「エアコンの2027年問題で、安いエアコンが買えなくなるらしい」——2026年5月現在、SNSでこんな投稿をよく見かけるようになりました。うちも築10年の賃貸で4台のエアコンを使っているので、正直ドキッとしました。
結論から言うと、今使っているエアコンを急いで買い替える必要はありません。ただし、「次に壊れたとき」の選択肢と価格帯は確実に変わります。この記事では、2027年問題の正体を整理して、あなたの家のエアコンをいつ・どう判断すればいいのかを、我が家の事例も交えてお伝えします。
エアコンの「2027年問題」って何が起きるの?
2027年4月から、家庭用エアコンの省エネ基準が引き上げられます。これは経済産業省が定める「トップランナー制度」に基づくもので、メーカーが出荷するエアコン全体の省エネ性能を一定水準以上にすることを義務づける仕組みです。
具体的には、エアコンの省エネ性能を示す指標「APF(通年エネルギー消費効率)」の基準値が、現行の5.8前後から6.6前後に引き上げられます。2026年5月時点で流通している格安モデルの多くは、この新基準を満たしていません。
ここで大事なポイントがひとつ。この制度はメーカーの出荷に対する規制であって、家庭で使っている既存のエアコンには何の影響もありません。「2027年になったら今のエアコンが使えなくなる」というのは誤解です。
今のエアコン、そのまま使い続けて大丈夫?
資源エネルギー庁の公式情報によれば、現在お使いのエアコンを2027年4月以降も使い続けることはまったく問題ありません。修理についても、メーカーは製造終了後おおむね10年間は補修用部品を保有しているため、すぐに修理できなくなることもないとされています。
我が家の場合、リビングのエアコンが2016年製でちょうど10年目。フィルター掃除は娘が「お手伝い」と言って月1で一緒にやってくれるので続いていますが、さすがに内部のファンの汚れは気になっています。「まだ動いているけど、部品保有期間がそろそろ終わるかも」というのがリアルな心配どころです。
判断基準はシンプルで、以下の3つに当てはまるならまだ使い続けてOKです。
- 冷暖房がちゃんと効いている(設定温度まで30分以内に到達する)
- 異音・異臭がない
- 製造年から10年以内(=部品保有期間内)
全部やる必要はありませんが、製造年だけは室内機の側面か下面のラベルで確認しておくと安心です。5分もかかりません。
格安エアコンは本当になくなる?価格はどうなる?
ここが一番気になるところですよね。
2026年5月時点で、6畳用エアコンの最安クラスは工事費別で4〜5万円台。型落ちモデルなら3万円台もまだ見つかります。しかし2027年4月以降、新基準を満たさないモデルは新規出荷できなくなるため、低価格帯の選択肢は大幅に減るとみられています。
新基準対応モデルの価格帯は、2026年時点で6畳用でも8〜13万円程度が相場です。ダイキンのEシリーズで約11万円、シャープのDGシリーズで約8万円、といった具合。つまり、これまで「5万円以下で買い替え」ができていた感覚は、2027年以降通用しなくなる可能性が高いわけです。
ただし注意点があります。トップランナー制度は「出荷する製品全体の加重平均」で評価される仕組みなので、ハイエンドモデルで稼いだ省エネ効率を使って、一部の廉価モデルを残すメーカーが出てくる可能性もゼロではありません。とはいえ、「格安モデルが今の価格で残り続ける」と楽観するのは危険です。
買い替え時期の判断——「壊れてから慌てる」を避ける仕組み
先週、義母から「エアコンが変な音がする」と電話があって、製造年を確認したら2014年製でした。部品保有期間ギリギリのタイミングで、修理できるか微妙なラインです。
こういう「壊れてから慌てる」パターン、共働き家庭だと夏のピーク時に重なると最悪で、工事は2〜3週間待ち、暑い中エアコンなしで過ごすことになりかねません。うちでは、月1の家電メンテナンスの日にエアコンの製造年と状態を一緒にチェックする運用に変えました。
買い替えのタイミングとしておすすめなのは以下の3パターンです。
- 製造10年を超えたら:部品保有期間を過ぎると、修理自体ができなくなるリスクがあります。「動いているうちに」計画する方が選択肢が広い
- 2026年中の型落ちセール:2027年基準に切り替わる前の在庫処分で、旧基準モデルが安くなる可能性があります。5月〜夏前と、年末年始が狙い目
- 電気代が明らかに上がったとき:10年前のモデルと最新モデルでは年間電気代に5,000〜10,000円の差が出ることも。3〜4年で元が取れる計算になる場合もあります
2027年問題で「やらなくていいこと」リスト
SNSでは不安を煽る投稿も多いので、やらなくていいことも整理しておきます。
- 今すぐ全台買い替える必要はない:制度はメーカーへの規制であって、あなたの家のエアコンを強制撤去する法律ではありません
- 2027年4月に急に修理不能になるわけではない:部品保有期間は製造終了後10年であって、基準切り替え日とは無関係です
- 「省エネ基準未達=電気代が高い」ではない:旧基準のエアコンでも、フィルター掃除と適切な使い方で十分省エネ運転できます
不安になったときは「うちのエアコンは何年製か」だけ確認すれば十分。それだけで判断材料の8割は揃います。
FAQ
2027年4月以降、今使っているエアコンは使えなくなりますか?
いいえ、使い続けられます。トップランナー制度はメーカーの出荷に対する規制であり、家庭で既に使用しているエアコンには影響しません。修理もメーカーの部品保有期間内(製造終了後約10年)であれば可能です。
格安エアコン(5万円以下)は2027年以降買えなくなりますか?
現在のような4〜5万円台のモデルは大幅に減る可能性が高いです。新基準対応モデルは6畳用でも8〜13万円程度が相場になるとみられています。ただし在庫品や型落ちモデルが一時的に安く流通する可能性はあります。
今のうちに買い替えた方がお得ですか?
現在のエアコンが正常に動いていて製造10年以内なら、急いで買い替える必要はありません。壊れる前兆(異音・冷えが悪い・電気代の急増)が出てから計画的に動いても間に合います。2026年中の型落ちセールは狙い目のひとつです。
エアコンの製造年はどこで確認できますか?
室内機の側面か下面に貼られているラベルに「製造年」が記載されています。リモコンの型番からメーカーサイトで調べることも可能です。確認は1台あたり1分もかかりません。
参考文献
- 27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!エアコンについて知っておくべきポイントは? — 資源エネルギー庁「エネこれ」
- エアコンの2027年問題を徹底解説 — 交換できるくん
- 2027年問題、エアコンは「省エネ性×快適性」で選ぶ — ダイキン工業
- 【エアコン2027年問題】価格が倍に?今買うべきか・格安エアコンの選び方と注意点 — 生活堂






