パソコンの動作が重い……と思ってタスクマネージャーを開いたら、メモリ使用率が80%や90%を超えている。しかも特に何も開いていないのに。Windows 11ユーザーの間で非常に多いこのトラブル、実は2025年末〜2026年にかけてのWindows Updateが原因になっているケースも増えています。

この記事では、Windows 11でメモリ使用率が異常に高くなる6つの原因と、今すぐ試せる対処法をわかりやすく解説します。2026年3月時点の最新情報に基づいています。

まずはタスクマネージャーでメモリ使用率を確認しよう

対処法に入る前に、まず「何がメモリを食っているか」を特定するのが大事です。

手順:

  1. キーボードで Ctrl + Shift + Esc を同時に押す(タスクマネージャーが開く)
  2. 左側メニューの「プロセス」をクリック
  3. 上部の「メモリ」列をクリックして、使用量が多い順に並べ替える
  4. どのアプリ・サービスがメモリを大量に使っているか確認する

また、左側の「パフォーマンス」→「メモリ」をクリックすると、搭載メモリの総量と現在の使用率がグラフで確認できます。起動直後で50〜60%程度なら正常ですが、何も開いていないのに80%を超えているなら、以下の原因を順番にチェックしましょう。

原因1:「配信の最適化(Delivery Optimization)」がメモリを食い続けている

2025年12月のWindows Update(KB5072033)以降、「配信の最適化」サービス(DoSvc)がメモリを異常に消費するケースが多く報告されています。このサービスは、Windows UpdateのデータをLAN内の他のPCと共有して更新を速くする仕組みですが、メモリリーク(使ったメモリが解放されないバグ)を起こすことがあります。

対処法:

  1. 設定アプリを開く(Win + I)
  2. Windows Update」→「詳細オプション」→「配信の最適化」を開く
  3. 他のPCからのダウンロードを許可する」をオフにする

これだけでメモリ使用量が数百MB〜1GB以上減ることがあります。Tom's Guideの報告でもこの対処法が紹介されており、即効性が高い方法です。

原因2:AppX Deployment Service(AppxSvc)が自動起動に変わった

同じく2025年12月のKB5072033アップデートで、AppX Deployment Service(AppxSvc)のスタートアップが「手動」から「自動」に変更されました。このサービスはMicrosoft Storeアプリ(電卓、フォトなど)のインストール・更新を担当するものですが、自動起動になったことで常にバックグラウンドで動き続け、メモリとCPUを消費します。

対処法:

  1. Win + R で「services.msc」と入力してEnter
  2. 一覧から「AppX Deployment Service (AppXSVC)」を探してダブルクリック
  3. 「スタートアップの種類」を「手動」に変更
  4. 停止」ボタンを押して「OK」

この変更はNeowinをはじめ複数メディアで報じられています。Storeアプリの自動更新が必要なときだけ手動で起動すれば問題ありません。

原因3:SysMain(旧SuperFetch)がメモリを先読みしすぎている

SysMain(以前は「SuperFetch」と呼ばれていた)は、よく使うアプリのデータをあらかじめメモリに読み込んで起動を速くするWindowsの機能です。便利な機能ですが、搭載メモリが8GB以下のPCだと「先読みでメモリが埋まってしまい、肝心のアプリを開くと逆に遅くなる」という本末転倒な状態になりがちです。

対処法:

  1. Win + R で「services.msc」と入力してEnter
  2. 一覧から「SysMain」を探してダブルクリック
  3. 「スタートアップの種類」を「無効」に変更
  4. 停止」ボタンを押して「OK」

SSD搭載のPCなら、SysMainを無効にしてもアプリの起動速度はほとんど変わりません。HDD搭載のPCの場合は少し起動が遅くなる可能性がありますが、メモリ不足の解消のほうがメリットが大きいでしょう。

原因4:スタートアップアプリが多すぎる

パソコンの起動と同時に立ち上がるアプリが多いと、起動直後からメモリが圧迫されます。ありがちなのは、Adobe Creative Cloud、OneDrive、Discord、Spotify、Teamsなどが全部自動起動になっているパターンです。

対処法:

  1. Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャーを開く
  2. 左側の「スタートアップ アプリ」をクリック
  3. 「状態」が「有効」になっているアプリを確認
  4. 必要ないアプリを右クリック →「無効化

無効化しても安全なアプリの目安:

  • Adobe Creative Cloud — 使うときだけ手動起動すればOK(約800MBの節約効果)
  • Discord / Spotify / LINE — 通知がすぐ来なくなるだけで、手動起動で問題なし
  • OneDrive — 同期が不要なら無効化(約400MBの節約効果)
  • Microsoft Teams — 仕事で常用しないなら無効化

逆に、セキュリティソフト(Windows Security、ウイルスバスターなど)は無効化しないでください。

原因5:メモリリークを起こしているアプリがある

メモリリークとは、アプリが使い終わったメモリを解放せず、どんどんメモリを食い続けるバグです。ChromeやEdgeのタブを何十個も開きっぱなしにしていたり、特定のアプリを長時間起動し続けていると起こりやすいです。

対処法:

  1. タスクマネージャーの「プロセス」タブで、メモリ使用量が異常に多いアプリがないか確認
  2. Chromeが数GBを使っている場合:不要なタブを閉じる、またはアドレスバーに chrome://discards と入力して使っていないタブをメモリから解放する
  3. 特定のアプリが異常にメモリを使っている場合:そのアプリを再起動する(終了して開き直す)
  4. どのアプリか特定できない場合:パソコン自体を再起動すると一時的にリセットされる

特にGoogle Chromeはタブ1つあたり100〜500MBのメモリを使うことがあります。タブを20個開いていれば、それだけで数GBです。Chromeの「メモリセーバー」機能(設定 → パフォーマンス → メモリセーバー)をオンにすると、使っていないタブのメモリを自動的に解放してくれます。

原因6:そもそも搭載メモリが足りない

ここまでの対処法を試してもメモリ使用率が改善しない場合、物理的にメモリが足りていない可能性があります。

2026年3月時点のWindows 11は、クリーンインストール直後のアイドル状態で約2.8〜3.2GBのメモリを使用します(Windows Latestの報告による)。ここにブラウザやOfficeを開けば、あっという間に6〜8GBに達します。

メモリ容量の目安(2026年版):

  • 4GB:Windows 11の最低要件は満たすが、実用的には厳しい。ブラウザを開くだけで80%超え
  • 8GB:ブラウザ+Officeの軽作業ならギリギリ。タブを多く開くと厳しい
  • 16GB:一般的な作業なら快適。2026年の標準はこのあたり
  • 32GB以上:動画編集、仮想マシン、大量のタブを開く人向け

なお、Microsoftは2026年後半のアップデートでOSのメモリ消費を大幅に削減する計画を公式にコミットしています(Windows Latest, 2026年3月23日の報道)。ただし、現時点では改善が展開されていないため、メモリが4〜8GBのPCは増設を検討したほうが現実的です。

メモリの増設が可能かどうかは、タスクマネージャーの「パフォーマンス」→「メモリ」で「スロットの使用」を確認してください。「1/2」と表示されていれば空きスロットがあり、増設できます。ノートPCの場合はメーカーの公式サイトでメモリ増設の可否を確認しましょう。

FAQ

メモリ使用率が何%以上だと「高い」と判断すべきですか?

目安として、アプリをほとんど開いていない状態で70%以上なら改善の余地ありです。ブラウザやOfficeを使っている最中に80%前後なら正常の範囲ですが、常に90%超えの場合はこの記事の対処法を試してください。

メモリ解放ソフト(メモリクリーナー)は使ったほうがいいですか?

基本的に不要です。Windows 11にはメモリ管理機能が内蔵されており、サードパーティ製のメモリクリーナーはかえってパフォーマンスを低下させることがあります。この記事で紹介した対処法のほうが効果的です。

仮想メモリ(ページファイル)を増やせばメモリ不足は解消しますか?

一時的な対処にはなりますが、根本的な解決にはなりません。仮想メモリはSSD/HDD上の領域をメモリ代わりに使う仕組みで、物理メモリよりはるかに遅いため、常に仮想メモリに頼る状態だとパソコン全体が遅くなります。物理メモリの増設のほうがおすすめです。

Windows 11の「メモリ整合性」をオフにするとメモリ使用量は減りますか?

「メモリ整合性」(コア分離)はセキュリティ機能であり、メモリの空き容量にはほとんど影響しません。オフにするとセキュリティが低下するだけなので、メモリ節約目的でオフにするのはおすすめしません

参考文献