Windows Update を当てたら、PC が起動しなくなった——2026年1月の KB5074109 や2025年6月の KB5060533 など、Windows Update が原因で PC が起動不能になるトラブル は定期的に発生しています。画面が真っ黒のまま、ブルースクリーンが出る、ロゴから先に進まない……PC ショップ時代もこの手の入庫はパッチ配信のたびに来ていました。

でも、こうなってもパニックにならなくて大丈夫なんです。Windows 回復環境(WinRE) を使って PC を自力で復旧する方法を5つ紹介していきます。2026年2月時点の最新情報をもとにまとめたので、いざという時の参考にしてください。

そもそもなぜ Windows Update で起動しなくなるの?

Windows Update は、セキュリティの穴を塞いだり新機能を追加したりする大事な仕組みです。とはいえ、世の中には無数の PC 環境があるので、特定のハードウェアやドライバーとの相性問題 がどうしても発生します。

2026年1月にリリースされた更新プログラム「KB5074109」では、一部の PC で「UNMOUNTABLE_BOOT_VOLUME」というエラーが表示されて起動できなくなる不具合が報告されました(ニッチな PC ゲーマーの環境構築Z)。さらに2025年6月の更新では BIOS が破損するケースもありました。

つまり、「ちゃんと更新しただけなのに壊れた」は決してレアケースではない んです。だからこそ、復旧方法を知っておくのが効きます。自分のメイン機(Ryzen 9 7900X)でも一度同じ目に遭ってからは、復旧用 USB を引き出しに常備するようになりました。

まず試すこと:Windows 回復環境(WinRE)に入る方法

PC が正常に起動しない場合、まず目指すのは 「Windows 回復環境(WinRE)」 と呼ばれる修復専用の画面です。ここから各種復旧ツールにアクセスできるようになります。

WinRE に入る方法は主に2つ。

方法 A:強制終了を繰り返す(インストールメディア不要)

  1. PC の電源を入れる
  2. Windows ロゴが表示されたら、電源ボタンを長押し して強制終了する
  3. この操作を 2〜3回繰り返す
  4. 「自動修復を準備しています」と表示されたら成功
  5. その後、「詳細オプション」→「トラブルシューティング」に進む

結局のところ、起動に連続で失敗すると、Windows が自動的に回復モードに切り替わる 仕組みになっています。これは Microsoft の公式ドキュメント でも案内されている正規の手順。電源長押しを連発するのは抵抗が出る気持ちはわかるんですが、ここは仕様なので大丈夫だったりします。

方法 B:インストールメディアから起動する

方法 A でうまくいかない場合は、USB メモリで作成した Windows 11 のインストールメディア から起動します。

  1. 別の PC で Microsoft 公式サイト から「メディア作成ツール」をダウンロード
  2. 8GB 以上の USB メモリに書き込む
  3. 起動しない PC に USB メモリを挿し、電源を入れる
  4. BIOS/UEFI の起動順序で USB を優先に変更(メーカーにより F2、F12、Del キーなどで設定画面に入れる)
  5. 「Windows セットアップ」画面が出たら、左下の「コンピューターを修復する」をクリック

これで WinRE と同じ回復メニューに入れます。方法 A がダメだったときの保険として、元気なうちに USB メディアを1本作っておく のがおすすめ(自分も最初これを怠っていて、PC が起動しなくなった日の夜に他のマシンを引っ張り出してメディア作成する羽目になりました)。

復旧方法5つ:WinRE に入ったらここから選ぶ

WinRE の「トラブルシューティング」→「詳細オプション」を開くと、いくつかの修復ツールが並んでいます。ここでは、試す順番どおりに5つの方法 を見ていきます。

方法1:スタートアップ修復(まず最初にコレ)

「詳細オプション」から 「スタートアップ修復」 を選びます。Windows が自動的に起動に必要なファイルの破損を検出・修復してくれます。

操作は選ぶだけなので一番カンタン。とはいえ、原因が Windows Update の場合は修復できないことも多い です。ダメだったら次の方法に進みます。

方法2:更新プログラムのアンインストール(本命)

Windows Update 直後に起動しなくなったなら、これが一番効果的 です。

  1. 「詳細オプション」→「更新プログラムのアンインストール」を選択
  2. 「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」を選ぶ(通常の Windows Update の場合はこちら)
  3. 「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」も選べる(大型アップデートの場合)
  4. 指示に従って進めると、直近の更新が取り消される

たとえば、KB5074109 が原因で起動しなくなった場合、この方法で KB5074109 をアンインストールすれば元に戻ります(ギャズログによる解説)。

注意点:アンインストールした更新にはセキュリティ修正が含まれている場合があります。復旧後は Microsoft の修正パッチが出ていないか確認してください。

方法3:システムの復元

システムの復元」は、PC の設定やシステムファイルを過去の状態に巻き戻す機能です。

  1. 「詳細オプション」→「システムの復元」を選択
  2. 復元ポイントの一覧が表示されるので、Windows Update 適用前の日付 を選ぶ
  3. 「完了」をクリックして復元を実行

ただし、復元ポイントが作成されていないと使えません。Windows は通常、大きな変更の前に自動で復元ポイントを作りますが、ストレージ容量が少ない PC では無効になっていることもあります(PC ショップ時代も「復元ポイントが0件」の PC が結構ありました)。

「方法2が使えないとき」や「どの更新が原因かわからないとき」に効く手段。なお、dynabook の公式サポートページ に画面付きの詳しい手順が載っています。

方法4:セーフモードで起動してトラブルを切り分ける

セーフモードは、最低限のドライバーだけで Windows を起動する モードです。セーフモードで起動できれば、問題のあるドライバーやソフトを特定・削除できるようになります。

  1. 「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」
  2. 再起動後、数字キーで起動方法を選択する画面が出る
  3. 4」キー(または F4)でセーフモード起動
  4. ネットワーク接続が必要なら「5」キー(または F5)で「セーフモードとネットワーク」

セーフモードで起動できたら、「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」→「更新プログラムをアンインストールする」から問題の更新を手動で削除できます。

バッファロー公式の解説ページ にも起動手順が詳しく載っているので参考にしてみてください。

方法5:コマンドプロンプトで手動修復(上級者向け)

上の方法でどれもダメだった場合、WinRE の「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を開いて、以下のコマンドを順番に試します。

sfc /scannow:Windows のシステムファイルの破損をスキャン・修復します。

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth:Windows Update のコンポーネントを修復します。

chkdsk C: /f /r:ディスクのエラーをチェック・修復します(時間がかかることがあります)。

これらは Microsoft の公式回復オプションガイド でも紹介されているコマンドです。コマンドプロンプトに慣れていない方は、1つずつコピペして実行すれば OK(自分も初めての時は手順をスマホで撮って手元に置いて見ながらやりました)。

復旧できなかった場合の最終手段

ここまでの方法をすべて試しても起動しない場合は、以下の選択肢が残っています。

「この PC を初期状態に戻す」を実行する

WinRE の「トラブルシューティング」から「この PC を初期状態に戻す」を選びます。「個人用ファイルを保持する」を選べば、写真やドキュメントは残したまま Windows だけを再インストール可能です。

ただし、インストールしたアプリや一部の設定は消えます。完全に最初からやり直すよりはマシですが、それなりの手間はかかると見ておいてください。

PC メーカーのサポートに相談する

BIOS の破損など、Windows の回復環境だけでは対処できないケースもあります。2025年6月の Windows Update 問題では、Gigabyte が復旧方法を公開 し、マウスコンピューターが修正 BIOS を配布 するなど、メーカー側が対応したケースがありました(ニッチな PC ゲーマーの環境構築Z)。

自力での復旧に限界を感じたら、メーカーのサポート窓口に連絡 するのが確実です。

今のうちにやっておきたい3つの備え

Windows Update のトラブルは「起きてから慌てる」パターンが大半。ぶっちゃけ、事前に備えておけばダメージは最小限に抑えられます。

1. 回復用 USB メディアを作っておく

PC が正常に動いているうちに、Microsoft 公式サイト からインストールメディアを作成しておいてください。8GB 以上の USB メモリがあれば OK。

2. システムの復元を有効にする

「スタート」→「復元ポイントの作成」で検索し、C ドライブの保護が「有効」になっているか確認します。無効になっていたら「構成」から有効にしておきます。

3. Windows Update の適用を少し待つ

毎月の Windows Update がリリースされたら、数日〜1週間ほど様子を見る のも1つの手です。大きな不具合があれば、その間に SNS やニュースサイトで報告が上がります。とはいえセキュリティ更新は放置しすぎるとリスクがあるので、最大でも2週間以内には適用する のがバランスの良い判断(自分はだいたい配信から1週間くらい寝かせてから適用しています)。

FAQ

Windows Update を止める(無効にする)ことはできますか?

設定から最大5週間まで一時停止できますが、完全に無効にすることはおすすめしません。セキュリティ更新を適用しないまま PC を使い続けると、ウイルスや攻撃のリスクが高まります。

強制終了を繰り返しても WinRE が起動しないのですが?

WinRE のパーティションが破損している可能性があります。その場合は Windows 11 のインストールメディア(USB メモリ)から起動して「コンピューターを修復する」を選んでください。

更新プログラムをアンインストールしたら、また自動で入ってしまいますか?

はい、通常は次の Windows Update のタイミングで再インストールされます。Microsoft が修正版を配信するまでの間、「設定」→「Windows Update」→「更新の一時停止」で一時的にブロックできます。

データは消えてしまいますか?

方法1〜4(スタートアップ修復、更新プログラムのアンインストール、システムの復元、セーフモード)では、基本的に個人データは消えません。「この PC を初期状態に戻す」の場合も「個人用ファイルを保持する」を選べばデータは残ります。

Mac でも同じようなことは起きますか?

macOS のアップデートでも起動トラブルが発生することはあります。ただし Mac には macOS 復旧(Command + R で起動)という類似の仕組みがあり、対処の流れは似ています。

参考文献