「エアコンが2027年から値上がりするって聞いたけど、本当?」「壊れてないけど今のうちに買い替えたほうがいいの?」——SNSやニュースで話題のエアコンの「2027年問題」。2026年4月現在、家電量販店でも「駆け込み需要」が増え始めています。

この記事では、2027年にエアコンの何が変わるのか、なぜ値上がりするのか、そして「今すぐ買い替えるべきか」の判断基準をわかりやすく解説します。

そもそも「エアコンの2027年問題」って何?

エアコンの2027年問題とは、2027年度(2027年4月〜)から家庭用壁掛けエアコンの省エネ基準が大幅に引き上げられることで、価格や品揃えに大きな影響が出る問題のことです。

この基準は経済産業省が2022年5月に告示したもので、エアコンのエネルギー効率を示すAPF(通年エネルギー消費効率)の目標値が現行より約13.7%も引き上げられます。

ざっくり言うと、「今売られているエアコンの多くが、2027年4月以降は省エネ基準を満たせなくなり、製造・販売できなくなる」ということです。

なぜエアコンが値上がりするの?3つの理由

「基準が変わるだけで、なんで値段が上がるの?」と思いますよね。理由は大きく3つあります。

理由1:省エネ性能を上げるために部品コストが増える

新しい基準を満たすには、より効率の良いコンプレッサーや熱交換器、高性能なインバーター回路が必要です。つまり、エアコンの中身を「ハイスペック仕様」にしないと基準をクリアできません。当然、製造コストが上がり、販売価格に反映されます。

理由2:「安くてシンプルな格安モデル」が作れなくなる

これが一番インパクトが大きいポイントです。2026年4月現在、量販店で5〜7万円程度で買える「スタンダードモデル」の多くは、2027年度の新基準を満たしていません。つまり、これらの格安モデルは2027年4月以降、製造も販売もできなくなる可能性が高いのです。

結果として、エアコンの「最低価格」が底上げされ、今まで6万円で買えたクラスが10万円前後になるという見通しも出ています。

理由3:冷媒ガスの規制も進んでいる

省エネ基準とは別に、地球温暖化を防ぐための「フロン排出抑制法」により、エアコンに使われる冷媒ガス(フロン類)の規制も強化されています。現在主流のR32冷媒は地球温暖化係数(GWP)が675で、将来的にはGWPがさらに低い次世代冷媒への移行が見込まれています。

新冷媒に対応するには設計の見直しや新しい部品が必要になり、その分のコストも価格に上乗せされます。

具体的に何がどう変わる?APFの数値で比較

APFとは「Annual Performance Factor(通年エネルギー消費効率)」の略で、数値が大きいほど省エネ性能が高いことを意味します。

経済産業省の告示によると、2027年度からの新基準では以下のように引き上げられます(壁掛形の一例)。

冷房能力(部屋の広さ目安)現行APF基準2027年度〜 新APF基準改善率
2.2kW(6畳用)5.86.6約13.8%
2.8kW(10畳用)5.86.7約15.5%
4.0kW(14畳用)4.96.6約34.7%

特に注目すべきは14畳用(4.0kW)クラスで約34.7%もの改善が求められている点です。リビング用の大型エアコンほど影響が大きく、価格上昇幅も大きくなると予想されています。

「今すぐ買い替えるべき?」判断基準5つ

「壊れてもいないのに買い替えるのはもったいない…」という気持ちもわかります。以下の5つのポイントで判断しましょう。

1. 今のエアコンが10年以上使っている → 買い替え推奨

エアコンの平均寿命は10〜15年です。10年以上使っているなら、2027年を待たずに故障するリスクが高まっています。壊れてから慌てて買うと、繁忙期で工事が1〜2ヶ月待ちになることもあります。

2. 年間の電気代が高いと感じている → 買い替えメリット大

10年前のエアコンと最新モデルでは、年間の電気代に1万〜2万円程度の差が出ることがあります。新基準のエアコンは省エネ性能が高い分、長期的には電気代の節約で元が取れる可能性があります。

3. 6畳用のシンプルモデルで十分 → 2026年中の購入がお得

格安モデルが市場から消える前に買うのが賢い選択です。2026年後半は在庫処分セールの可能性もあるので、夏が終わった9〜11月が狙い目です。

4. 14畳以上のリビング用を検討中 → 早めの検討を

14畳用クラスは基準の改善率が最大(34.7%)なので、値上がり幅も最も大きくなると予想されます。リビング用の買い替えを考えているなら、2026年度中がベストです。

5. まだ5年以内で調子も良い → 無理に買い替えなくてOK

まだ新しいエアコンを無理に買い替える必要はありません。2027年以降も現在の省エネ基準を満たしている上位モデルは引き続き販売されます。壊れてもいないのに焦って買い替えるのは、かえって損になることもあります。

2026年にエアコンを買うなら知っておきたい3つのコツ

コツ1:型落ちモデルを狙う

毎年2〜4月にメーカーの新モデルが発売されます。その直前・直後に前年モデルが値下がりするので、性能はほぼ同等なのに2〜3万円安く買えることがあります。

コツ2:省エネ基準達成率100%以上のモデルを選ぶ

家電量販店の値札に書かれている「省エネ基準達成率」をチェックしましょう。達成率が100%以上(できれば110%以上)のモデルなら、2027年の新基準にも対応している可能性が高く、長く使えます。統一省エネラベルの★の数が多いほど省エネ性能が高いので、★4つ以上を目安にするのがおすすめです。

コツ3:工事費込みの総額で比較する

エアコンは本体価格だけでなく、取り付け工事費(標準工事で1万〜2万円)や、古いエアコンの取り外し・リサイクル費用も必要です。量販店のセット価格やネット通販+地元業者の組み合わせなど、総額で比較するのがポイントです。

FAQ

2027年以降、今使っているエアコンは使えなくなるの?

いいえ、今お使いのエアコンがそのまま使えなくなることはありません。新基準は「新たに製造・販売するエアコン」に適用されるもので、すでに設置済みのエアコンには影響しません。壊れるまで安心して使い続けられます。

2027年問題でエアコンはいくらくらい値上がりするの?

正確な価格はメーカーや機種によりますが、これまで5〜7万円で買えたスタンダードモデルが10万円前後になるという予測が出ています。特に14畳用など大型モデルは値上がり幅が大きくなる見込みです。ただし、メーカー間の競争で価格差は徐々に縮小される可能性もあります。

2027年度の新基準に対応したエアコンはもう売っているの?

はい、上位モデル(高性能・高価格帯)の中には、すでに2027年度の新基準をクリアしているものがあります。購入時に統一省エネラベルの「目標年度」と「達成率」を確認すれば、新基準対応かどうかがわかります。

業務用エアコンも2027年に値上がりするの?

2027年度の基準改正は「家庭用の壁掛形エアコン」が対象です。壁掛形以外のタイプやマルチエアコンは2029年度から新基準が適用される予定です。業務用エアコンは別途、冷媒規制(フロン排出抑制法)の影響を受けます。

参考文献