週末のビデオ通話で母のiPhoneをリモートサポートしていたら、病院の領収書の金額をメモ帳に手入力しているのが見えました。「写真撮ってLINEで送りたいんだけど、金額だけ打つのが面倒で」と。ライブテキストを教えたら、カメラを領収書にかざした瞬間に文字が認識されて、母は「え、写真も撮らなくていいの?」と驚いていました。

この機能、2021年のiOS 15から使えるのに、知名度がかなり低い。夫に「ライブテキストって知ってる?」と聞いたら「なにそれ」と返されました。知っていれば手入力の時間がぐっと減るので、ぜひ試してみてください。

ライブテキストとは?カメラが文字を自動で認識する機能

ライブテキスト(英語名: Live Text)は、iPhoneのカメラや写真アプリが画像に映っている文字を自動で認識して、選択・コピー・翻訳・検索できるようにする機能です。Appleの公式サポートページでは「テキスト認識表示」とも呼ばれています。

追加のアプリは不要です。iPhoneの標準カメラと写真アプリだけで使えます。日本語・英語はもちろん、中国語・韓国語・フランス語・ドイツ語など多数の言語に対応しています。

使えるのはiPhone XS以降のモデル(A12 Bionicチップ搭載)で、iOSは15以降が必要です。2026年7月時点で販売されているiPhoneであれば、ほぼすべて対応しています。

カメラを文字にかざしてコピーする手順

まだ撮影していない紙の書類やレシートから文字を読み取りたい場合は、カメラアプリを使います。

  1. 「カメラ」アプリを開く
  2. 読み取りたい文字にカメラを向ける
  3. 画面右下に表示されるテキスト認識アイコン(四角の中に線が3本入ったマーク)をタップ
  4. 認識された文字が黄色い枠でハイライトされる
  5. コピーしたい部分を指で選択して「コピー」をタップ

コピーした文字はそのままLINEやメモ帳にペーストできます。シャッターを押して写真を撮る必要すらありません。

もしテキスト認識アイコンが出てこない場合は、「設定」→「一般」→「言語と地域」→「テキスト認識表示」がオンになっているか確認してみてください。ここがオフだと機能自体が無効になっています。

撮影済みの写真やスクリーンショットの文字を読み取る

すでに撮った写真の中の文字も同じようにコピーできます。

  1. 「写真」アプリで対象の写真を開く
  2. 写真内の文字部分を長押しする
  3. 文字が選択状態になるので、範囲を調整する
  4. 「コピー」「すべてを選択」「翻訳」「検索」などのメニューが表示される

長押しが反応しない場合は、画面右下のテキスト認識アイコンをタップしてから試してみてください。写真に写っている文字が小さすぎたり、手書きで読みにくかったりすると認識精度が下がることがあります。印刷された文字であれば、ほぼ正確に読み取れます。

iOS 16以降では、動画の一時停止画面からも文字を認識できます。料理動画のレシピを一時停止して材料をコピー、なんて使い方もできます。

文字の読み取り以外にも使える便利な機能

ライブテキストが認識した内容によって、コピー以外のアクションも自動で提案されます。

  • 電話番号が認識されると「発信」ボタンが出る。紙の名刺をカメラにかざすだけで電話できる
  • メールアドレスが認識されるとメール作成画面に飛べる
  • 住所が認識されるとマップアプリが開く。チラシに書いてあるお店の場所をすぐ調べられる
  • URLが認識されるとSafariでそのページを開ける
  • 外国語のテキストは「翻訳」を選ぶとその場で日本語に翻訳される

母に名刺を見せて「カメラかざして電話番号タップするだけで電話できるよ」と教えたら、「え、電話帳に登録しなくていいの?」と驚いていました。一度使い方を覚えてからは、病院の診察券や薬局の電話番号を読み取るのに活用しているそうです。

文字が認識されないときに試すこと

紙にカメラを向けても反応しないことがあります。焦らなくて大丈夫です。次の点を確認してみてください。

  • 明るさ: 暗い場所では認識しにくくなります。照明の下か窓際に移動するだけで改善することが多いです
  • 距離と角度: 近すぎるとピントが合いません。20cm〜30cmくらいの距離で、紙に対して真正面から向けるのがコツです
  • 手書き文字: 印刷文字に比べて認識精度が大きく下がります。崩し字や筆記体はほとんど読めないこともあります
  • テキスト認識表示の設定: 「設定」→「一般」→「言語と地域」→「テキスト認識表示」がオフだと機能が動きません
  • 対応機種: iPhone X以前のモデルでは利用できません

認識結果は完璧ではないので、コピーしたあとに誤字がないか目で確認する習慣をつけておくと安心です。特に数字の「0」と英字の「O」、数字の「1」と英字の「l」は間違いやすいポイントです。

FAQ

ライブテキストで読み取った文字はAppleに送信されますか?

いいえ。Appleの公式説明によると、テキスト認識処理はiPhone本体の中だけで完結しています。インターネット接続がない状態でも動作するため、文字データが外部に送信されることはありません。

Androidスマホにも同じ機能はありますか?

はい。Google Pixel シリーズやGalaxyなどでは「Googleレンズ」が同様の機能を提供しています。カメラアプリから「Googleレンズ」モードに切り替えるか、Googleアプリのレンズアイコンから使えます。

縦書きの日本語も認識できますか?

認識できる場合がありますが、横書きに比べると精度が落ちる傾向にあります。新聞や小説の縦書きページよりも、看板や案内板に書かれた大きな縦書き文字のほうが読み取りやすいです。

ライブテキストとOCRアプリはどう使い分ければいいですか?

ちょっとした文字のコピーや電話番号の読み取りならライブテキストで十分です。大量の書類を一括でデジタル化したい場合や、PDF変換が必要な場合は、Adobe ScanやMicrosoft Lensなどの専用OCRアプリが向いています。

参考文献