Wordで新しい文書を開いたとき、「なんか行間が広すぎて読みにくい……」と感じたことはないだろうか。特に2025年以降のMicrosoft 365アップデート後、Wordの初期設定が変わって行間がさらに広くなったという声がSNSでも相次いでいる。
原因は、Wordのデフォルトフォント「游ゴシック」「游明朝」の仕様と、行間に関する初期設定にある。この記事では、2026年3月時点の最新版Word(Microsoft 365 / Word 2024)を前提に、行間を適切に直す方法と、毎回設定し直さなくて済む既定値の変更手順をわかりやすく解説する。
そもそもなぜ行間が広くなるのか?原因は「行グリッド線」と「游ゴシック」
Wordの行間が広くなる最大の原因は、「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」という設定がオンになっていること。これは、1ページに収まる行数を一定に保つために、文字を見えない「グリッド線」に沿って配置する機能だ。
ざっくり言うと、Wordが「このページは36行で統一するぞ!」と決めていて、フォントサイズや種類によっては行と行のあいだにムダなスペースができてしまう、というわけ。
游ゴシックや游明朝は、以前の標準フォント「MS 明朝」「MS ゴシック」に比べてフォント自体の高さ(アセンダ・ディセンダ)がやや大きい。そのため、グリッド線に合わせると行間が余計に広がりやすいのだ。
さらに、2025年1月頃のMicrosoft 365アップデートで、新規文書の初期設定が以下のように変更されたことが複数の情報源で報告されている。
- フォントサイズ: 10.5pt → 11pt
- 段落後の間隔: 0pt → 8pt
- 行間: 1.0 → 1.08倍
つまり、アップデート前と同じ感覚で文書を作ると、「あれ?なんか行間広くない?」となるのは当然なのだ。
【3分で解決】今開いている文書の行間を直す方法
まずは目の前の文書をサクッと直す方法から。すでに作成中の文書で行間が広すぎる場合は、以下の手順で修正できる。
方法1: 行グリッド線の設定を外す(おすすめ)
- 行間を直したい段落を選択する(全体なら Ctrl + A で全選択)
- 「ホーム」タブ →「段落」グループの右下にある小さな矢印(ダイアログボックス起動ツール)をクリック
- 「インデントと行間隔」タブを開く
- 「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
これだけで、見違えるほど行間がスッキリする。游ゴシックのまま使いたい人は、まずこの方法を試そう。
方法2: 行間の数値を直接指定する
- 段落を選択した状態で、上記と同じ「段落」ダイアログを開く
- 「行間」のドロップダウンから「固定値」を選ぶ
- 「間隔」に 18pt〜20pt(フォントサイズ10.5ptの場合)を入力する
- 「OK」をクリック
固定値を使うと、フォントを変えても行間が勝手に広がらない。報告書や提出書類など、レイアウトを厳密にコントロールしたいときに便利だ。
方法3: ショートカットで一発リセット
「ホーム」タブ →「段落」グループの「行と段落の間隔」アイコン(上下の矢印マーク)をクリックし、メニューから「1.0」を選ぶと、行間が1行に戻る。段落後の8ptも消したい場合は、同じメニューの「段落前にスペースを追加」「段落後にスペースを削除」で調整できる。
毎回直すのが面倒!既定フォント・行間を永久に変更する方法
「新規文書を作るたびに行間を直すのがダルい……」という人は、Wordの標準テンプレート(Normal.dotm)を変更してしまおう。一度やれば、以降の新規文書すべてに反映される。
フォントの既定を変更する
- Wordで白紙の新規文書を開く
- 「ホーム」タブ →「フォント」グループの右下にあるダイアログボックス起動ツールをクリック
- 「日本語用のフォント」を好みのフォントに変更(例: BIZ UDゴシック、メイリオ、MS ゴシック など)
- 「英数字用のフォント」も必要に応じて変更
- フォントサイズを 10.5 に変更(10.5ptは日本のビジネス文書の定番サイズ)
- 左下の「既定に設定」ボタンをクリック
- 「Normal.dotmテンプレートを使用したすべての文書」を選んで「OK」
これで、次回以降の新規文書はすべて変更後のフォント・サイズで開かれる。
行間の既定を変更する
- 同じ白紙文書で、「ホーム」タブ →「段落」ダイアログを開く
- 「行間」を「1行」に変更
- 「段落後」を「0pt」に変更
- 「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」のチェックを外す
- 左下の「既定に設定」ボタンをクリック
- 「Normal.dotmテンプレートを使用したすべての文書」を選んで「OK」
フォントと行間の両方を変更したら、その文書は保存せずに閉じてOK。テンプレートファイル(Normal.dotm)は自動的に更新される。
ついでに直したい!Wordの「おせっかい」自動変換をオフにする
行間の問題とあわせて、多くの人が困っているのがWordのオートコレクト(自動変換)機能だ。「勝手に箇条書きになる」「勝手に大文字になる」「URLが青いリンクになる」……心当たりがある人は、以下の設定を見直そう。
オートコレクトの設定画面を開く方法
- 「ファイル」タブ →「オプション」(または「その他」→「オプション」)
- 「文章校正」→「オートコレクトのオプション」をクリック
おすすめのオフ設定
「入力オートフォーマット」タブで以下のチェックを外すとストレスが激減する。
- 「箇条書き(行頭文字)」 → 勝手に箇条書きにならなくなる
- 「箇条書き(段落番号)」 → 勝手に番号が振られなくなる
- 「インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する」 → URLが勝手にリンクにならなくなる
「オートコレクト」タブでは以下がよく問題になる。
- 「文の先頭文字を大文字にする」 → 英文で勝手に大文字になるのを防ぐ
- 「曜日の先頭文字を大文字にする」 → monday → Monday の自動変換を防ぐ
必要な機能まで切る必要はないが、「勝手に変わって困る」と感じるものはオフにしておくと快適だ。
游ゴシックの代わりにおすすめのフォント3選
游ゴシックの見づらさが根本的に気になる人は、フォント自体を変えてしまうのも手だ。Windows 11に標準搭載されているフォントのなかで、ビジネス文書におすすめのものを紹介する。
1. BIZ UDゴシック / BIZ UD明朝
モリサワが開発したユニバーサルデザインフォント。Windows 10以降に標準搭載されている。文字の形がわかりやすく、行間も安定しやすい。公的機関の文書でも採用が増えており、読みやすさ重視なら一番おすすめ。
2. メイリオ
Windows Vista以降おなじみのフォント。丸みがあって画面表示での視認性が高い。ただし、メイリオも行グリッド線との相性が悪く行間が広がりやすいので、前述のグリッド線設定オフはセットで行うこと。
3. MS ゴシック / MS 明朝
昔ながらの定番フォント。游ゴシック登場以前のWordで標準だったため、「元に戻したい」人はこれ。行間の問題が起きにくいが、画面表示ではやや粗く見えるのがデメリット。印刷がメインの用途なら問題ない。
FAQ
游ゴシックの行間設定を変えたのに、既存の文書には反映されないのはなぜ?
既定の変更(Normal.dotm)は新規文書にのみ反映される。既存の文書は個別に段落設定を変更する必要がある。Ctrl + A で全選択してから行間を変更すると一括で直せる。
Normal.dotmを変更したら元に戻せなくなった。どうすればいい?
Normal.dotmのファイルを削除すると、Wordが次回起動時に初期状態のテンプレートを自動生成する。場所は C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Microsoft\Templates\Normal.dotm。ファイルを削除する前にWordを完全に終了しておくこと。
Macでも同じ手順で行間を直せる?
基本的な考え方は同じだが、Macの場合は「Word」メニュー →「環境設定」→「編集」からアクセスする。「既定に設定」ボタンの位置も異なるため、Microsoft公式サポートで確認することをおすすめする。
フォントサイズ11ptと10.5pt、どっちにすべき?
日本のビジネス文書では10.5ptが主流。ただし、Microsoftの最新デフォルトは11ptで、海外では12ptが標準。社内テンプレートやルールがある場合はそちらに従おう。
Wordのバージョンによって初期設定は違うの?
はい。Microsoft 365(旧Office 365)は自動アップデートで初期設定が変わることがある。2025年1月頃のアップデートで行間が広がった事例が報告されている。Word 2021やWord 2019は買い切り版のためアップデートの影響を受けにくい。






