フリーランス仲間とのZoomで、「iPhoneのカレンダーが突然ぜんぶ消えて、クライアントとの打ち合わせをすっぽかした」と嘆いている人がいました。iCloud.comの復元機能を知らなかったその人は、予定をひとつずつ手入力でやり直したそうです。

もしいま同じ状況なら、焦らなくて大丈夫です。カレンダーの予定が画面から消えていても、iCloudにデータが残っているケースがほとんど。表示設定が外れているだけなら、タップひとつで全予定が戻ります。

カレンダーの「表示チェック」が外れていないか確認する

カレンダーが空っぽに見えるとき、いちばん多い原因は「カレンダーの表示チェックが外れているだけ」です。iPhoneのカレンダーアプリでは、iCloud・Gmail・Outlookなど複数のアカウントを登録でき、それぞれのカレンダーにチェックボックスがついています。

このチェックが外れると、予定はiCloud上に残ったまま画面にはゼロ件表示になります。iOSアップデートの直後にチェックが勝手に外れた、という報告はAppleコミュニティでも複数見つかります。

確認手順です。

  1. 「カレンダー」アプリを開く
  2. 画面下部の「カレンダー」タブをタップする
  3. 「iCloud」セクションに並んでいるカレンダー名を見る
  4. チェックマークが外れているものがあれば、タップしてオンにする
  5. 右上の「完了」をタップする

これだけで予定が復活するケースは珍しくありません。先日、実家の母のiPhoneでも同じことが起きました。確認したら、iCloudカレンダーのチェックがひとつだけ外れていたんです。タップしたら全予定が戻ったので、母は「壊れたかと思った!」と拍子抜けしていました。

もし「カレンダー」タブを開いてもiCloudの項目自体が見当たらない場合は、iCloudとの同期がオフになっている可能性があります。次の手順へ進んでください。

iCloudカレンダーの同期がオフになっていないか確認する

iOSアップデートやApple IDの再サインイン後に、iCloudカレンダーの同期設定がオフに切り替わることがあります。Appleの公式サポートページでも、まず同期がオンになっているかの確認が案内されています。

  1. ホーム画面で「設定」を開く
  2. いちばん上に表示される自分の名前(Apple ID)をタップする
  3. 「iCloud」をタップする
  4. 「iCloudを使用しているアプリ」の一覧から「カレンダー」を探す
  5. スイッチがオフ(グレー)になっていたら、オンに切り替える

オンにした直後、「iPhoneのカレンダーと結合しますか?」というメッセージが表示されることがあります。ここでは必ず「結合」を選んでください。

「結合」を選ばないと、iPhone本体にだけ保存されていた予定が上書きで消えてしまう可能性があります。以前、母のiPhoneで連絡先の同期をやり直したときにも同じ選択肢が出て、このときは私が横にいたので「結合」を押してもらえましたが、一人だったら迷っていたと思います。

同期をオンにしてから、カレンダーアプリに予定が表示されるまで数分かかることがあります。Wi-Fi環境で少し待ってから確認してみてください。

iCloud.comの「データの復旧」でカレンダーを丸ごと元に戻す

表示設定も同期もオンなのに予定が戻らない。そんなときに使えるのが、iCloud.comの「データの復旧」機能です。iCloudが自動で保存しているカレンダーのアーカイブ(過去の状態のコピー)を呼び出して、指定した日付の状態に丸ごと戻すことができます。

パソコンのブラウザからの手順を紹介します。iPhoneのSafariでもアクセスできますが、画面が小さくて操作しづらいので、可能ならパソコンを使うのがおすすめです。

  1. パソコンのブラウザでiCloud.comにアクセスし、Apple IDでサインインする
  2. 画面の左下にある「データの復旧」をクリックする
  3. 「カレンダーを復元」を選ぶ
  4. 復元可能な日付の一覧が表示されるので、予定が消えるの日付を選ぶ
  5. 選んだ日付の右にある「復元」をクリックする
  6. 確認のポップアップが出たら、もう一度「復元」をクリックする

復元が完了すると、iCloud.com上に通知が表示されます。Apple IDに登録しているメールアドレスにも確認メールが届くので、迷惑メールフォルダに振り分けられていないかも合わせてチェックしてみてください。数分でiPhoneのカレンダーにも予定が戻ってくるはずです。

ひとつだけ注意点があります。この復元を実行すると、カレンダーの共有設定がリセットされます。家族や同僚と共有しているカレンダーがある場合は、復元後にもう一度共有の設定をやり直してください。Appleの公式ガイドにもこの点が明記されています。

それでも戻らないときに試すこと

ここまでの手順で戻らなかった場合、追加で確認できるポイントがいくつかあります。

デフォルトカレンダーの設定を確認する

新しい予定を追加するとき、iCloudではなくGmailなど別のカレンダーが「デフォルト」に設定されていると、予定がiCloud側に保存されていないことがあります。「設定」→「アプリ」→「カレンダー」→「デフォルトカレンダー」で、iCloudのカレンダーが選ばれているか確認してみてください。

同期の範囲を変更してみる

「設定」→「アプリ」→「カレンダー」→「同期」を開くと、「過去1か月のイベント」「過去3か月のイベント」など同期する期間を選べます。ここが「過去1か月」になっていると、それより前の予定は表示されません。「すべてのイベント」に切り替えてみてください。

端末を再起動する

地味ですが、再起動するだけで同期エラーが解消されることがあります。iPhoneの場合は、音量ボタンの上→下を素早く押してからサイドボタンを長押し。Appleロゴが表示されたら手を離します。

Appleサポートに問い合わせる

ぜんぶ試しても戻らなければ、Appleサポートに問い合わせるのが確実です。電話やチャットでApple ID単位のデータ確認を依頼できます。もし違う画面が出る場合や、操作に不安がある場合も、サポートの方が画面共有しながら案内してくれるので安心です。

カレンダーが消える前にやっておきたい予防

カレンダーのトラブルを一度経験すると、「また消えたらどうしよう」と不安になります。予防策として効果が高いのは、Googleカレンダーとの二重運用です。

iPhoneの「設定」→「カレンダー」→「アカウント」→「アカウントを追加」でGoogleアカウントを追加し、カレンダーの同期をオンにすると、iCloudとGoogleの両方に予定が保存されるようになります。片方でトラブルが起きても、もう片方からスケジュールを確認できるので保険になります。

先ほどのフリーランス仲間のZoomでこの話をしたら、4人中2人がすでにiCloudとGoogleの二重運用をしていました。「一回消えた経験がある人は、だいたい両方に入れてるよ」とのこと。経験者の知恵ですね。

もうひとつ、月に1回でもiCloud.comにアクセスして「データの復旧」画面を開いておくと、バックアップが正常に取られていることの確認になります。いざというとき慌てなくて済むので、カレンダーのリマインダーにでも「iCloud確認」と入れておくのがおすすめです。

FAQ

iCloud.comの「データの復旧」で復元すると、復元日より後に追加した予定は消えますか?

はい、選んだ日付時点の状態に上書きされるため、その日以降に追加した予定が消える可能性があります。復元前に最新の予定をスクリーンショットやメモで控えておくのが安全です。

Gmailなど別のカレンダーに登録した予定も消えることがありますか?

iCloudの同期トラブルで影響を受けるのは、iCloudカレンダーに保存された予定だけです。Gmail・Outlook・Yahoo!カレンダーに保存した予定はそれぞれのサービス側で管理されており、iCloudトラブルの影響は受けません。

カレンダーが消えたのか、最初から保存されていなかったのか、見分ける方法はありますか?

パソコンやiPadなど別のAppleデバイスでiCloudにサインインし、カレンダーアプリを開いてみてください。別のデバイスでも表示されなければiCloudから消えた可能性が高く、1台だけ表示されない場合はその端末の設定の問題です。

iCloud.comの復元機能はいつまでのアーカイブが残っていますか?

Appleは具体的な保持期間を公表していませんが、複数のアーカイブが日付順に表示されます。気づいたら早めに復元操作を行うのが確実です。

参考文献