副業を始めてみたい。でも、朝は保育園の送りでバタバタ、日中は本業、夕方からは夕食と子どもの相手、夜はもうヘトヘト——。「時間がない」の一言で何ヶ月も足踏みしていないでしょうか。
筆者も共働きで子ども2人を育てながら在宅で仕事をしている身なので、その気持ちは痛いほどわかります。ただ、実際に副業ワーカーがどれくらいの時間で回しているか調べてみたら、意外な数字が見えてきました。週にたった5時間。まずはそこから始めればいいんです。
この記事では、共働き在宅ワーカーが「週5時間」の副業時間を仕組みで作る方法を5つ紹介します。やる気や根性ではなく、仕組みで時間を確保するのがポイントです。
「副業の時間がない」は本当?データで見る副業ワーカーの実態
まず、世の中の副業事情を見てみましょう。
パーソル総合研究所が2025年8月に実施した調査によると、正社員の副業実施率は11.0%で過去最高を更新しました。企業が副業を認める「容認率」も64.3%まで上昇しています。制度的なハードルは、ここ数年でかなり下がってきました。
では、副業をしている人は毎日何時間も作業しているのかというと、そうでもない。労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査では、副業の月平均稼働時間は約23時間。週に換算すると5〜6時間です。1日あたり40〜50分程度で回している計算になります。
「毎日2〜3時間は確保しないと」と構えていた方、少しホッとしませんか。週5時間なら、生活のあちこちに散らばっている細切れ時間を集めるだけで届く数字です。
週5時間の副業時間を仕組みで作る5つの方法
ここからは具体的な方法を紹介していきます。全部やる必要はありません。あなたの生活に合うものを1つか2つ試すところから始めてみてください。
1. 朝の「始業前30分」をホワイトボードで宣言する
朝は脳のゴールデンタイムと言われています。本業の始業前に30分だけ早く起きて、副業の作業時間に充てる。考え方はシンプルですが、ここで大事なのは「家族に宣言する」こと。
我が家では結局これに落ち着いた——リビングのホワイトボードに「6:00〜6:30 ママ副業タイム」と書いて、夫にも子どもにも見える形にしています。
以前、口頭で「朝の30分は集中したいんだけど」とお願いベースで伝えていた時期がありました。最初の3日は夫も気を遣ってくれたけど、1週間もすると年中の長男が普通に話しかけてきて中断の連続。でも、ホワイトボードに時間を書いたら「ママ、まだお仕事の時間だよね」と長男のほうから気づいてくれるようになりました。
お願いは仕組みじゃない。書いて貼るだけで「家族のルール」に変わります。週5日×30分で週2.5時間。これだけで目標の半分です。
2. 昼休みの前半15分を「副業リサーチ枠」にする
在宅勤務の昼休み、全部を副業に使う必要はありません。前半の15分だけ、副業に関する情報収集やアイデアのメモに充てます。
やることは軽めでいい。スマホで副業関連の記事を1本読む、思いついたことをメモアプリにメモする、クライアントへの返信の下書きを作る。それだけで十分です。
残りの45分はちゃんと休む。ここを削ると午後の本業にモロに響きます。「15分だけ」と時間を区切るのが続けるコツ。週5日×15分で週1.25時間。
3. 週末の「90分ブロック」を家族会議で確保する
うちでは日曜夜に5分だけ家族会議をやっています。翌週の予定を共有する場なんですが、ここに「副業枠」のすり合わせを追加しました。
今のところ、土曜の午前中に長男が習い事に行っている90分間を副業に充てています。その間の送迎は夫の担当。最初は毎回「お願い」していたんですが、ホワイトボードに「土曜10:00〜11:30 ママ副業 / パパ送迎」と書いて固定にしたら、夫に渡したら案外うまくいった。もう3ヶ月以上続いています。
週末90分で週1.5時間。ここまでの合計は、平日2.5+1.25+週末1.5=5.25時間。週5時間クリアです。
4. 「やらない家事」リストを作って時間を空ける
時間は「作る」だけじゃなく「空ける」ことも大事です。
うちで実際にやめた(または減らした)家事を3つ挙げると——
- 毎日の床掃除 → 週2回に減らして、残りの日はロボット掃除機に任せるようにした
- 毎日の献立を一から考える → 日曜の家族会議で1週間分をざっくり決めてしまう
- 洗濯物を畳んでしまう → ハンガー収納に切り替えて「畳む」工程をゼロにした
完璧を目指すと時間がいくらあっても足りません。「やらなくても家が回る家事」を1つ見つけて手放すだけで、1日15〜30分は浮きます。一人暮らしの方なら、食器洗いを食洗機に任せる、掃除の頻度を見直すなど、自分の生活に合わせて調整してみてください。
5. Googleカレンダーの色分けで副業枠を「予約」する
Googleカレンダーを使っているなら、副業の時間を「予定」として先に登録してしまうのが効果的です。いわゆるタイムブロッキングという方法で、時間をブロック(予約)して他の用事が入り込む余地をなくします。
おすすめの運用方法はこうです。本業をブルー、家事・育児をグリーン、副業をオレンジなど、カテゴリごとに色を分ける。カレンダーを開いたときに副業の時間が視覚的にはっきり見えると、「この時間は別のことに使わない」という意識が自然に生まれます。
2025年11月にGoogleカレンダーへ追加された「タスクの時間確保」機能を使えば、タスクのステータスを「Busy(予定あり)」に設定できます。本業の同僚から会議を入れられそうな時間帯を事前にブロックしておく、といった使い方も可能です。
副業時間を「続ける」ために大事なこと
週5時間を1週間だけ確保するのは、そこまで難しくありません。難しいのは、それを1ヶ月、3ヶ月と続けること。
筆者自身、在宅勤務の終業時間がズルズル伸びて毎晩22時までPCに向かっていた時期がありました。Windowsのタスクスケジューラで18:30にシャットダウンタイマーを仕掛けたら、「あと5分で落ちる」というデッドラインが強制力になって、ダラダラ残業がほぼなくなった経験があります。副業も同じで、やる気ではなく仕組みで回すほうが確実に続きます。ホワイトボードに書いてあるから、気分が乗らない朝でも「とりあえず座る」ができる。
もうひとつ大事なのは、最初の1ヶ月は「成果」を求めないこと。収入を出すのは後でいい。まず「毎週5時間、副業用の時間を確保する」という習慣を体に染み込ませることに集中してみてください。時間の枠が当たり前になってから、中身を詰めていけば十分です。
5つの方法をすべて実践する必要はありません。あなたの家庭の状況や生活リズムに合いそうなものを、まず1つ試してみる。1ヶ月続いたら、それは「仕組みが回っている」証拠です。
FAQ
副業の時間を作るために睡眠時間を削ってもいい?
おすすめしません。睡眠を削ると本業のパフォーマンスが落ちて、結局どちらも中途半端になりがちです。朝30分だけ早く起きる程度なら影響は小さいですが、「毎朝4時起き」のような極端な早起きは長続きしないので避けたほうが無難です。
副業にどのくらい時間を使えば収入になる?
パーソル総合研究所の2025年調査によると、副業ワーカーの月平均稼働時間は約23時間(週5〜6時間)で、副業の平均時給は3,617円という結果が出ています。まずは週5時間で習慣を作り、慣れたら時間を増やしていくのが現実的です。
パートナーが副業に理解を示してくれない場合はどうする?
「副業をやりたい」という気持ちだけ伝えるより、「どの時間帯に・何分間・何をやるか」を具体的に見せると理解を得やすくなります。ホワイトボードに書いて可視化すると、家族全員のルールとして共有できるのでおすすめです。
在宅勤務ではなく出社している場合でも使える方法はある?
通勤時間を情報収集やアイデア出しに充てたり、昼休みの一部を使ったりする方法は出社勤務でも応用できます。ただし、この記事は在宅勤務×共働き家庭を主に想定して書いています。
厚生労働省の副業ガイドラインで気をつけることは?
厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(2025年3月改定版)では、本業の会社への届出や労働時間の通算ルールが示されています。副業を始める前に、まず勤務先の就業規則を確認しておくことをおすすめします。
参考文献
- 第四回 副業の実態・意識に関する定量調査 — パーソル総合研究所, 2025年10月
- 副業・兼業の促進に関するガイドライン — 厚生労働省, 2025年3月改定
- 調査シリーズNo.231「副業者の就業実態に関する調査」 — 労働政策研究・研修機構(JILPT)
- Google Workspace Updates Blog — Google, 2025年11月(タスクの時間確保機能)









