先週、夫と私のZoom会議がぴったり30分かぶった。リビングのテーブルで向かい合って座っていたら、夫の上司の声が私のマイクに届いてしまって、相手から「他にどなたかいますか?」と聞かれた。あの気まずさは経験しないとわからない。
国土交通省の令和6年度テレワーク人口実態調査(2025年3月公表)では、雇用型テレワーカーの割合が24.6%、在宅型が約97%を占めています。ハイブリッド勤務が当たり前になった今、共働き夫婦で在宅日が週に何回か重なる家庭は少なくないはずです。
我が家は夫婦ともに週2〜3日が在宅で、同じ日にかぶることが多い。最初の半年はとにかくバタバタだったけど、「声」「昼食」「部屋割り」の仕組みを固めてからは、ストレスがかなり減りました。
会議スケジュールを朝1分ホワイトボードに書き出す
一番効果があったのは、アナログな方法でした。
朝イチに、リビングのホワイトボードへお互いのWeb会議予定を書き出す。「10:00〜11:00 夫Zoom」「14:00〜14:30 私Teams」のように、時間とツール名だけでいい。被る時間帯が一目でわかるようになります。
以前は口頭で「今日会議ある?」と聞きあっていたけど、保育園の送りと朝食準備に追われて確認を忘れることが多かった。ホワイトボードなら長男を送った後にふと目に入る。書き出しは1分もかかりません。会議がない日は何も書かなければいいだけなので、負担はほとんどない。
被りが見えたら「今日の14時はかぶるから、そっちが奥の部屋ね」と朝の段階で決められます。口頭確認だけだと忙しいと忘れるけど、書いてあるものを見て判断するほうが夫婦どちらもストレスが小さいと実感しています。
ワイヤレスヘッドセットを夫婦で1台ずつ持つ
部屋を分けたくても、札幌の賃貸ではリビングと寝室の間がふすま1枚。声を完全に遮断するのは無理でした。
夫にBluetoothワイヤレスヘッドセットを1台渡したら、状況がかなり変わった。PC内蔵マイクだと部屋中の音を拾ってしまうけど、ヘッドセットのマイクなら口元の声だけ拾ってくれます。最初は有線イヤホンを試したものの、ケーブルが邪魔で夫が結局つけなくなってしまった。ワイヤレスにしてからは会議のたびに自然と手が伸びるようになりました。3,000〜5,000円程度の投資で十分です。
ソフト側の設定も組み合わせるとさらに効きます。Zoomなら「パーソナライズされたオーディオ分離」で自分の声を事前に登録しておくと、AIが登録した声だけ優先的にマイクに拾わせてくれます。次男が隣で泣いていても会議相手にほぼ聞こえなくなったときは正直驚きました。
設定場所はZoomアプリの「設定」→「オーディオ」→「パーソナライズされたオーディオ分離」→「声紋レコーディングを作成」。静かな部屋で表示されたテキストを読み上げるだけで5分もかかりません。Teamsの場合は「設定」→「デバイス」→「ノイズ抑制」を「高」にするだけ。Microsoftの公式ガイドでも在宅勤務の音問題への対策として推奨されている設定です。
「お昼どうする?」を曜日で固定して交渉をやめた
声の問題の次に、地味だけど効果が大きかったのが昼食ルールでした。
夫婦ともに在宅の日、12時になると毎回「お昼どうする?」が始まる。何を作るか、一緒に食べるか、買いに行くか。この小さな交渉が週に何度も発生すると、昼休みなのに休めていない感覚になりがちです。
我が家では結局これに落ち着いた。「月水金は各自」「火木は一緒に食べる」とホワイトボードに書き出して、毎日の交渉をゼロにする方式。各自の日は冷凍食品でもカップ麺でもOKと割り切ったら、罪悪感もなくなりました。
夫に渡したら案外うまくいったルールです。最初は「そこまで決めなくてもいいんじゃない?」と言われたのに、1週間後には夫のほうから「今日は各自の日だよね」と確認するようになった。やめてみて初めて、毎日の小さな交渉がストレスの正体だったと気づきました。
部屋割りは「会議がある方が奥」のワンルールで回す
賃貸で夫婦それぞれに仕事部屋を確保するのは現実的じゃありません。ふだんは2人ともリビングで作業して、会議のときだけ移動する方式が合っていました。
ルールはシンプルに。「Web会議がある方が寝室に移動する。両方かぶったら、先に予定が入っていた方が寝室」。朝のホワイトボードに書いてあるから、判断に迷うことがない。
寝室用には折りたたみテーブルとノートPCスタンドだけ置いてあります。常設のデスク環境は用意していません。会議の30分〜1時間だけ使えれば十分なので、完璧を目指さず最低限の環境にしたほうが、かえって気軽に移動できます。全部やる必要はありません。
FAQ
夫婦の在宅が重なる日、子どもの世話はどう分担していますか?
うちは長男(年中)と次男(1歳)が保育園に行っている間に集中して仕事を進めています。お迎え後は「先に会議が終わった方が子どもを見る」というルールで、これもホワイトボードに書いておくとスムーズに回ります。
ホワイトボードの代わりにGoogleカレンダーの共有でもいいですか?
もちろん使えます。ただし、うちではスマホを開いて確認する手間が面倒で続きませんでした。リビングの壁に常に見えるホワイトボード(100均の冷蔵庫マグネット式で十分)に落ち着いた経緯があります。デジタルでもアナログでも「目に入る場所に置く」ことが大事です。
Zoomのオーディオ分離は無料プランでも使えますか?
2026年5月時点ではZoomデスクトップクライアント(Windows / Mac)で利用可能です。ただしZoom側の仕様変更で対象プランが変わる可能性があるため、Zoom公式サポートページで最新情報を確認してください。
1LDKで部屋が分けられない場合はどうすればいいですか?
ヘッドセット+ノイズ抑制設定の組み合わせを最優先で試してみてください。物理的に離れられない場合でも、会議時間をずらす調整(朝のホワイトボード確認)と、背中合わせに座ってマイクの向きを分けるだけでかなり軽減できます。
参考文献
- テレワーカーの割合は下げ止まり傾向〜令和6年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します〜 — 国土交通省, 2025年3月
- パーソナライズされたオーディオ分離(声紋登録)によるノイズ除去 — Zoom-Support
- 防音が必要?リモートワーク移行で見えてくる音の問題 — Microsoft for business
- Zoom Meetings のプロフェッショナルなオーディオ設定 — Zoom公式サポート






