先日、実家の母から「新しいワイヤレスイヤホンが繋がらない」と電話がありました。あわてて状況を聞いてみると、充電ケースのフタを開けただけで、イヤホン本体を取り出していなかったのが原因。5秒で解決しました。ただ「Bluetooth接続済みって表示されてるのに音が出ない」という相談は、フリーランス仲間とのZoomでも何度か話題になっていて、原因がひとつではないんです。

まずは安心してください。Bluetoothイヤホンから音が出ないトラブルは、ほとんどが設定や接続の問題です。故障ではありません。ペアリングのやり直しや出力先の変更で、大半のケースは解決します。

音が出ない原因、じつはシンプルなものが多い

「接続済み」と表示されているのに音が出ない。原因は大きく分けて4パターンあります。

  • 音声の出力先が別の機器になっている(以前接続したスピーカーや車のカーオーディオに音が飛んでいる)
  • イヤホンの充電が切れている、またはケースから正しく取り出されていない
  • 音量が0になっている(iPhoneはメディア音量と着信音量が別々で、片方だけゼロのことがある)
  • Bluetoothの接続情報がズレている(OSアップデートや複数端末の切り替えで起きやすい)

母の場合はケースからの取り出し忘れでしたが、もう少し複雑なケースでも、ここからの手順でほぼ対処できます。

iPhoneで音が出ないときの対処手順

焦らなくて大丈夫です。上から順に試してみてください。

出力先を確認する

コントロールセンター(画面右上から下にスワイプ)を開いて、右上のミュージック再生エリアにあるAirPlayアイコン(三角に丸が3つ重なったマーク)をタップしてください。音声の出力先が確認できます。

イヤホンの名前ではなく「iPhone」や別のスピーカーが選ばれていたら、それが原因です。イヤホンの名前をタップして切り替えましょう。

メディア音量を上げる

iPhoneは「着信音・通知音」と「メディア音量(音楽や動画の音)」を別々に管理しています。イヤホンを接続した状態で本体サイドの音量ボタンを押してみてください。画面に「ヘッドフォン」と表示されれば、イヤホン側の音量が上がっています。

Bluetoothをオフ→オンにする

「設定」→「Bluetooth」を開いて、一度トグルをオフにします。10秒ほど待ってからオンに戻してください。

ここで注意したいのが、コントロールセンターのBluetoothアイコンのタップではなく「設定」アプリから操作すること。Apple公式ヘルプによると、コントロールセンターのタップは一時的な切断で、完全なオフにはなりません。

ペアリングを削除してやり直す

ここまで試しても直らないときは、接続情報をリセットしましょう。

  1. 「設定」→「Bluetooth」を開く
  2. イヤホン名の右にある(インフォメーションマーク)をタップ
  3. 「このデバイスの登録を解除」をタップ
  4. イヤホンを充電ケースに戻してフタを閉じ、10秒待つ
  5. フタを開けてイヤホンを取り出す
  6. iPhone側のBluetooth一覧に表示されたらタップして再接続

Apple公式サポートページでも、Bluetoothアクセサリが接続できないときの基本ステップとしてこの「登録解除→再ペアリング」が案内されています。

Androidで音が出ないときの対処手順

Androidはメーカーによって設定画面の名前や位置が少し違いますが、やることはiPhoneとほぼ同じです。もし違う画面が出たら、設定アプリの検索窓で「Bluetooth」と入力すると目的の画面に直接飛べます。

「メディアの音声」設定を確認する

「設定」→「接続済みのデバイス」→イヤホン名の横にある歯車アイコンをタップしてください。「メディアの音声」という項目があります。これがオフだと、ペアリングは成功しているのに音楽や動画の音だけイヤホンから出てきません。Googleの公式ヘルプでも確認手順として記載されています。

ペアリングを解除してやり直す

  1. 「設定」→「接続済みのデバイス」を開く
  2. イヤホンの横にある歯車アイコンをタップ
  3. 「ペアリングを解除」をタップ
  4. イヤホンをケースに戻して10秒待ち、取り出す
  5. 「新しいデバイスとペア設定する」で再接続

Bluetoothキャッシュをクリアする

ペアリングのやり直しでも解決しないときは、Bluetoothの内部データ(キャッシュ)をリセットすると改善することがあります。「設定」→「アプリ」→右上の「…」→「システムアプリを表示」→「Bluetooth」→「ストレージ」→「キャッシュを削除」と進んでください。削除後はスマホを再起動して、もう一度ペアリングします。

片耳だけ聞こえないときの対処

完全ワイヤレスイヤホン(左右が独立しているタイプ)で、片方だけ無音になるのも多い相談です。

まず両耳をケースに戻してフタを閉じ、30秒待ってから再度取り出してみてください。左右の同期がズレているだけなら、これで直ることが多いです。

それでも片耳が沈黙したままなら、聞こえない側の充電端子(ケースとイヤホンが触れる小さな金属部分)を見てください。ホコリや皮脂が付着して充電できていない可能性があります。乾いた綿棒で軽く拭くだけで復活するケースは意外と多いです。ソニーの公式サポートでも、片耳から音が出ない場合は充電端子の汚れ確認が案内されています。

最後の手段はイヤホンの工場出荷状態リセットです。リセット方法はメーカー・モデルで異なりますが、「両耳をケースに入れた状態でケースのボタンを15秒長押し」が多いパターンになります。取扱説明書やメーカー公式サイトで「リセット」「初期化」で検索してみてください。

すべて試しても直らない場合

OSアップデート後にBluetoothの挙動が不安定になるケースが、Google PixelコミュニティやAppleコミュニティでも報告されています。この場合は次のOSアップデートで修正されることが多いので、スマホ本体の再起動を試しつつ待ってみてください。

イヤホンのファームウェア(イヤホン内部のソフトウェア)が古いままだと接続不良の原因になることもあります。AirPodsは接続中に自動更新されますが、ほかのメーカーは専用アプリからアップデートが必要です。ソニーなら「Headphones Connect」、Ankerなら「soundcore」アプリを確認してみてください。

ここまですべて試してダメなら、イヤホン自体の故障の可能性が高くなります。購入から1年以内であればメーカー保証の対象になることがほとんどなので、購入先やメーカーのサポート窓口に相談してみてください。

FAQ

Bluetoothイヤホンを複数のスマホで使い回していると接続トラブルが起きやすい?

起きやすくなります。Bluetoothイヤホンは最後にペアリングした端末を記憶する仕組みのため、別のスマホに切り替えるときに前の接続が残ったままになることがあります。使いたい端末側で出力先を選び直すか、使わない端末のBluetoothをオフにすると安定します。

コントロールセンターのBluetoothタップと設定からのオフは何が違う?

iPhoneのコントロールセンターでBluetoothアイコンをタップしても完全なオフにはなりません。翌日やWi-Fiエリアの切り替え時に自動で再接続されることがあります。完全にオフにしたいときは「設定」→「Bluetooth」のトグルを使ってください。

AirPodsの場合もペアリング解除の手順は同じ?

基本は同じですが、AirPodsにはケース背面にリセットボタンがあります。「このデバイスの登録を解除」のあと、ケースのフタを開けた状態で背面ボタンを15秒長押しし、ステータスランプがオレンジ→白に点滅したら再ペアリングしてください。Apple公式の手順でも案内されています。

Bluetoothバージョンが古いスマホだとイヤホンが使えないことはある?

Bluetooth 4.0以降同士であればほぼ問題なく接続できます。2016年以降に発売されたスマホなら4.0以上に対応しているので、バージョン差で使えないケースはまれです。ただしマルチポイント(2台同時接続)はBluetooth 5.0以降でないと非対応の機種があります。

参考文献