先日、実家の母のiPhoneがテーブルの上でホカホカに熱くなっていました。画面は真っ暗、何を押しても反応しない。聞けば充電ケーブルを挿したまま、YouTubeで料理動画をずっと流していたそうです。表示されていたのは「高温注意」の警告画面でした。

結論から言うと、これはiPhoneが自分自身を守るために働かせる安全機能で、壊れたわけではありません。ただし冷まし方を間違えると、本当に壊れる。母のiPhoneで実際にやった手順を書きます。

「高温注意」が出たらまずやること、冷まし方5ステップ

ケーブルを抜いてから再起動できるまで、だいたい10分でした。手順はこう。

  1. 充電ケーブルを抜く。充電そのものが熱の大きな原因になります。まずケーブルを外してください
  2. ケースを外す。背面カバーや手帳型ケースが熱を閉じ込めてしまいます。取り外して、本体の放熱を助けてあげましょう
  3. 涼しい場所に移す。直射日光の当たらない、風通しのよいテーブルの上に置きます。エアコンが効いた室内がベストです
  4. そのまま5〜10分放置する。ここで操作しようとすると余計に熱がこもります。触りたくなる気持ちはわかりますが、ぐっとこらえてください
  5. 本体が冷めたら強制再起動。手で触って「ぬるい」程度に冷めたことを確認してから、音量上ボタン → 音量下ボタン → サイドボタン長押し(Appleロゴが出るまで)で強制再起動します

母のiPhoneもこの手順で無事に復活しました。もし15分以上たっても「高温注意」が消えない場合は、iPhone内部のセンサーに別の問題がある可能性があります。その場合はAppleサポートに相談してみてください。

絶対やってはいけないNG行為——保冷剤・冷蔵庫・水は厳禁

早く冷ましたい。その気持ちはよくわかります。でも、以下だけは絶対にやらないでください。最悪の場合、iPhoneが「水没」と同じ状態になって修理不能になることがあります。

NG① 保冷剤や氷を直接あてる

急激な温度差で、iPhone内部に結露が発生します。冷たいペットボトルの表面に水滴がつく、あの現象です。これがiPhoneの基板の上で起きると、ショートして致命的な故障につながる可能性があります。

NG② 冷蔵庫や冷凍庫に入れる

保冷剤と同じ理由です。しかも冷蔵庫の中は湿度も高いので、結露のリスクはさらに上がります。「すぐ冷える」と思ってやってしまう方がいるのですが、Appleは公式に「急激に冷やさないでください」と注意しています。

NG③ 水をかける・濡れたタオルで包む

iPhoneには耐水性能がありますが、完全防水ではありません。とくにLightningやUSB-Cのコネクタ部分から水が入ると「液体が検出されました」の警告が出て、充電すらできなくなることがあります。

フリーランス仲間とZoomしていたとき、「お風呂でiPhoneを落としたときドライヤーで乾かそうとした」という話が出たのですが、熱い→急激に冷やす、冷たい→急激に温める、どちらの方向でも急な温度変化は内部の結露につながるんです。

なぜ熱くなる? 充電しながらの動画視聴が「発熱の黄金コンビ」である理由

iPhoneが高温になる原因はおもに3つあります。

原因1. 充電そのものによる発熱
バッテリーに電気を流し込む行為自体が熱を生みます。とくにUSB PD対応の急速充電アダプタを使っていると、ゆっくり充電するときよりも発熱量が大きくなります。Appleの公式ページでも、充電中に端末が温かくなるのは想定内と説明されています。

原因2. 動画再生やカメラなどの高負荷アプリ
YouTube、Netflix、TikTokなどの動画アプリはCPUとGPU(映像を処理する部品)をフル稼働させるため、熱が出やすくなります。カメラアプリやゲームも同じです。

原因3. 周囲の温度が高い
Appleの公式サポートページによると、iPhoneの動作環境温度は0℃〜35℃です(2026年5月時点)。夏場の窓際、車のダッシュボード、布団の上に置いたままの充電、どれも要注意です。

充電しながら動画を観るのは、原因1と原因2を同時にやっている状態。ここに5月〜8月の気温上昇が重なると、あっという間にiPhoneの許容温度を超えてしまいます。母のiPhoneも「充電+YouTube+5月のリビング」の三重奏でフリーズしていました。

夏本番の前にやっておきたい予防策

「高温注意」は一度出ると、けっこうドキッとするものです。できれば予防したい。

予防① 充電中はスマホを触らない

いちばんシンプルで、いちばん効果のある予防策です。充電が終わってから動画を観る、動画を観終わってから充電する。うちでも結局これに落ち着きました。母には「充電中はiPhoneを寝かせてあげてね」と伝えて、以降は一度も高温注意が出ていません。

予防② 夏場はケースを見直す

手帳型ケースや厚みのあるシリコンケースは、熱がこもりやすい構造をしています。夏だけメッシュ素材のケースに替える、あるいは充電中だけケースを外す習慣をつけるだけでも違ってきます。

予防③ バックグラウンド更新を整理する

iPhoneの「設定」→「一般」→「アプリのバックグラウンド更新」を開いてみてください。ふだん使っていないアプリまでバックグラウンド更新がオンになっていませんか。裏で動いているアプリの数を減らすだけで、発熱がおさまることがあります。

予防④ 直射日光と車内放置をやめる

JAF(日本自動車連盟)の実験によると、夏場の車内温度はダッシュボード付近で70℃を超えることがあります。ちょっとコンビニに寄るだけのつもりでも、ダッシュボードにiPhoneを置いたままにするのは避けてください。窓際での充電も同様です。

もしこれらの予防策をすべて試しても頻繁に「高温注意」が出る場合は、バッテリーの劣化が原因の可能性もあります。「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」で最大容量を確認してみてください。

FAQ

「高温注意」が出ている間にデータは消えますか?

消えません。「高温注意」はiPhoneの安全機能で、内部のデータには影響しません。温度が下がって再起動すれば、写真もアプリもそのまま残っています。焦らなくて大丈夫です。

充電中に少し温かくなるのも危険ですか?

充電中にほんのり温かくなるのは正常な動作です。Appleも公式に「充電中にデバイスがわずかに温かくなることがあります」と説明しています。手で持っていられないほど熱い場合だけ、充電ケーブルを抜いて対処してください。

「高温注意」が出たまま15分以上消えないときは?

涼しい場所でケースを外して15分以上放置しても改善しない場合は、内部のセンサーやバッテリーに問題がある可能性があります。Appleサポートへの問い合わせか、Apple Store・正規サービスプロバイダへの持ち込みをおすすめします。

Androidスマホでも同じ対処法で大丈夫ですか?

基本的な対処(ケーブルを抜く・ケースを外す・涼しい場所で放置)はAndroidでも同じです。保冷剤や冷蔵庫がNGなのも同様です。Androidの場合は「バッテリー温度警告」や「端末の温度が上昇しています」などの表示が出ることがあります。

参考文献