「テレワークになってから、電気代の請求を見てびっくりした…」という人、けっこう多いんです。実際、在宅勤務者の約9割が電気代の増加を実感しているというアンケート結果もあります(株式会社LOHASTYLE調べ、2024年)。

増加額で最も多いのは月1,000〜3,000円。たかが数千円に感じるかもしれませんが、年間にすると1万2,000〜3万6,000円の出費増です。しかも、この分を会社が補助してくれるかどうかは企業ごとにバラバラ。

この記事では、2026年3月時点の最新情報をもとに、テレワークで電気代が上がる原因と具体的な節約術、さらに会社に在宅勤務手当を請求する方法や国税庁の非課税ルールまで、まるっと解説します。

テレワークで電気代はいくら増える?機器別のリアルな内訳

1日8時間の在宅勤務を月20日続けた場合、どれくらい電気代が増えるのか。機器別に見てみましょう(2026年3月時点の目安、電力単価31円/kWhで計算)。

機器1日あたり月20日の増加額
エアコン(冷房)約26〜228円約520〜4,560円
エアコン(暖房)約27〜456円約540〜9,120円
ノートPC約5〜12円約100〜240円
デスクトップPC+モニター約15〜40円約300〜800円
照明(LEDシーリング)約5〜10円約100〜200円

一目瞭然ですが、最大の犯人はエアコンです。特に冬場の暖房は消費電力が大きく、月9,000円近く増えることもあります。逆に言えば、エアコンの使い方を見直すだけで大幅な節約が可能です。

ノートPCだけなら月200円程度。「パソコンを使ってるから電気代が高い」と思いがちですが、実際に電気を食っているのは空調なんです。

今すぐできる!テレワークの電気代を抑える7つの節約術

ここからは、すぐに実践できる節約術を効果が大きい順に紹介します。

1. エアコンの設定温度を見直す(年間約1,800円節約)

環境省が推奨する設定温度は、冷房28℃・暖房20℃です。冷房の設定温度を1℃上げると約13%、暖房を1℃下げると約10%の消費電力が減ります(環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査」)。

「28℃じゃ暑い!」という場合は、次の方法と組み合わせましょう。

2. サーキュレーターを併用する(体感温度-2〜3℃)

サーキュレーターや扇風機を使って空気を循環させると、体感温度が2〜3℃下がります。エアコンの設定温度を上げても快適に過ごせるので、夏場は特に効果的。サーキュレーター自体の電気代は月50〜100円程度なので、十分ペイします。

3. エアコンは「自動運転」+「つけっぱなし」

エアコンは室温を一定に保つほうが消費電力が少ないというのがポイント。起動時にもっとも電力を使うため、1〜2時間の離席でこまめにオンオフするより、つけっぱなしのほうが節約になります。

運転モードは「自動」がベスト。「強」で一気に冷やして「弱」に切り替える手動操作より、自動運転に任せたほうが効率的です。

4. フィルター掃除を2週間に1回する(約月70円節約)

フィルターにホコリが溜まると風量が落ち、エアコンが余計にがんばって電気を消費します。環境省によれば、フィルターを月1〜2回掃除するだけで冷房時で約4%・暖房時で約6%の節電になります。

5. PCはスリープを活用する(離席90分以内)

パソコンは電源のオン・オフ時に最も電力を使います。90分以内の離席ならシャットダウンよりスリープのほうが省エネです。ディスプレイの輝度を50%に下げるだけでも年間数百円の節約になります。

6. 日当たりのいい部屋で仕事する

窓際の明るい場所で仕事をすれば、日中は照明を消せます。LED照明の電気代は月100〜200円程度ですが、塵も積もれば山となる。冬場は日差しで室温も上がるので暖房の節約にもなります。

7. 電力会社の料金プランを見直す

在宅勤務で日中の電力使用量が増えたなら、料金プランの見直しが効果的です。エネチェンジなどの比較サイトで、日中の単価が安いプランに切り替えるだけで月500〜1,000円安くなるケースもあります。

電気代は会社に請求できる?在宅勤務手当の相場と仕組み

テレワークで増えた電気代、「会社が払ってくれないの?」と思いますよね。結論から言うと、法律上、会社に負担義務はありません。ただし、多くの企業が「在宅勤務手当(テレワーク手当)」として一定額を支給しています。

在宅勤務手当の相場

2025年時点の調査によると、在宅勤務手当の相場は月3,000〜5,000円が多数派です(マネーフォワード クラウド給与)。電気代・通信費・水道代をまとめてカバーする金額設定が一般的です。

  • 月3,000円:最も多い支給額。光熱費の増加分をほぼカバー
  • 月5,000円:通信費込みで余裕をもたせた設定
  • 月1万円以上:IT企業・外資系の一部で見られる手厚い支給

会社に制度がない場合の交渉ポイント

自社に在宅勤務手当がない場合、人事部門に相談してみる価値はあります。交渉のコツは以下の3つ。

  1. 具体的な金額を示す:「月○円くらい増えている」と電気代の請求書をもとに伝える
  2. 他社事例を添える:同業他社の在宅勤務手当の金額を調べて提示する
  3. 通勤費との比較:「通勤定期代が浮いている分、在宅手当に回せないか」という切り口が効果的

知らないと損!国税庁の「非課税」計算式で手取りを増やす

在宅勤務手当は原則として課税対象(給与扱い)ですが、国税庁が示す計算式で「業務使用分」を算出して精算する方式なら非課税にできます(国税庁「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」)。

電気代の業務使用分の計算式

国税庁が示す計算式はこちら。

業務使用分 = 月額電気料金 × 1/2 ×(在宅勤務日数 ÷ その月の日数)×(業務部屋の床面積 ÷ 自宅の総床面積)

「1/2」は、1日24時間のうち睡眠8時間を除いた16時間中、労働時間8時間が占める割合です。

計算例

たとえば、6月の電気代が2万円、在宅勤務20日、仕事部屋10㎡、自宅50㎡の場合:

20,000円 × 1/2 × 20/30 × 10/50 = 約1,333円

この1,333円を会社が実費精算すれば非課税になります。一律で5,000円支給するより手取りが増えるケースがあるので、経理担当者に「実費精算方式にできないか」と相談してみましょう。

個人事業主なら電気代を経費にできる

フリーランスや個人事業主の場合、自宅の電気代の一部を「家事按分」で経費計上できます。

按分の割合は、仕事に使っている時間や面積で合理的に計算します。たとえば、1日8時間・自宅の30%を仕事に使っているなら、電気代の約10%(8/24 × 30%)を経費にできます。

確定申告の際は、freee弥生などの会計ソフトで「家事按分」の設定をしておけば、自動で計算してくれるので便利です。

FAQ

テレワークで電気代はどれくらい増えますか?

1日8時間・月20日の在宅勤務で、月1,000〜3,000円の増加が平均的です。ただし冬場に暖房を多用すると月5,000円以上増えることもあります。最も電気を消費するのはエアコンで、PC自体の電気代は月100〜800円程度です。

テレワークの電気代は会社が払ってくれるのですか?

法律上の負担義務はありませんが、多くの企業が月3,000〜5,000円の在宅勤務手当を支給しています。自社に制度がない場合は、電気代の増加額を具体的に示して人事部門に相談してみましょう。

在宅勤務手当は課税されますか?

一律支給の場合は原則課税されます。ただし、国税庁の計算式に基づいて業務使用分を実費精算する方式であれば非課税となります。詳しくは国税庁の「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」を参照してください。

エアコンはつけっぱなしのほうが節約になりますか?

1〜2時間程度の離席ならつけっぱなしのほうが省エネです。エアコンは起動時に最も電力を使うため、こまめなオンオフは逆効果になります。ただし、半日以上の外出時はオフにしましょう。

参考文献