除湿剤を入れていたのに、クローゼットがカビ臭くなった話

梅雨入り前に衣替えをしようとクローゼットを開けたら、もわっとした湿気とカビのにおいが鼻を突きました。除湿剤はちゃんと2個入れていたのに、どちらも水でパンパン。交換が追いつかないまま放置してしまっていたようです。

冬物のニットを引っ張り出すと、肩のあたりにうっすら黒いシミ。カビでした。

フリーランス仲間とのZoomで同じ話をしたら、「うちも除湿剤だけじゃ全然ダメだった」と全員がうなずいていて、悩んでいるのは自分だけじゃないんだと少しホッとしたのを覚えています。その後いろいろ試した結果、換気・すのこ・収納の余白・除湿剤の配置を組み合わせたら、翌年の梅雨をカビなしで乗り切ることができました。同じ悩みを持つ方に、実際に効果があった方法をお伝えします。

クローゼットに湿気がこもる原因

カビが活発になるのは、湿度60%を超えたあたりからです。

温度20〜30℃、湿度70%以上、そしてホコリや皮脂汚れといった「エサ」の3条件が揃うと、数日で目に見えるレベルにまで繁殖します。三菱電機の「くらトク」によれば、温度25℃・湿度90%の環境ではカビがおよそ2日で目視できるほど成長するとのことです。

クローゼットは扉を閉めきっている時間が長く、空気がほとんど動きません。加えて、一度着た服をそのまましまうと汗や皮脂がカビの栄養源になります。日本の梅雨どきは室内の湿度が70〜80%になることも珍しくないため、クローゼットの中はカビにとって理想的な環境が整いやすい時期です。

除湿剤「だけ」では足りない理由

エステーの公式サイトでも、タンクタイプの除湿剤はクローゼットの床の四隅に置くことが推奨されています。湿気は空気より重いため、下にたまりやすい性質があるからです。

ただし、服をぎゅうぎゅうに詰め込んだクローゼットでは、除湿剤の吸湿スピードが湿気の発生量に追いつきません。筆者の場合、梅雨どきには除湿剤が2週間ほどで満水になっていました。交換をうっかり忘れると、その間ずっと湿気はたまる一方。除湿剤は「ないよりずっといい」けれど、それだけに頼るのは心もとないというのが正直な実感です。

換気・すのこ・余白・除湿剤の合わせ技で湿気を逃がす

除湿剤単体ではなく、4つの対策を組み合わせたのがいちばん効果的でした。うちでも結局この合わせ技に落ち着いています。

週に2〜3回、扉を開けて換気する

いちばん手軽で、効果も大きい方法です。外出するときにクローゼットの扉を開けておくだけでも、中の湿った空気が部屋側に逃げていきます。

さらに効果を上げたい場合は、サーキュレーター(小型の送風機)をクローゼットの前に置いて、斜め上に向けて風を送ってみてください。空気がしっかり入れ替わります。先日、実家の母のクローゼットを一緒に整理したときにも、まず扉を全開にしてサーキュレーターを30分ほど回しました。それだけで中のこもった空気がすっきり変わったのを実感しています。

床にすのこを敷いて空気の通り道をつくる

クローゼットの床に直接バッグや収納ケースを置くと、床との間に空気の通り道がなくなります。100円ショップやホームセンターで手に入るすのこを敷くだけで、下に5〜10cmの隙間ができて空気が通るようになります。

木製とプラスチック製があるのですが、プラスチック製のほうがカビにくいのでクローゼット用にはおすすめです。

収納は「8割」にとどめて余白をつくる

ハンガーにかけた服と服のあいだに、こぶし1個分(だいたい10cm)の余白をつくると空気の通り道ができて湿気がこもりにくくなります。服が密着した状態だと、どれだけ換気をしても服と服のあいだに風が通りません。

「減らすこと」も立派な湿気対策です。シーズンオフの服は衣装ケースに移すか、着ていないなら思い切って手放すことを検討してみてください。

除湿剤は「下の四隅」に配置し、月2回チェック

エステーの公式サイトによると、湿気は下にたまりやすいため、タンクタイプの除湿剤はクローゼットの床の四隅に配置するのが効果的です。ハンガーパイプに吊り下げるシートタイプを併用すると、上下両方をカバーできます。

交換の目安は、水がタンクの7〜8割までたまったとき。梅雨どきは2〜3週間で満水になることもあるので、月に2回は確認する習慣をつけておくと安心です。

すでにカビ臭い場合の応急処置

もしすでにクローゼットからカビのにおいがする場合でも、焦らなくて大丈夫です。まず中の衣類をすべて出して、風通しのよい場所に干してください。カビが広がるのを防ぐためです。

クローゼットの壁や棚は、消毒用エタノール(濃度70〜80%のアルコールスプレー)で拭き取ります。エタノールは揮発性が高いので、梅雨どきでも乾きやすく扱いやすいのが特長です。エステーの「くらしにプラス」でも、エタノールでの拭き取りが紹介されています。

黒カビが壁材の奥まで入り込んでいる場合は、塩素系カビ取り剤を使う方法もありますが、壁紙や木材を傷める可能性があるため、目立たない場所で試してから使ってみてください。応急処置のあとに先ほどの「換気・すのこ・8割収納・除湿剤」をセットで導入すれば、再発リスクをかなり下げることができます。

FAQ

クローゼットの扉は開けっ放しにしたほうがいい?

24時間開けっ放しにする必要はありません。週に2〜3回、30分〜1時間ほど開けておくだけでも効果があります。外出時にあわせて開けておくのが手軽です。ただしホコリが入りやすくなるので、掃除の頻度を少し上げるとよいでしょう。

除湿剤と除湿機、どちらが効果的?

ウォークインクローゼットなど広い空間であれば、小型除湿機のほうが効率がよいことがあります。一般的なクローゼット(幅80〜120cm程度)なら、除湿剤+換気の合わせ技で十分対応できます。電気代と手間を考えると、まずは除湿剤+サーキュレーターから試すのがおすすめです。

100円ショップの除湿剤でも効果はある?

塩化カルシウムを使った除湿剤であれば、メーカー品と成分は基本的に同じです。パッケージに書かれた吸湿量(何mL分の水分を吸えるか)を確認して、クローゼットのサイズに合ったものを選べば問題ありません。

衣類にカビがついたらクリーニングに出すべき?

白カビ(表面にふわっとつく白い粉状のもの)は、消毒用エタノールで拭いてから天日干しすると落とせることがあります。黒カビ(繊維の奥に入り込む黒い点状のもの)は家庭での除去がむずかしいため、クリーニング店に相談するのが確実です。

参考文献