結論から言う。2026年6月1日から、GitHub Copilotの個人向けプランは全面的に「従量課金制(usage-based billing)」へ移行する。コード補完は引き続き無制限だが、AIチャットやエージェント機能の利用にはクレジットが消費されるようになる。プラン構成もFree・Pro・Pro+・Maxの4段階に整理された。

「GitHub Copilotって何?」という方に補足しておくと、Copilotはプログラミング中にAIがコードを自動で提案してくれるツールだ。最近は「バイブコーディング」(AIに指示を出してコードを書かせるスタイル)の流行でプログラマー以外にも利用者が広がっている。その料金体系が大きく変わる。

何が変わるのか——「定額使い放題」から「クレジット消費制」へ

これまでのCopilot Proは月額10ドルで「プレミアムリクエスト300回/月」という回数ベースの制限だった。6月1日以降は「AIクレジット」という通貨に統一される。チャット1回、エージェント1回の実行がそれぞれクレジットを消費し、使うモデルの性能が高いほど消費量が多い仕組みだ。

ただし、重要な例外がある。コード補完(インライン提案)と次の編集候補(Next Edit Suggestions)は、有料プランなら無制限のまま、クレジットを一切消費しない。普段エディタでコードを書きながら「Tab」で補完を受け入れるだけの使い方なら、実質的な影響はほぼゼロである。

クレジットを消費するのは、チャットでの質問、エージェントモードでの複数ステップ作業、高性能モデル(Claude Opus系やGemini 2.5 Proなど)の指定利用——こうした「頭を使わせる」操作に限られる。

4プランの料金・クレジット比較表【2026年6月〜】

GitHubの2026年5月15日付公式ブログ公式ドキュメントをもとに、4プランの違いを整理した。

項目FreeProPro+Max(新設)
月額無料$10(約1,500円)$39(約5,900円)$100(約15,000円)
コード補完月2,000回まで無制限無制限無制限
ベースクレジット$10相当$39相当$100相当
フレックス枠(追加)$5相当$31相当$100相当
月間合計利用枠チャット50回$15相当$70相当$200相当
利用できるモデルClaude Haiku 4.5のみClaude Sonnet 4.5/4.6, Gemini 2.5 Pro等全モデル(Opus含む)全モデル(Opus含む)
エージェントモード制限付き

注目すべきは「フレックス枠」の存在だ。ベースクレジットは月額と同額だが、その上にフレックス枠が無料で追加される。Proなら月額$10で$15分使え、Pro+なら$39で$70分使える計算になる。Maxに至っては$100払って$200分の利用枠が手に入る。

SIer時代に何度も見た「料金据え置きで提供範囲が狭まる」パターンとは逆で、今回は据え置き価格のまま利用枠が増えている。ただし、フレックス枠は固定ではなく「AIの経済性に応じて変動する」と公式ブログに明記されている点は押さえておくべきだ。将来の縮小余地が残されている。

どのプランを選べばいいのか——利用スタイル別の判断基準

結論から言う。判断軸は「AIチャットとエージェントをどれだけ使うか」の1点に尽きる。コード補完だけならFreeかProで十分だ。

Freeで足りる人: コードを書くときにTabキーで補完を受けるだけ。チャットは月に数回程度。バイブコーディングはしない、またはたまに触る程度。

Proが合う人: チャットで日常的に質問する。エージェントモードでちょっとした自動化をやる。ただし1日中Copilotに作業を投げ続けるわけではない。月$15相当のクレジットで収まるかがポイントになる。

Pro+が必要な人: Claude OpusやGemini 2.5 Proなど高性能モデルを頻繁に指定する。エージェントに長時間のタスクを任せる。$70相当のクレジットが毎月必要なレベルだ。筆者の感覚では、AIコーディングツールを業務の中核に据えている個人開発者やフリーランスがこの層にあたる。

Maxが要る人: 正直、かなり限られると判断する。$100/月は年間で約18万円だ。エージェントを並列で走らせる、大規模リポジトリを横断的に解析させる——そういった使い方をしない限り、Pro+で事足りるはずだ。

6月1日までにやっておくこと

移行は自動で行われるため、既存のPro/Pro+ユーザーが特別な手続きをする必要はない。ただし、2点だけ確認しておきたい。

1. 自分の現在の利用量を把握する。 GitHubの設定画面(Settings → Copilot → Usage)で、直近1ヶ月のプレミアムリクエスト消費数を確認できる。Proプランで300回中200回以上使っているなら、従量課金後もクレジットが足りるか注意が必要だ。

2. 超過時の課金設定を確認する。 クレジットを使い切った後、追加購入するか利用停止するかの設定が用意される。「気づいたら追加課金されていた」を避けるには、利用停止(ハードリミット)を選んでおくのが安全だ。実際にClaudeで業務メモを要約させていた時期に、API課金のリミットを設定し忘れて月3〜4万円飛ばした経験が筆者にはある。上限設定は最初にやるべき作業である。

なお、2026年4月20日以降、個人向けプランの新規申し込みが一時停止されている(GitHub Docs)。6月1日の新料金体系スタートに合わせて再開される見込みだが、公式からの正式な再開日アナウンスは2026年5月19日時点で出ていない。

他のAIコーディングツールとの料金比較

GitHub Copilotだけが選択肢ではない。主要ツールの個人向け料金を並べてみる。

ツール月額(個人)特徴
GitHub Copilot Pro$10コード補完無制限+クレジット$15相当
Claude Code(Claude Pro経由)$20ターミナルベース、対話型ペアプロ
Cursor Pro$20VSCode fork、エディタ統合型
Gemini Code Assist無料(個人)Googleアカウントで利用可能

Copilot Proの$10は依然として最安水準にある。ただし「$10で何ができるか」の中身が6月から変わる、という話だ。コード補完メインならCopilot、対話型の深い作業ならClaude Code、無料で始めたいならGemini Code Assist——この使い分けは従量課金への移行後も変わらないと判断する。

FAQ

6月1日以降、コード補完(Tabで受け入れる提案)にお金がかかるようになる?

かからない。有料プラン(Pro/Pro+/Max)であれば、コード補完と次の編集候補(Next Edit Suggestions)は引き続き無制限で、クレジットも消費しない。Freeプランのみ月2,000回の上限がある。

フレックス枠は毎月同じ量がもらえる?

GitHubの公式ブログによれば、フレックス枠は「AIの経済性の変化に応じて変動する」と明記されている。モデルの価格低下や効率改善が進めば増える可能性もあるが、固定額ではない点は認識しておくべきだ。

今Copilot Proを使っていて、6月に何か手続きが必要?

不要。月額課金のPro/Pro+ユーザーは自動的に新しいクレジット体系に移行し、フレックス枠も自動で付与される。ただし、クレジット超過時の設定(追加購入するか停止するか)は事前に確認しておくことを推奨する。

Maxプランは誰向け?一般ユーザーに必要?

Maxは月$100(約15,000円)で$200相当のクレジットが使える最上位プランだ。エージェントを長時間・並列で走らせるヘビーユーザー向けであり、一般的な個人開発者やバイブコーディング入門者には過剰と判断する。まずはProで始めて利用量を見てから検討すれば十分だ。

参考文献