朝30分の副業タイムが、気づけば45分に伸びていた
我が家では朝6時から6時半までの30分を副業タイムにしていて、リビングのホワイトボードにも書いて家族に共有しています。最初の3ヶ月はきっちり30分で切り上げられていたのに、半年を過ぎたあたりから「あと5分だけ」「このタスクだけ終わらせたい」が重なって、気づけば45分、ひどい日は1時間近くデスクに座っていました。
本業の始業に食い込む日が週2回。夫に「最近また顔が険しいよ」と言われて、スマホのストップウォッチで副業時間を1週間計測してみたら、月換算で約18時間。最初に決めた月10時間の倍近くに膨らんでいたんです。
副業者の3割が「過重労働ライン」を超えている
パーソル総合研究所が2025年8月に実施した「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」によると、正社員の副業実施率は11.0%で過去最高を更新しました。副業の月平均時間は23.0時間。週に換算すると約5.8時間で、平日に毎日1時間以上の副業をしている計算です。
深刻なのは過重労働の実態です。本業の残業と副業の合計が月45時間を超える人が3割以上。さらにその半数以上が、本業先に副業をしていること自体を報告していません。誰にも気づかれないまま、働きすぎが静かに進行しています。
厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(2025年3月改訂版)でも、副業者の健康管理と労働時間の把握を企業・労働者双方に求めています。2026年には労働基準法の改正案が国会に提出される見通しで、副業の労働時間通算ルールが見直される可能性もあります。
「働きすぎ」に気づくためのセルフチェック
在宅勤務で副業をしていると、通勤時間がない分「まだ余裕がある」と感じがちです。でも体のサインは正直で、筆者が実際に経験した兆候を挙げてみます。
本業の始業に影響が出ている。副業の朝活で疲れが残って、始業時間にエンジンがかからない。うちの場合、保育園送りの帰り道を1ブロック遠回りする「フェイク通勤」で始業スイッチを入れていたのに、副業疲れでその5分の遠回りすらしんどくなった時期がありました。
家族に指摘された。自分では気づけなくても、家族の目は鋭いです。夫の「顔が険しいよ」が、筆者にとってはセルフチェックのきっかけになりました。年中の長男が「ママ、朝からお仕事?」と不思議そうに聞いてきた朝もあります。
月の副業時間を把握していない。これが一番危ないサインです。「だいたい週2時間くらい」という感覚値と、ストップウォッチの実測値がずれていたら、時間管理が崩れかけています。
月10時間の上限ルールと、続けるための仕組み
筆者が落ち着いたのは「月10時間」という上限ラインです。朝30分×週5日で月10時間。これ以上やると、本業の始業か、家族との時間か、自分の体力のどれかにしわ寄せが来ます。
運用で決めたのは3つだけです。
ストップウォッチで記録する。スマホの標準アプリで十分です。副業デスクに座ったらスタート、離れたらストップ。月末に合計を出すだけで「じわじわ増えている」傾向に気づけます。Toggl TrackやClockifyのような無料タイムトラッキングアプリもありますが、筆者はシンプルにiPhoneの時計アプリを使っています。ツールを増やすと管理自体が面倒になりがちです。
上限を超えそうなときは「量」ではなく「単価」で調整する。月10時間の枠は動かさず、単価の低い案件を断って高単価の仕事に絞ります。短期間で詰め込んで燃え尽きるのがいちばんもったいない。副業は「続けること」が最優先です。
振替ルールを3段階で用意しておく。次男の夜泣きがひどい週は早起きできません。「朝がダメなら昼休み15分」「平日がダメなら土曜の朝1時間」「今週まるごとダメなら潔くスキップ」。完璧を目指さず「ゼロに戻さない」がポイントです。ホワイトボードに「今週スキップ」と書くだけで、自分に休んでいいと許可を出せます。
夫婦で副業するなら「曜日ずらし」が効く
うちでは夫も副業に興味を持ち始めたので、同じ仕組みを渡しました。ただ、同じ時間帯に2人とも副業をすると子どもの対応が手薄になります。
ホワイトボードの「6:00〜6:30 ママ副業タイム」を曜日で分けて、夫の副業タイムも書き加えました。月水金は私、火木は夫。こうすると副業中もどちらかが子どもを見られます。夫に渡したら案外うまくいって、長男が「今日はパパのお仕事の日?」と聞いてくるようになったのが定着のサインでした。
うちの場合は朝30分×週5日=月10時間がちょうどよかったですが、生活リズムや副業の内容によって上限は人それぞれです。全部やる必要はありません。まず1週間、ストップウォッチで自分の副業時間を計測してみてください。数字を見ると、「もう少し減らそう」「この量なら大丈夫」の判断が感覚ではなくデータに変わります。
FAQ
副業の月10時間ルールは法律で決まっているの?
法定の上限ではなく、筆者が自分の生活リズムに合わせて設定した目安です。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では本業と副業の労働時間を通算して健康管理を行うよう求めていますが、具体的な時間の上限は個人の状況で異なります。
ストップウォッチ以外に副業時間を記録するツールはある?
Toggl TrackやClockifyなど無料のタイムトラッキングアプリが使えます。プロジェクト別に時間を分けたい場合は便利ですが、副業1本だけならスマホの標準ストップウォッチで十分です。
上限を超えそうなとき、案件を断るのが怖いのですが?
「今月は対応枠が埋まっているため、来月以降でお受けできます」と伝えるだけで大丈夫です。品質を落として納品するよりも、枠内で集中して仕上げるほうがクライアントの評価は上がります。
夫婦の副業スケジュールがうまく噛み合わないときは?
日曜夜の家族会議で翌週のスケジュールをホワイトボードに書き出すのが効果的です。5分もあれば終わりますし、急な予定変更があってもボードを見れば誰がいつ副業するか一目でわかります。
参考文献
- 第四回 副業の実態・意識に関する定量調査 — パーソル総合研究所, 2025年10月
- 副業・兼業 — 厚生労働省
- 副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説(2025年3月) — 厚生労働省





