「ExcelにCOPILOT関数っていうのが追加されたらしいけど、自分のExcelで試してもエラーになる……」

SNSで話題のCOPILOT関数。セルの中にAIを呼び出せるという夢のような機能ですが、実は使うためにはかなり厳しい条件があるんです。

この記事では、2026年3月時点でのCOPILOT関数の利用条件・料金・できること・やってはいけないことをまとめました。「使えないんだけど?」という方も、「使ってみたいけど何が必要?」という方も、ぜひ参考にしてください。

COPILOT関数ってなに?普通の関数となにが違う?

COPILOT関数は、Microsoftが2024年末に発表したExcelの新しい関数です。ざっくり言うと、セルの中からAI(大規模言語モデル)を呼び出して、テキスト処理をさせられる関数です。

たとえば、こんな使い方ができます。

=COPILOT("このレビューをポジティブかネガティブに分類して", A2)

SUMやVLOOKUPのような従来の関数は「決まったルールで計算する」ものですが、COPILOT関数は「AIに質問して答えをもらう」という、まったく新しいタイプの関数です。

構文はこのようになっています。

=COPILOT(プロンプト, [参照1], [プロンプト続き], [参照2], ...)

第1引数にAIへの指示(プロンプト)を書き、第2引数以降でセル範囲を参照として渡します。プロンプトと参照は交互に複数指定できるので、「A列の商品名を見て、B列の説明文を参考に、C列のカテゴリに分類して」といった複雑な指示も1つの関数で書けます。

使えない人が多い理由——利用条件がかなり厳しい

「自分のExcelで =COPILOT( と打ってもエラーになる!」という声がSNSでたくさん見られます。それもそのはず、COPILOT関数を使うには3つの条件をすべて満たす必要があるからです。

条件1:Microsoft 365 Copilotのライセンスが必要

COPILOT関数は「プレミアムCopilot機能」に分類されています。つまり、通常のMicrosoft 365サブスクリプションだけでは使えません

追加で必要なライセンスと2026年3月時点の料金は以下のとおりです。

  • 法人向け:Microsoft 365 Copilot — 月額4,497円/ユーザー(年間契約)
  • 個人向け:Microsoft 365 Personal / Family に含まれるCopilot Pro相当の機能が必要

要するに、無料では使えません。会社でMicrosoft 365を契約していても、Copilotのライセンスが別途ないとダメです。

条件2:ベータチャネルまたはプレビューチャネルへの参加

2026年3月時点では、COPILOT関数はまだ正式リリース(GA)されていません。利用するには、以下のいずれかのチャネルに参加する必要があります。

  • ベータチャネル(Microsoft 365 Insider Program)
  • カレントチャネル(プレビュー)(Frontier Program経由)

これらは新機能をいち早く試せる代わりに、不安定な場合もあるチャネルです。一般的な「最新チャネル」や「月次エンタープライズチャネル」では、まだ使えません。

条件3:対応プラットフォーム

COPILOT関数が動作するのは以下の環境です。

  • Windows版 Excel for Microsoft 365
  • Mac版 Excel for Microsoft 365
  • Excel for the web(Web版)
  • iPhone版 Excel

ただし、Microsoftの公式サポートページによると、チャネルやバージョンによって利用可否が異なるため、上記の環境でも使えない場合があります。

COPILOT関数が得意なこと・苦手なこと

COPILOT関数は万能ではありません。得意なことと苦手なことがはっきり分かれているので、使いどころを間違えると痛い目に遭います。

得意なこと(向いている用途)

  • テキストの分類・タグ付け:レビューをポジティブ/ネガティブに分ける、問い合わせ内容をカテゴリ分けするなど
  • 文章の要約:長い説明文を1行にまとめる
  • サンプルデータの生成:テスト用のダミーデータを作る
  • 翻訳・言い換え:英語の商品名を日本語に変換するなど
  • データの抽出:自由記述から日付や金額を抜き出す

苦手なこと(使ってはいけない用途)

ここが超重要です。Microsoftは公式に「正確性や再現性が求められるタスクには使わないでください」と警告しています

  • 数値計算:合計・平均・集計にはSUM・AVERAGEなど従来の関数を使うべき
  • 財務レポート・法的文書:間違った数字が入ると大問題になる場面はNG
  • 最新情報の取得:AIの知識は2024年6月頃までの情報に限定されている
  • 100%同じ結果が必要な場面:同じプロンプトでも毎回微妙に結果が変わることがある

Office Watchの検証記事では、COPILOT関数がデータの欠落や事実と異なる回答を返すケースが報告されています。つまり、AIが「それっぽいけど間違っている」回答を返す可能性があるということです。

使用回数の制限(レートリミット)に注意

COPILOT関数にはもうひとつ見落としがちな制限があります。それが使用回数の上限です。

  • 10分間に100回まで
  • 1時間に300回まで

たとえば、1,000行のデータに対してCOPILOT関数を一気にオートフィルすると、途中で上限に引っかかって「#CONNECT!」エラーが出ます。

大量のデータを処理したい場合は、数百行ずつに分けて処理するか、時間を空けて再実行する必要があります。これは地味にストレスがたまるポイントなので、覚えておきましょう。

ChatGPT for Excelアドインとの違い

「あれ、ChatGPT for Excelっていうのもなかった?」と思った方もいるかもしれません。実はこの2つはまったく別物です。

項目COPILOT関数ChatGPT for Excelアドイン
提供元MicrosoftOpenAI
利用料金Microsoft 365 Copilotライセンス(月額4,497円〜)ChatGPT Plus(月額約3,000円)
動作方式Excel組み込みの関数アドインとして追加
AIモデルAzure上のMicrosoftモデルOpenAIのGPTモデル
データの扱いMicrosoftのセキュリティポリシー内で処理OpenAIのサーバーに送信
正式リリース2026年3月時点でプレビュー段階2025年にリリース済み

会社で使う場合は、データがどこに送信されるかがセキュリティ上の大きな判断ポイントになります。COPILOT関数はMicrosoftのクラウド内で処理されるため、すでにMicrosoft 365を業務利用している企業にとっては導入のハードルが低いかもしれません。

今すぐ使えなくても準備しておくべきこと

「まだプレビュー段階なら、今は関係ないか……」と思うかもしれませんが、正式リリースに向けて今からできる準備はあります。

  1. データを「テーブル」形式にしておく:COPILOT関数はテーブル形式のデータと相性がよいです。Ctrl+Tでテーブルに変換しておきましょう
  2. 列の見出しをわかりやすくする:「A」「B」ではなく「商品名」「レビュー」など、意味のある見出しをつけておくとAIの精度が上がります
  3. 従来の関数を使いこなす:COPILOT関数は数値計算が苦手なので、SUM・IF・VLOOKUPなどの基本関数は引き続き必須です
  4. 会社のIT部門にCopilotライセンスの導入予定を確認する:法人向けは管理者がライセンスを割り当てる必要があるため、個人で勝手に使い始めることはできません

FAQ

COPILOT関数は無料で使えますか?

いいえ。Microsoft 365 Copilotのプレミアムライセンスが必要です。法人向けの場合、2026年3月時点で月額4,497円/ユーザー(年間契約)です。通常のMicrosoft 365サブスクリプションだけでは利用できません。

COPILOT関数で合計や平均などの計算はできますか?

技術的には可能ですが、Microsoftは公式に「数値計算にはSUMやAVERAGEなどの従来の関数を使ってください」と明記しています。COPILOT関数は計算ミスをする可能性があるため、正確性が求められる場面では使わないでください。

日本語のプロンプトは使えますか?

はい、日本語のプロンプトに対応しています。「このテキストを要約して」「ポジティブかネガティブに分類して」など、日本語で指示を出すことができます。

COPILOT関数の結果は毎回同じになりますか?

いいえ。AIベースの関数なので、同じプロンプトでも実行するたびに微妙に異なる結果が返ることがあります。再現性が必要な業務では、結果をコピーして「値として貼り付け」で固定することをおすすめします。

ChatGPT for Excelアドインとどちらがおすすめですか?

用途と環境によります。会社のデータを扱うならMicrosoftのセキュリティポリシー内で処理されるCOPILOT関数のほうが安心です。個人利用で手軽に試したいなら、すでに正式リリースされているChatGPT for Excelアドインのほうが始めやすいでしょう。

参考文献