朝の駅のホームでiPhoneを取り出したら、画面が真っ黒。昨夜は充電したはずなのに、と青ざめた方もいるかもしれません。寒さで電源が落ちただけなら、故障とは限りません。
以下は2026年11月時点で確認できるAppleの公式情報がもとです。
寒い日にiPhoneが落ちるのは、壊れたサインとは限りません
Appleのサポート情報(If your iPhone or iPad gets too hot or too cold、英語)によると、iPhoneが想定している使用環境の温度は0〜35℃です。保管するときの温度は、マイナス20〜45℃とされています。
この範囲より寒い場所で使うと、バッテリーの持ちが一時的に短くなり、電源が切れることがあると書かれています。気温が戻れば、バッテリーも通常の状態に戻ります。
夏に実家の母のiPhoneが「高温注意」で固まったとき、私は「壊れていないよ、温度が戻れば直るから」と電話で伝えました(そのときの話は高温注意の記事に書いています)。冬はちょうどその逆で、寒さが原因の一時的な不調が起きます。
なぜ「残量があるのに」落ちるの?
一般的な電池の性質として、リチウムイオン電池(スマホに使われている充電式の電池)は、低い温度になると中の化学反応が鈍くなります。そのため、画面の表示は残り少なめでも、必要な電力をうまく取り出せなくなることがあります。
なお、この仕組みの説明はAppleの文書にあるものではなく、一般的な電池の性質です。Appleの公式ページが明言しているのは、「寒い環境では持ちが一時的に短くなり、電源が切れることがある」「温度が戻れば通常に戻る」という2点です。
残量が何%のときに落ちるかは、機種やバッテリーの劣化具合、気温によって変わります。手元の数字で「必ずこう」とは言えません。
Androidスマホでも寒さで電池の持ちが悪くなることは知られていますが、ここではAppleの公式情報がそろっているiPhoneに絞ってお話しします。
電源が落ちたときの戻し方
次の手順を試してみてください。
- iPhoneを、上着の内側や室内など、暖かい場所に移す
- 5〜10分ほど、そのまま置いておく
- サイドボタン(右側面のボタン)を長めに押して、Appleマークが出るのを待つ
- それでも起動しないときは、充電ケーブルをつないで少し待つ
手順3でAppleマークが出ない場合は、充電をしながら10分ほど置いてからもう一度押してみてください。
ここで気をつけたいのが、急に温めすぎないことです。ヒーターの温風を直接当てたり、熱いお湯の近くに置いたりするのは、筆者はおすすめしません。冷えた機器が急に温まると、表面に水滴がつくことがあるためです(これは筆者の考えで、Appleの文書に書かれたものではありません)。体温や室温でゆっくり戻すのが無難です。
データは、電源が落ちただけで消えることはありません。起動したら、普段どおりに使えます。
冬の外出で落とさないための持ち歩き方
いちばん効くのは、iPhoneをできるだけ冷やさないことです。
私の実家は世田谷区で、週末に母のスマホサポートで通っています。冬の外では、母にはバッグの外ポケットではなく、上着の内ポケットにiPhoneを入れてもらうようにお願いしています。体温が伝わる場所のほうが、冷えにくいからです。
家族に「ちゃんとポケットに入れて」と伝えるだけでも、ずいぶん違います。
- 使わないときは、体に近い内ポケットへ:バッグの底やコートの外ポケットは冷えやすい場所です
- 地図や写真を使うときだけ取り出す:長時間、手に持って外気にさらさないようにします
- 画面の明るさを少し落とす:電池を使う量が減ります
- 低電力モードを使う:Appleによると、ディスプレイの明るさを減らし、動きを抑えて電池の消費を減らすモードです(Apple公式の「バッテリー」ページ)。寒さそのものを防ぐ機能ではありませんが、持ちを少しでも伸ばしたい日には試す価値があります
- カイロは直接つけない:iPhoneとカイロを一緒にポケットに入れる場合も、間に布をはさんで直接触れないようにします。これも筆者の考えです
スキー場や冬のキャンプなど、氷点下になりやすい場所では、モバイルバッテリーも冷えます。電源が落ちたときに備えて、紙の地図や家族の連絡先のメモを持っておくと安心です。
寒い場所で「充電は保留中です」と出たら
冬の車の中などで充電しようとすると、ロック画面に「充電は保留中です」といったメッセージが出ることがあります。Appleの案内(If a Charging On Hold notification appears、英語)では、温度が高すぎる、または低すぎるときに、充電が一時的に止まったり遅くなったりするとされています。
これは故障ではなく、バッテリーを守るための動きです。暖かい場所に移せば、自然に再開します。
ただし、似た表示でも原因が違うことがあります。一晩つないだのに80%で止まる場合は、温度ではなく「充電上限」の設定が原因のことが多いです。そちらは充電上限の記事で手順を紹介しています。
暖かい部屋でも減りが早いときは
室内で、冷えてもいないのに、残量が急に減る、突然落ちるという場合は、寒さ以外の原因を疑います。たとえばバッテリー自体の劣化です。
「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」で、最大容量を確認してみてください。表示が見当たらない場合は、設定画面の上にある検索窓に「バッテリー」と入れると近道になります。
最大容量が大きく下がっているなら、寒さに弱くなるのは自然なことです。数字を見て、交換や買い替えの時期を考える材料にしてください。Apple Storeやキャリアのショップに相談するのも、確実な方法です。
寒い日だけ起きるのか、室温でも起きるのか。この違いをメモしておくと、相談するときに話が早くなります。
FAQ
寒さで電源が落ちると、iPhoneは壊れますか?
Appleの公式ページでは、寒い環境での電池の持ちの低下は一時的なもので、温度が戻れば通常に戻るとされています。落ちただけで故障と決めつける必要はありません。
冷えたiPhoneをカイロやドライヤーで温めてもいいですか?
おすすめしません。急に温めると水滴がつく心配があるため、筆者は上着の内側や室温でゆっくり戻す方法を勧めています。Appleの文書では、温度が戻れば通常に戻るとされています。
寒い日は、外でiPhoneの電源を切っておいたほうがいいですか?
電源を切る必要はありません。Appleが案内しているのは0〜35℃の範囲で使うことです。切るより、体温で冷やさないよう内ポケットに入れておくほうが、実用的です。
充電中に「充電は保留中です」と出ました。壊れていますか?
Appleの案内では、温度が高すぎる、または低すぎるときに充電が一時的に保留されることがあるとされています。暖かい場所へ移すと再開します。
参考文献
- If your iPhone or iPad gets too hot or too cold(英語) — Apple サポート
- バッテリー - パフォーマンスを最大化する — Apple(日本)
- If a Charging On Hold notification appears on your iPhone or iPad(英語) — Apple サポート





