェックを外して保存するだけ。複数ファイルをまとめて処理したいときに便利です。
Mac で解除する方法(2つ)
方法1:プレビュー.app で再保存する(標準搭載・無料)
Mac ユーザーなら追加ソフト不要で、標準の「プレビュー」アプリで解除できます。パスワード付き PDF をダブルクリックして開く → パスワード入力 →「ファイル」→「書き出す」→「暗号化」のチェックを外す → 保存。これだけ。
方法2:Google Chrome を使う
Windows のときと同じ方法が使えます。Chrome で PDF を開いて、⌘+P で印刷画面を出して「PDF に保存」するだけ。Mac でも Chrome は無料で使えるので、プレビューがうまくいかないときの代替手段にどうぞ。
無料オンラインツールで解除する方法
ソフトをインストールしたくない人はオンラインツールが便利です。ただし、機密性の高いファイルは絶対にアップロードしないでください。会社の書類とか個人情報入りのファイルは NG ですよ(PC ショップ時代に「会社の機密 PDF をオンラインツールで解除して情シスに怒られた」相談を受けたことがあります、これマジで気をつけて)。
iLovePDF は世界中で使われている定番ツール。iLovePDF パスワード解除 のページにファイルをアップロードし、パスワードを入力すれば、ロック解除済みの PDF をダウンロードできます。無料で1日数回使えます。
Smallpdf もおすすめ。Smallpdf パスワード解除 はドラッグ&ドロップで操作できて、UI がとてもわかりやすい。こちらも無料枠があります。
どちらのツールも、アップロードしたファイルは一定時間後にサーバーから自動削除されると明記されていますが、気になる人はオフラインの方法を使いましょう。
パスワードを忘れてしまった場合は?
自分で設定したのにパスワードを忘れてしまった——という場合は、残念ながら正攻法では解除できません。PDF の暗号化はかなり強力なので、総当たり攻撃でも時間がかかります。
まず試してほしいのは、メールの送信履歴やメモ帳、パスワードマネージャーを確認すること。「password」「1234」など、よく使うパスワードを片っ端から試してみるのも手です。
それでもダメなら、Elcomsoft Advanced PDF Password Recovery のような専用ソフト(有料)を使う方法もありますが、個人利用での費用対効果は微妙です。パスワードの長さや複雑さによっては解析に何日もかかることも(自作 PC で並列計算させたことがありますが、12文字超えだと現実的じゃないです)。
FAQ(よくある質問)
Chrome で PDF を開いても印刷できないのですが?
「権限パスワード」で印刷が禁止されている可能性があります。この場合、Chrome の印刷機能が使えないことがあります。Adobe Acrobat かオンラインツールを試してください。
解除した PDF の画質は落ちますか?
Chrome 経由で「PDF に保存」した場合、再レンダリングされるため若干のレイアウト崩れが起きることがあります。テキスト主体の PDF なら問題ないですが、複雑なデザインの場合は Adobe Acrobat か CubePDF Utility のほうが安全です。
他人が設定したパスワードも解除できますか?
技術的には同じ方法でできますが、他人のパスワードを無断で解除する行為は法律に抵触する可能性があります。必ず権利者の許可を得てから行ってください。この記事は「自分で設定したパスワード」を自分で解除する方法を紹介しています。
スマホでも PDF のパスワード解除はできますか?
iPhone なら「ファイル」アプリで PDF を開き、共有ボタンから PDF として保存し直すことで解除できる場合があります。Android なら、Chrome で開いて印刷 → PDF 保存の方法が使えます。ただしスマホでの操作は画面が小さく手間がかかるので、PC で作業するのが結局のところ早いです。
参考文献
- パスワードによる PDF の保護 — Adobe ヘルプセンター
- CubePDF Utility — 株式会社キューブ・ソフト
- PDF のパスワード解除 — iLovePDF
- PDF のロック解除 — Smallpdf






