実家の母から「Wi-Fiの横にビックリマークが出てるんだけど、これ何?」と電話がかかってきたのは先月のことです。「設定アプリを開いて」と案内したら、母は「歯車のマークって何? どこにあるの?」と返してきて、そこから30分の格闘が始まりました。
同じ画面を見ていれば10秒で伝わる。なのに電話越しだと、お互いの画面が見えないせいで何倍も時間がかかります。iPhoneには、このもどかしさを解消する標準機能がちゃんと用意されています。FaceTimeの「画面共有」と「リモート操作」です。
筆者はこの2つを使い始めてから、母のiPhoneサポートにかかる時間が30分から5〜10分に縮まりました。追加アプリのインストールは不要で、iPhoneに最初から入っているFaceTimeだけで完結します。
「画面共有」と「リモート操作」は何が違う?
FaceTimeには、離れた相手のサポートに使える機能が2種類あります。名前が似ているので、先に違いだけ押さえておきます。
画面共有(iOS 15.1以降で利用可能)は、自分のiPhoneの画面を相手に「見せる」機能です。相手は画面を見ることはできますが、直接触ることはできません。「そこじゃなくて、もう1つ下のボタン」と口で案内しながら、相手がいま何を見ているか確認できるようになります。電話越しの「いまどの画面にいるの?」が一瞬で解決します。
リモート操作(iOS 18以降で利用可能)は、画面共有からさらに一歩進んだ機能です。相手のiPhone画面を、こちらのiPhoneから直接タップしたりスワイプしたりできます。以前、母のiPhoneで集中モード(おやすみモード)が勝手にオンになってLINE通知が届かなくなったことがありました。リモート操作で設定画面を開いてオフに切り替えたら、わずか2分で解決。母は「画面を見てくれてるなら安心」と、以前より構えずにサポートを受けてくれるようになりました。
どちらも追加アプリは不要。FaceTimeの通話中にボタンをタップするだけで始められます。
使うために必要な条件
画面共有とリモート操作にはそれぞれ条件があります。事前に確認しておくと、いざというときに慌てません。
画面共有の条件:
- 自分と相手の両方がiOS 15.1以降(またはiPadOS 15.1以降)を搭載していること
- Apple IDでサインインしていること
- FaceTimeがオンになっていること
リモート操作の条件:
- 自分と相手の両方がiOS 18以降を搭載していること
- お互いを「連絡先」アプリに保存していること
- 1対1のFaceTime通話であること(グループ通話では使えません)
母のiPhoneのバージョンがわからない場合は、「設定」→「一般」→「情報」の順にタップしてもらうと「iOSバージョン」の欄で確認できます。もしiOS 17以前であっても、画面共有(見るだけの機能)はiOS 15.1以降で使えます。まずは画面共有から試してみてください。
画面共有の手順
最初に「画面共有」の使い方です。相手のiPhone画面がこちらに映るので、口頭で案内しやすくなります。
相手(サポートされる側)にやってもらう操作:
- FaceTimeで通話を開始する(音声のみでもビデオ通話でもOK)
- 通話画面の上部にある「共有」ボタン(四角に上矢印のアイコン)をタップ
- 「自分の画面を共有」をタップ
- 3秒のカウントダウンの後、画面全体が相手に見える状態になる
実家の母には「共有って出たら押してね」の一言だけ覚えてもらいました。2回目からは自分でボタンを見つけてタップできるようになったので、操作が苦手な方でも大丈夫です。
画面共有中は、画面上部に紫色のアイコンが表示されます。終了するときは通話画面に戻って「共有を停止」をタップしてください。
リモート操作の手順
画面共有だけでも十分便利ですが、「ここを押して」「え、どこ?」のやり取りが続くなら、リモート操作に切り替えると一気にラクになります。
サポートする側(自分)の操作:
- 相手が画面共有を始めた状態で、相手の画面が自分のiPhoneに表示されていることを確認
- 画面右下に表示される手のアイコン(リモート操作リクエストボタン)をタップ
- 相手のiPhoneに「リモート操作を許可しますか?」と表示される
- 相手に「許可」を押してもらう
- 許可されると、相手の画面をこちらの指でタップ・スワイプできるようになる
リモート操作中でも相手は自分のiPhoneを触れます。操作権が奪われるわけではないので、安心してもらってください。
フリーランス仲間とのZoom飲み会でこの機能を紹介したら、4人全員がその場で親のiPhoneにFaceTimeをかけて試していました。「電話越しのサポートがウソみたいにラクになった」と後日感謝されたので、家族のスマホサポートで消耗している方にはぜひ教えてあげてください。
スムーズにサポートするためのコツ
機能自体は単純ですが、実際に使ってみると気をつけたいポイントがいくつかあります。
「今から触るよ」と毎回声をかける。リモート操作中は相手のiPhone画面が勝手に動くように見えます。黙って操作すると相手がびっくりするので、「今から設定を開くね」「ここをタップするよ」と都度伝えるのが大事です。母には毎回声をかけるようにしていて、「画面を見てくれてるなら安心」と言ってもらえるようになりました。
Wi-Fi環境で使う。画面共有はデータ通信量が大きく、FaceTimeのビデオ通話で1時間あたり約250MBが目安です(Firsty調べ)。画面共有を加えるとさらに増えるため、Wi-Fiに接続した状態で使うことをおすすめします。
操作後にスクリーンショットを送る。リモート操作で問題を直した後、「いまどこを変えたか」を変更後の設定画面のスクリーンショットに撮ってLINEで送っておくと、次に同じトラブルが起きたとき相手が自分で対処できるようになります。筆者は母のサポートのたびにこれをやっていて、最近は母が「この前のスクショ見ながら自分でやってみた」と報告してくれるようになりました。
通知の内容に注意。画面共有中はLINEやメールの通知バナーも相手に見えます。見られたくない通知がある場合は、共有を始める前にiPhoneの集中モードをオンにしておくか、「設定」→「通知」→「プレビューを表示」を「ロック時」に変更しておくと安心です。
うまくいかないときの確認ポイント
「ボタンが見つからない」「共有が始まらない」というケースもあります。焦らなくて大丈夫です。
共有ボタンが表示されない:「設定」→「FaceTime」→「SharePlay」(シェアプレイ。FaceTime中にコンテンツを共有する機能のこと)がオンになっているか確認してください。オフだと画面共有のボタン自体が出ません。
リモート操作の手のアイコンが出ない:自分と相手、両方のiOSバージョンが18以上であることを確認してください。片方でもiOS 17以前だとリモート操作は使えません。その場合は画面共有で相手の画面を見ながら口頭案内に切り替えましょう。
映像が荒い・カクつく:Wi-Fiの電波が弱いと映像が不安定になります。母のサポート中にカクついたときは、「ルーターの近くに移動してみて」の一声で改善しました。それでも直らない場合は、ビデオ通話をオフにして音声通話+画面共有だけにすると、通信量が減って安定することがあります。
もしiOS 18未満で画面共有だけでは解決が難しい場合は、FaceTimeのビデオ通話に切り替えて相手にiPhoneのカメラで画面を映してもらう方法もあります。画角がブレるので画面共有ほど快適ではありませんが、緊急時の代替手段として覚えておいてください。
FAQ
画面共有中に相手の画面のスクリーンショットは撮れる?
はい、撮れます。相手の画面が自分のiPhoneに表示されている状態でスクリーンショットを撮ると、その画面を画像として保存できます。手順の記録や、後で設定を振り返るときに便利です。
AndroidのスマホともFaceTimeで画面共有できる?
FaceTimeの画面共有はApple製デバイス(iPhone・iPad・Mac)同士でのみ利用できます。Android端末との画面共有が必要な場合は、LINEのビデオ通話中に使える画面シェア機能や、Googleの「クイック共有」を検討してみてください。
リモート操作中にパスワードやApple IDの情報は相手に見える?
パスワード入力画面では入力内容が「●●●」と伏せ字で表示されるため、リモート操作中でもパスワードの中身は見えません。ただし、どのアプリやWebサイトにログインしているかは画面に映るため、信頼できる相手とだけ使うようにしてください。Apple公式サポートでも、連絡先に保存している信頼できる人のみにリモート操作を許可するよう案内しています。
画面共有するとバッテリーの減りは早くなる?
通常のFaceTime通話よりもバッテリー消費は大きくなります。画面の映像データを送信し続けるためです。サポートが長引きそうなら、充電ケーブルを繋いだ状態で進めるのがおすすめです。
参考文献
- Request or give remote control in a FaceTime call on iPhone — Apple Support
- Manage Screen Sharing and Screen Control in FaceTime — Apple Support
- How Much Data does Facetime Use? And How to Reduce It — Firsty, 2026






