パソコンを起動しただけなのに、タスクマネージャーを開いたらメモリ使用率がいきなり70%、ひどいときは80%を超えている。アプリなんてまだ何も開いていないのに。

Windows 11を使っていてこの症状に心当たりがある人、わりと多いんじゃないでしょうか。自分も工房で7台のPCを管理していて、ある朝いつものベンチマーク前の温度チェックで1台だけやけにもっさりしていて、タスクマネージャーを開いたらメモリ使用率が82%だったことがあります。起動直後で何もしていない状態でこれは明らかにおかしい。

結局のところ、Windows 11には裏で勝手にメモリを食うサービスがいくつか動いていて、そいつらが犯人であることがほとんどなんですよね。この記事では、タスクマネージャーでメモリを大量消費している「犯人」を特定する手順と、具体的な対処法を解説します。2026年5月時点の最新情報に基づいています。

タスクマネージャーで「何がメモリを食っているか」を確認する

まずは犯人探しから。やり方はシンプルです。

キーボードで Ctrl + Shift + Esc を押してタスクマネージャーを開きます。Windows 11の場合、左側メニューから「プロセス」を選び、上部の「メモリ」列をクリックしてメモリ消費量が多い順に並べ替えてください。

ここで注目するのは、自分が起動した覚えのないプロセス。「サービスホスト: 配信の最適化」「サービスホスト: SysMain」あたりが数百MB〜数GBを食っていたら、それがメモリ使用率を押し上げている犯人です。

ちなみに、タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブを開くと、メモリの総容量・使用中・利用可能がグラフで表示されます。「コミット済み」の数値が物理メモリ容量を大幅に超えていたら、仮想メモリ(ページファイル)まで使い込んでいる状態なので動作が重くなるのは当然です。

犯人その1:「配信の最適化」がメモリを食い続ける不具合

2026年時点で一番多いのがこれ。

Windows 11の「配信の最適化(Delivery Optimization)」というサービスがメモリリーク(使ったメモリを返さないバグ)を起こして、時間が経つほどメモリ消費が増え続ける現象が報告されています。Microsoft Q&Aでも複数の投稿があり、16GBメモリ搭載機でもアイドル状態でメモリ使用率が80%を超えるケースが確認されています。

この不具合は、2025年12月の累積更新プログラムKB5072033でAppX Deployment Service(AppXSVC)の起動方式が「手動」から「自動」に変更されたことがきっかけとされています。これにより配信の最適化サービスの稼働時間が長くなり、メモリリークの影響が目に見えるようになったんですよね。

PCショップ時代にも「最近パソコンが遅い」という持ち込みで、原因がWindows Updateの裏サービスだったケースは何度もありました。お客さんは「メモリが足りないんですかね」と言うんですが、ぶっちゃけ8割はサービスの暴走が原因だったりする。

対処法:配信の最適化のP2P共有をオフにする

設定Windows Update詳細オプション配信の最適化と進み、「他のPCからのダウンロードを許可する」のトグルをオフにします。

これで他のPC同士でアップデートファイルを共有するP2P機能が停止し、配信の最適化サービスの稼働が大幅に減ります。トレードオフとして、Windows Updateのダウンロードがすべてマイクロソフトのサーバー経由になるため、回線が細い環境だと更新に少し時間がかかる程度。家庭用回線なら体感では変わりません。

犯人その2:SysMain(旧SuperFetch)がメモリを先食いしている

もうひとつの常連犯がSysMain。

Windows 10時代は「SuperFetch」と呼ばれていたサービスで、よく使うアプリをあらかじめメモリに読み込んでおくことで起動を速くする仕組みです。考え方自体は悪くないんですが、メモリが8GBや16GBの環境だと、この「先読み」が空きメモリを圧迫して逆にパソコン全体が遅くなる本末転倒なパターンが起きます。

Microsoft Learnの公式ドキュメントでもSysMainがCPUやディスクを圧迫するケースが言及されており、問題がある場合は無効化が推奨されています。

対処法:SysMainサービスを停止・無効化する

Win + R で「ファイル名を指定して実行」を開き、services.msc と入力してEnter。サービス一覧から「SysMain」を探してダブルクリック。「停止」ボタンを押し、「スタートアップの種類」を「無効」に変更してOK。

SSDを搭載しているPCなら、SysMainを無効にしても体感速度はほぼ変わりません。SSDの読み込み速度が十分速いので、先読みの恩恵がそもそも小さいんですよね。HDDのPCなら少し起動が遅くなる可能性があるので、停止後に様子を見て判断してください。

自分の工房では7台すべてSSD搭載なので、SysMainは全台で無効にしています。15年やっててもこの設定は毎回ググるんですが、一度やれば再起動しても効き続けるので手間はかかりません。

それでも改善しないとき:スタートアップと仮想メモリの見直し

上の2つで改善しない場合は、スタートアップアプリと仮想メモリの設定も確認しましょう。

スタートアップアプリの整理

タスクマネージャーの「スタートアップ アプリ」タブを開くと、PC起動時に自動で立ち上がるアプリの一覧が表示されます。「状態」が「有効」になっているアプリのうち、普段使わないものは右クリック → 「無効化」で起動時の負荷を減らせます。

メーカー製PCだと購入時点でプリインストールアプリが10個以上スタートアップに登録されていることも珍しくありません。PCショップ時代の持ち込みでも、セキュリティソフトの体験版が2種類同時に動いていて、それだけでメモリ2GB食っていたケースがありました。

仮想メモリ(ページファイル)のサイズ調整

物理メモリが8GBしかない場合は、仮想メモリの設定を見直すと改善することがあります。

設定システムバージョン情報システムの詳細設定 → 「パフォーマンス」の設定詳細設定タブ → 「仮想メモリ」の変更。「すべてのドライブのページング ファイルのサイズを自動的に管理する」のチェックを外し、「カスタム サイズ」で初期サイズを物理メモリと同じ値(8GBなら8192MB)、最大サイズをその2倍(16384MB)に設定します。

ただ正直なところ、2026年にメモリ8GBでWindows 11を快適に使うのは厳しくなってきています。ブラウザでタブを10枚開くだけで4〜5GB消費する時代なので、予算が許すなら16GBへの増設が根本的な解決策です。メモリの増設はSSD換装と並んで、古いPCの延命で最もコスパが高い手段のひとつなんですよね。

メモリ使用率の「正常値」はどれくらい?

「そもそも何%なら正常なの?」と気になる人も多いと思います。

目安として、起動直後で30〜50%程度なら正常です。Windows 11自体がバックグラウンドでさまざまなサービスを動かしているので、何もアプリを開いていなくてもメモリ使用率がゼロにはなりません。16GBメモリの環境で起動直後に4〜6GBほど使われているのは普通の挙動です。

問題なのは、アプリを起動していない状態で70%を超えているとき。この記事で紹介した手順で犯人を特定すれば、たいていは設定変更だけで改善できます。もし手順通りやっても改善しない場合は、メモリそのものの物理故障の可能性もあるので、Windowsメモリ診断(mdsched.exe)やmemtest86+で切り分けてみてください。

FAQ

メモリ使用率が高いとパソコンは壊れる?

メモリ使用率が高いだけではハードウェアが壊れることはありません。ただし、メモリ不足が続くとディスクへのスワップが頻発して動作が極端に遅くなり、作業中のデータが保存できないリスクがあります。早めの対処をおすすめします。

SysMainを無効にするとパソコンが遅くなる?

SSD搭載PCなら体感差はほぼありません。SysMainはHDD時代にアプリの起動速度を改善するために作られた仕組みなので、SSDでは恩恵が限定的です。HDDのPCでは無効化後にアプリの初回起動が0.5〜1秒ほど遅くなる可能性があります。

「配信の最適化」をオフにするとWindows Updateに影響がある?

影響はごくわずかです。P2P共有をオフにすると、アップデートファイルをすべてMicrosoftのサーバーから直接ダウンロードするようになるため、回線速度によっては更新に少し時間がかかります。更新の内容や品質には影響しません。

メモリを増設するなら何GBがおすすめ?

2026年5月時点では16GBが最低ライン。ブラウザとOffice程度の一般用途なら16GBで十分です。動画編集やゲームをするなら32GBあると安心です。8GBのPCはスロットに空きがあれば、同じ規格のメモリを追加してデュアルチャネル16GBにするのが最もコスパの高い延命策です。

参考文献