先日、実家に帰ったら母のiPhoneがテーブルの上でホカホカに熱くなっていて、画面が真っ暗なまま動かない状態になっていました。聞くと、充電ケーブルをつないだままYouTubeを2時間ほど観ていたそうです。

焦らなくて大丈夫です。iPhoneの「高温注意」は、本体が熱くなりすぎたときにiPhone自身がブレーキをかけてくれる安全機能で、故障ではありません。ただし、冷やし方を間違えると本当に壊れることがあるので、正しい対処を知っておくのが大切です。

「高温注意」が出たらすぐやること

画面に黄色い温度計マークと「高温注意 本体の温度が下がるまでお待ちください」と表示されたら、まず落ち着いて次の手順を試してみてください。

  1. 充電ケーブルを抜く
  2. スマホケースを外す(ケースが熱をこもらせている可能性があります)
  3. 日の当たらない涼しい場所に移動させる
  4. そのまま10〜15分ほど放置する

これだけで、ほとんどの場合は警告が消えて通常どおり使えるようになります。

15分以上待っても画面が戻らないときは、強制再起動を試してみてください。iPhone 8以降のモデルなら「音量を上げるボタンを押してすぐ離す → 音量を下げるボタンを押してすぐ離す → サイドボタンをAppleロゴが出るまで長押し」で再起動できます。母のiPhoneもこの方法で復活しました。

なぜ「充電+動画」でiPhoneが熱くなるのか

充電中は、バッテリーに電気を送り込むこと自体で熱が発生しています。ここに動画再生が加わると、画面表示・通信・映像処理でプロセッサ(iPhoneの頭脳にあたるチップ)もフル稼働するため、バッテリーとプロセッサの両方から同時に熱が出る状態になります。つまり「充電の熱」と「使用の熱」のダブルパンチです。

Appleの公式サポートページによると、iPhoneが正常に動作する温度の範囲は0〜35℃とされています。2026年7月現在、日本では室温が35℃を超える日も珍しくありません。エアコンの効いた部屋であっても、充電しながらの長時間動画視聴は本体の内部温度が安全範囲を超えやすくなります。

特に注意が必要なのは、次のような場面です。

  • 車のダッシュボードにiPhoneを置いたままナビを使う
  • 直射日光の当たる窓際で充電しながらSNSを見る
  • 布団やクッションの上で充電しながら動画を観る(放熱できません)
  • ケースをつけたまま長時間のゲームやビデオ通話をする

フリーランス仲間とのZoom飲み会でこの話をしたら、4人中3人が「充電しながら寝落ちYouTubeしてる」と白状していました。筆者の夫も「え、ダメなの?」と驚いていたので、意外と知られていないポイントかもしれません。

保冷剤や冷蔵庫で冷やしてはいけない理由

iPhoneが熱いとき、冷蔵庫に入れたくなる気持ちはよくわかります。でも、これは絶対にやめてください。

急激に冷やすと、iPhoneの内部に結露が発生します。結露というのは、要するに「内部で水滴ができる」こと。冷えたグラスに水滴がつくのと同じ原理です。この水分が基板(iPhoneの心臓部)に触れると、ショートして修復不能になるリスクがあります。

同じ理由で、氷水につける、冷凍庫に入れる、濡れタオルで包むのもNGです。

正しい冷やし方はシンプルで、風を当てること。扇風機やエアコンの風が当たる場所に、ケースを外した状態でiPhoneを置いてください。ドライヤーの「冷風モード」でやさしく風を当てるのも有効です(温風は絶対にダメです)。

母にも「熱くなったら保冷剤じゃなくて扇風機の前に置いてね」と伝えたところ、翌週からリビングの扇風機の前を「iPhoneの冷却スポット」と呼ぶようになりました。

夏場の温度上昇を防ぐ日常の工夫

高温注意が一度出ると、バッテリーに余計な負担がかかっています。繰り返さないために、夏場は以下の点を意識してみてください。

充電と使用を分ける。充電中はiPhoneを使わず、充電が終わってから動画やゲームを楽しむ。これだけで温度上昇のリスクはかなり下がります。

外出時はカバンの底に入れっぱなしにしない。真夏のカバンの中は想像以上に高温です。ポケットに入れるか、カバンの中でも外気に近い場所に出しておくほうが安全になります。車のダッシュボードは論外で、JAF(日本自動車連盟)の実験では車内温度が60℃を超えることも確認されています。

低電力モードを活用する。「設定」→「バッテリー」→「低電力モード」をオンにすると、プロセッサの動作を抑えて発熱を減らすことができます。外出先でバッテリーも温度も心配なときに便利です。

もしiPhoneが頻繁に「高温注意」を出すようになったら、バッテリーの劣化も疑ったほうがよいかもしれません。「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」で最大容量を確認してみてください。80%を下回っていたら、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダでのバッテリー交換を検討する時期です。

FAQ

「高温注意」が出ている間に電話がかかってきたら?

高温注意の画面中は緊急通話のみ可能で、通常の着信には応答できません。温度が下がって復帰すれば着信履歴は残っているので、折り返すことができます。

高温注意が出るとiPhoneのデータは消えますか?

消えません。「高温注意」はiPhoneが自分自身を守るための一時停止機能です。写真・LINE・アプリのデータには影響しないので、温度が下がればそのまま使い続けられます。

MagSafeやワイヤレス充電でも熱くなりますか?

はい、ワイヤレス充電はケーブル充電より変換ロスが大きく、その分が熱になりやすい傾向があります。夏場にワイヤレス充電をするときはケースを外すか、涼しい室内で行うことをおすすめします。

「高温注意」がくり返し出る場合、修理に出すべきですか?

涼しい室内でも頻繁に警告が出る場合は、バッテリーの劣化や内部パーツの不具合が考えられます。「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」で最大容量が80%を下回っていれば、Apple Storeへの相談をおすすめします。

参考文献