「今年は年末調整してないんだけど、確定申告ってスマホでできるの?」——そんな不安を抱えている人、けっこう多いです。転職した、退職した、フリーランスになった……理由はいろいろあれど、年末調整を受けていない人は自分で確定申告する必要があります。
でも安心してください。2026年2月現在、スマホとマイナンバーカードがあれば自宅から確定申告を完結できます。しかも今年からiPhoneでもマイナンバーカードの読み取りが不要になるなど、かなり便利になっています。
この記事では、年末調整をしていない人がスマホで確定申告(e-Tax)する手順を、つまずきやすいポイントを先回りで解説しながらまとめました。
そもそも年末調整してないとどうなる?
会社員は通常、勤め先が年末調整をしてくれるので確定申告は不要です。でも以下のケースでは年末調整が行われないため、自分で確定申告をする必要があります。
- 年の途中で退職して、年末時点でどこにも勤めていない
- 転職したが、前職の源泉徴収票を新しい会社に提出できなかった
- フリーランス・副業で給与以外の所得が20万円を超えた
- 2か所以上から給与を受け取っている
年末調整されていない=所得税の精算がまだ終わっていないということ。放置すると、払いすぎた税金が戻ってこなかったり、逆に追加で納税が必要になる場合もあります。
ちなみに2026年(令和7年分)の確定申告期間は2026年2月16日(月)〜3月16日(月)です(国税庁 確定申告特集)。
スマホで確定申告するために必要なもの
「税務署に行かなきゃダメなんでしょ?」と思っている人、もったいないです。スマホがあれば自宅で全部できます。必要なものはこの4つだけ。
- マイナンバーカード(通知カードではダメ!)
- マイナンバーカード読取対応のスマホ(iPhone 7以降 / 2016年以降のAndroid)
- マイナポータルアプリ(App Store / Google Play)
- 2種類のパスワード(利用者証明用の数字4桁+署名用の英数字6〜16文字)
パスワードはマイナンバーカードを受け取ったときに自分で設定したもの。忘れた場合は市区町村の窓口で再設定できます(ここでつまずく人、めちゃくちゃ多いです)。
スマホe-Taxの手順をざっくり5ステップで解説
国税庁の確定申告書等作成コーナーにスマホでアクセスして進めます。大まかな流れはこうです。
ステップ1:マイナポータルアプリで本人確認
確定申告書等作成コーナーにアクセスし、「作成開始」をタップ。マイナンバーカード方式を選びます。マイナポータルアプリが起動するので、マイナンバーカードをスマホの背面にかざして読み取り。利用者証明用パスワード(4桁)を入力します。
2026年からの新機能として、iPhoneでも「スマホ用電子証明書」が利用可能になりました(Business Insider Japan)。事前にマイナポータルアプリで設定しておけば、マイナンバーカードの実物を読み取る必要がなくなり、Face IDやTouch IDで認証できます。
ステップ2:マイナポータル連携でデータを自動取得
マイナポータル連携を使うと、源泉徴収票、医療費、ふるさと納税の控除証明書などのデータを一括取得して自動入力してくれます。手入力の手間が大幅に減るので、ぜひ連携しましょう。
2026年からは連携対象がさらに拡充され、生命保険の一時金・年金やふるさと納税以外の寄附金(国連UNHCR協会、国境なき医師団、日本ユニセフ協会)も自動取得できるようになっています。
ステップ3:収入・所得を入力
年末調整していない人は、源泉徴収票を見ながら「給与所得」の欄に金額を入力します。転職して複数の源泉徴収票がある場合は、それぞれ入力すればOK。画面の指示に従って進めれば大丈夫です。
ステップ4:控除を入力
ここが「税金が戻ってくるかどうか」の分かれ道。以下の控除を忘れずに入力しましょう。
- 基礎控除:2026年(令和7年分)から48万円→58万円に引き上げ(自動計算されます)
- 社会保険料控除:健康保険、年金の支払額
- 生命保険料控除:マイナポータル連携で自動入力できる場合も
- 医療費控除:年間10万円超の医療費がある場合
- ふるさと納税:ワンストップ特例を使っていない場合は申告が必要
なお、給与所得控除の最低保証額も55万円→65万円に引き上げられています(国税庁)。つまり、年収103万円以下→123万円以下まで所得税が非課税になる計算です。
ステップ5:送信して完了!
内容を確認したら、署名用パスワード(英数字6〜16文字)を入力してe-Tax送信。送信完了画面が出ればOK。受付番号が表示されるのでスクショしておきましょう。
スマホe-Taxの「5つの落とし穴」と対処法
手順はシンプルですが、実際にやってみると「えっ?」となるポイントがいくつかあります。Xで見つけたリアルな声とあわせて紹介します。
落とし穴1:マイナンバーカードのパスワードを忘れた
これがダントツで多いトラブルです。署名用パスワード(英数字)は5回、利用者証明用パスワード(4桁)は3回間違えるとロックされます。ロック解除は市区町村の窓口でのみ可能。スマホのメモ帳などに保存しておくのがおすすめです(ただしセキュリティには注意)。
落とし穴2:マイナンバーカードの読み取りがうまくいかない
スマホのNFC読み取り位置にカードをぴったり当てるのがコツ。iPhoneは端末上部、Androidは機種によって異なります。スマホケースが厚いと反応しないこともあるので、ケースを外して試してみましょう。なお、2026年からiPhoneでも「スマホ用電子証明書」を設定すれば読み取り自体が不要になります。
落とし穴3:源泉徴収票が手元にない
年末調整していない場合、退職した会社から源泉徴収票が届いているはず。届いていなければ前の会社に連絡して発行を依頼しましょう。会社は発行する義務があります。マイナポータル連携で自動取得できる場合もありますが、対応していない企業もまだ多いのが現状です。
落とし穴4:税務署の来場予約が取れない
Xでも「来場予約のLINEへ登録すると、なんと来週後半でないと予約できない」という声がありました。確定申告期間中の税務署は激混みです。だからこそスマホe-Taxで自宅から申告するのが正解。24時間いつでも送信できます(メンテナンス時間を除く)。
落とし穴5:納税のやり方がわからない
申告して「追加納税あり」と出た場合、納税方法は複数あります。
- 振替納税:口座振替で自動引き落とし(事前登録が必要)
- ダイレクト納付:e-Taxから即座に口座引き落とし
- クレジットカード:国税クレジットカードお支払サイト(決済手数料あり)
- スマホアプリ納付:PayPay、d払い、au PAYなど(30万円まで)
- コンビニ:QRコードを印刷して窓口で支払い
逆に還付(お金が戻ってくる)の場合は、申告時に振込口座を入力するだけ。約1〜2か月で振り込まれます。
2026年の確定申告、ここが変わった
最後に、2026年(令和7年分)の確定申告で押さえておきたい変更点をまとめます。
- 基礎控除が10万円アップ:48万円→58万円。給与所得控除も最低保証額が55万円→65万円に
- iPhoneでスマホ用電子証明書が利用可能に:Face IDで認証、カード読み取り不要
- マイナポータル連携の対象拡充:生命保険の一時金・年金、一部寄附金が追加
- 添付書類のスキャンがグレースケールに対応:カラーじゃなくてもOKに
- 来年(令和8年分)から日曜相談が廃止予定:今のうちにe-Taxに慣れておくのが吉
FAQ
年末調整してないけど、確定申告しないとどうなる?
払いすぎた所得税が還付されない可能性があります。また、住民税の計算にも影響するため、申告しないと翌年の住民税が正しく計算されません。無申告のままだと延滞税や無申告加算税がかかるケースもあります。
マイナンバーカードがなくてもスマホで確定申告できる?
2026年2月現在、e-Taxを利用するにはマイナンバーカード方式が推奨されています。ID・パスワード方式もありますが、事前に税務署での対面本人確認が必要です。まだマイナンバーカードを持っていない場合は、オンライン申請で取得できます(届くまで約1か月)。
スマホで確定申告できる所得の種類は?
給与所得、雑所得、一時所得、配当所得、事業所得、不動産所得など幅広く対応しています。ただし、一部の複雑な申告(相続や贈与に関するものなど)はPC版を利用するか、税務署での申告が必要です。
住宅ローン控除もスマホでできる?
1年目の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)はスマホの確定申告書等作成コーナーで申告可能です。2年目以降は年末調整で処理できるため、確定申告は不要になります。
参考文献
- 令和7年分 確定申告特集 — 国税庁
- スマホとマイナンバーカードでe-Tax! — 国税庁
- 令和7年分の確定申告はスマホとマイナポータル連携でもっと便利に! — 国税庁
- 確定申告をはじめる前に、5つの「変更点」を確認しておこう — Business Insider Japan, 2026年
- 確定申告はe-Taxをご利用ください! — 政府広報オンライン



