結論から言う。「YouTubeを開いただけでブラウザのタブがメモリを7GB以上食って応答不能になる」という現象が2026年4〜5月にSNSで急増しているが、原因はYouTube側のUIコードの不具合だ。ユーザー側の設定ミスでもPCのスペック不足でもない。
筆者もClaudeで業務メモを要約させながらYouTubeでBGMを流していたら、突然ファンが全力で回り始めて画面がフリーズした。最初は自分のプロンプトが重すぎたのかと疑ったが、Chrome内蔵のタスクマネージャー(Shift+Esc)を開いたら、YouTubeのタブだけでメモリを6.8GB消費していた。SIer時代、サーバー障害だと思ったら実はファイアウォール設定の変更だったという切り分け失敗を経験している。あのときの教訓がなければ、自分のPC側を疑い続けて時間を溶かしていたはずだ。
以下、2026年5月時点で発生しているYouTubeのメモリ大量消費バグの正体と、ブラウザ別の再現条件・対処法を整理する。
何が起きている?YouTubeの「無限レイアウトループ」バグの正体
2026年4月末から5月にかけて、YouTubeの動画プレーヤー下部にある操作ボタン(高評価・共有・保存など)の表示処理にバグが発生している。Tom's Hardwareの報道によれば、このバグはブラウザを「無限レイアウトループ」に陥らせるものだ。
仕様上のメカニズムは以下の手順で説明できる。
- 画面幅が足りないので、YouTubeのUIが操作ボタンの1つを非表示にする
- ボタンが消えた分だけコンテナの幅に余裕ができる
- 「幅が足りる」と判断して、非表示にしたボタンを再表示する
- ボタンが戻ったことで再び幅が足りなくなる → 1に戻る
この「表示→非表示→表示→非表示…」のサイクルが毎秒数百〜数千回という速度で繰り返される。内部的にはrequestAnimationFrameが毎回2つずつ呼ばれることで、描画コールバックが指数関数的に増殖する深刻な不具合だ。
結果として、CPUがフル稼働しメモリが7GBを超えて消費され、タブが応答不能になる。最悪の場合はブラウザ全体がフリーズし、PCそのものが操作不能になる。これは仕様上の挙動ではなく純粋なバグである。
影響範囲—Chrome・Firefox・Brave・Edgeすべてが対象
このバグはYouTube側のフロントエンドコード(Webサイトの表示を制御するプログラム)に原因があるため、特定のブラウザだけの問題ではない。2026年5月時点で影響が報告されているブラウザは以下のとおりだ。
- Google Chrome: Chromium Issue Trackerに報告あり(Issue #41372916)
- Mozilla Firefox: Bugzilla に Bug #2035904 として追跡中
- Brave: コミュニティフォーラムに多数の報告
- Microsoft Edge: Chromiumベースのため同様に影響
つまり、ブラウザを変えても根本的には逃げられない構造である。YouTube(Google)からは2026年5月5日時点で公式な修正アナウンスは出ていない。Mozillaは調査を続けているが、根本原因がYouTube側にあるため、ブラウザ側だけでは完全な修正が難しいと判断する。
今すぐ試せる対処法5つ
YouTube側の修正を待つ間に、自分で打てる手を5つ示す。動かないと意味がないので、筆者が実際に検証して効果を確認したものだけを掲載する。
対処法1: 広告ブロッカー(拡張機能)をYouTubeだけ無効にする
最も多くのユーザーで効果が報告されている方法だ。広告ブロッカー(uBlock Origin、AdBlock Plusなど)がYouTubeのレイアウト計算に干渉し、無限ループを誘発するケースがある。
手順:
- YouTubeを開いた状態で、アドレスバー横の拡張機能アイコンをクリック
- 広告ブロッカーの設定で「このサイトでは無効にする」を選択
- ページを再読み込み(Ctrl+Shift+R / Cmd+Shift+R)
これだけで30秒以内に問題が解消するケースが最も多いとGadget Hacksが報告している。広告が気になる場合は、Braveブラウザの「Shields」機能だけをYouTubeで無効にし、別の広告ブロッカーで対応する方法もある。
対処法2: ブラウザを最新版にアップデートする
各ブラウザは暫定的な緩和策をリリース済みだ。とくにSafariは2026年4月のパッチでVP9コーデック関連の問題を修正している。
各ブラウザの確認方法:
- Chrome: 右上の「⋮」→「ヘルプ」→「Google Chromeについて」
- Firefox: 右上の「≡」→「ヘルプ」→「Firefoxについて」
- Edge: 右上の「…」→「ヘルプとフィードバック」→「Microsoft Edgeについて」
アップデート完了後は必ずブラウザを再起動すること。再起動なしではキャッシュ済みプロセスが残るため修正が反映されない。
対処法3: ブラウザの「メモリセーバー」機能を有効にする
ChromeとEdgeには、使っていないタブのメモリを自動的に解放する機能が標準搭載されている。YouTube以外のタブが巻き添えでクラッシュするのを防ぐ用途で有効と判断する。
Chromeの場合:
- アドレスバーに
chrome://settings/performanceと入力 - 「メモリセーバー」をオンにする
- 「常にアクティブにするサイト」にYouTubeは追加しない(追加すると逆効果)
対処法4: YouTubeを別ウィンドウ(またはPWA)で開く
YouTubeのタブが暴走しても、他の作業タブを道連れにしないための隔離策である。
- Chromeの場合: YouTubeを開いた状態で右上「⋮」→「保存して共有」→「ショートカットを作成」→「ウィンドウとして開く」にチェック
- 作成されたショートカットからYouTubeを開くと、独立したウィンドウで動作する
こうしておけば、万が一YouTubeがメモリを食い尽くしても、メインのブラウザウィンドウは影響を受けない。
対処法5: 動画の画質を720p以下に手動で固定する
高画質(4K/1080p)の動画は描画処理が重く、無限ループ時のメモリ消費をさらに加速させる。
- 動画プレーヤー右下の歯車アイコン→「画質」をクリック
- 「720p」以下を選択
根本解決ではないが、メモリの消費速度が遅くなるため、バグが発動しても気づいてタブを閉じる余裕が生まれるはずだ。
それでも直らない場合の最終手段
上記で改善しない場合は、以下を順に試すこと。
- ブラウザのキャッシュを完全クリア: YouTubeの古いスクリプトがキャッシュに残っている可能性がある。Ctrl+Shift+Delete(Mac: Cmd+Shift+Delete)で「キャッシュされた画像とファイル」を削除
- すべての拡張機能を一時的に無効化: 広告ブロッカー以外の拡張機能(ダークモード系、翻訳系など)が競合している可能性もある
- タスクマネージャーで犯人を特定: Chromeなら Shift+Esc で開くブラウザ内蔵タスクマネージャーで、どのタブ/拡張機能がメモリを消費しているか確認できる
- YouTube公式アプリを使う: Windows版Microsoft Storeの「YouTube」アプリ(PWA)やスマホアプリではこのバグは発生しない
YouTube側の修正はいつか—現時点でわかっていること
2026年5月5日時点で、YouTube(Google)から公式な修正予定のアナウンスはない。ただし以下の動きがある。
- Mozilla の Bugzilla でバグレポート(#2035904)がオープン状態で追跡中
- Chromium Issue Tracker でも同種の報告(#41372916)が確認済み
- PiunikaWeb の報道(2026年5月1日)によれば、YouTube のUIコードのレイアウト計算ロジックが問題
過去の類似事例(2024年4月のYouTubeメモリリークバグ)では、発覚から約2〜3週間でサーバー側の修正が配信された。今回も同程度のタイムラインで修正される可能性はあるが、現時点では推測の域を出ない。原因が特定できれば対処は難しくない。上記5つの方法を順に試せば、ほとんどの環境で実害を抑えられるはずだ。
FAQ
このバグはスマホでも発生するのか?
発生しない。2026年5月時点では、PC版ブラウザ(デスクトップ版YouTube)のみで報告されている。iPhoneやAndroidのYouTubeアプリ、スマホのブラウザでは確認されていない。原因がデスクトップ版の操作ボタンのレイアウト処理にあるためだ。
広告ブロッカーを無効にするとセキュリティが心配だが大丈夫か?
YouTubeはGoogle運営のサービスであり、悪質な広告が表示されるリスクは比較的低い。気になる場合は、対処法4の「別ウィンドウで開く」と組み合わせ、YouTubeだけ広告ブロッカーなしの環境で使い、他のサイトでは引き続き有効にしておく方法を推奨する。
メモリが8GBのPCでは特に危険か?
危険度は高い。YouTubeのタブだけで7GBを消費する報告があるため、メモリ8GBのPCではOS自体の動作に必要なメモリが確保できなくなり、PC全体がフリーズする可能性が高い。対処法3(メモリセーバー)と対処法5(画質を下げる)を併用すること。
いつからこのバグが発生しているのか?
SNS上の報告やブラウザのバグトラッカーへの投稿を見ると、2026年4月下旬から報告が増加している。PiunikaWebが2026年5月1日付で報道し、Tom's Hardwareも同時期に詳報を出した。YouTube側のUIコードの更新が原因と読み解いた。
YouTube Premiumに加入していればこのバグは回避できるか?
回避できない。YouTube Premiumの加入状況とは無関係だ。このバグはYouTubeのUI描画ロジック自体の問題であり、広告の有無とは直接関係しない。ただし、広告ブロッカーとの競合が一因となるケースでは、Premium加入者(広告が非表示になるためブロッカーが不要)は結果的にバグを回避しやすい状況にある。
参考文献
- A suspected YouTube interface bug spikes RAM usage above 7 gigabytes — Tom's Hardware, 2026年5月
- A YouTube UI bug is apparently trapping browsers in an infinite loop, causing severe lag — PiunikaWeb, 2026年5月1日
- Bug 2035904 - YouTube gets in a loop where paints take longer and longer — Mozilla Bugzilla
- YouTube Web Player Lag Bug: 3 Causes and Their Fixes — Gadget Hacks
- High Memory Usage in YouTube [41372916] — Chromium Issue Tracker




