母のiPadでGoogleマップを開いたら、青い点がまったく別の通りに出ていました。「地図が壊れた」と言われましたが、故障とは限りません。iPadはモデルによって位置の測り方が違い、それが原因のことが多いのです。
現在地がずれるときの見分け方と、位置を少しでも正確にする設定を順に確認します。2026年10月時点の情報です。
まず確認したいのは「Wi-Fiモデル」か「Wi-Fi + Cellularモデル」か
iPadには、Wi-Fiだけで使うモデルと、モバイル通信にも対応した「Wi-Fi + Cellular」モデルの2種類があります。位置情報の測り方は、この2つで大きく違います。
Appleの公式仕様ページ(iPad 第10世代)を見ると、位置情報の欄には次のように書かれています。
- 全モデル共通:デジタルコンパス、Wi-Fi、iBeaconマイクロロケーション
- Wi-Fi + Cellularモデルのみ:GPS/GNSS、モバイル通信
つまり、Wi-FiモデルにはGPS(人工衛星の電波で場所を割り出す仕組み)の受信機能が載っていません。ほかの世代でも機種ごとの技術仕様に同じ区別があるので、手元のiPadが気になる方は、Appleの「技術仕様」ページで機種名を探して確かめてみてください。
自分のiPadがどちらか調べる方法
- ホーム画面で「設定」アプリを開く
- 左側のメニューを上から眺めて、「Wi-Fi」の下あたりに「モバイル通信」があるか確認する
- あれば Wi-Fi + Cellularモデル、なければWi-Fiモデルの可能性が高い
箱や背面の刻印に「Wi-Fi + Cellular」と書かれていることもあります。もし表示が違って迷う場合は、「設定」→「一般」→「情報」のモデル名から、Appleの仕様ページで調べると確実です。
なぜWi-Fiモデルだと現在地がずれるのか
GPSがないiPadは、近くのWi-Fiの情報から「たぶんこのあたり」と推定します。Appleのサポートページによると、デバイスは周囲のWi-Fiや基地局の位置情報を匿名化したうえでAppleに送り、位置の目安として使う仕組みがあるとされています。
この方法は、Wi-Fiが密集している駅前やオフィス街では意外とよく当たります。反対に、住宅街や郊外、建物の少ない場所では手がかりが少なくなり、青い点が数百メートル離れた場所に出ることもあります。
地図の青い点のまわりに水色の円が出ているときは、それが「誤差の範囲」です。円が大きいほど、iPad自身も自信がない状態になります。Googleマップのヘルプも、水色の円が小さいほど測位精度が高いと説明しています。
Wi-Fiモデルで「外を歩いているのに位置が少し遅れて動く」「違う通りに出る」のは、故障ではなく仕組み上の限界です。
Wi-Fiモデルでも位置を良くしやすくする設定
GPSそのものは足せませんが、手がかりを増やす設定はあります。上から順番に進めていきましょう。
位置情報サービスとGoogleマップの許可を確認する
- 「設定」アプリを開く
- 「プライバシーとセキュリティ」をタップ
- 「位置情報サービス」をタップして、いちばん上のスイッチがオンか確認する
- 一覧から「Google Maps」を探して開く
- 「このAppの使用中は許可」を選び、「正確な位置情報」もオンにする
「正確な位置情報」がオフだと、アプリには大まかな範囲しか伝わりません。ここがオフになっているだけで、数キロ単位でずれたように見えることがあります。
もし「Google Maps」が一覧に見当たらない場合は、アプリをまだ一度も開いていないか、位置情報の許可を求められたときに断っている可能性があります。いったんGoogleマップを開き直してみてください。
Wi-Fiをオンにして、日付と時刻を自動にする
Wi-Fiモデルは、Wi-Fiが位置推定の主な手がかりです。外でインターネットにつながっていなくても、Wi-Fi自体はオンにしておいたほうが位置の手がかりが増えます。
Appleのサポートページでは、GPSの精度を保つために日付と時刻を正しく設定することも勧められています。「設定」→「一般」→「日付と時刻」で「自動設定」がオンになっているか見ておきましょう。
コンパスの調整が出たら従う
地図の向きがずれて表示されるときは、コンパスの校正が必要な場合があります。画面に調整を求める表示が出たら、iPadを持って空中で大きく8の字を描くように動かしてみてください。
窓際や屋外で数十秒待つ
建物の奥や地下では、Wi-Fiも衛星も位置がつかみにくくなります。窓際や屋外に出て、少し待ってから現在地ボタンをタップし直すと、水色の円が小さくなることがあります。
ただしこの結果は、使っている場所や周囲のWi-Fiの数に左右されます。環境によっては、ここまでやっても改善が小さいことがあります。
Wi-Fi + Cellularモデルでずれるときの見直しポイント
GPSを積んでいるモデルなのにずれる場合は、設定や環境が原因のことが多くなります。
- 上の「位置情報サービス」と「正確な位置情報」の設定を同じように確認する
- ケースの金属パーツやマグネットが、受信の邪魔をしていないか見る
- 高いビルの間や屋内駐車場を避け、空が見える場所で試す
- iPadを再起動してから、もう一度Googleマップを開く
再起動は地味ですが、位置情報まわりの一時的な不具合が直ることがあります。
それでもずれるなら、アプリを最新版に更新してから様子を見てください。
外で道案内に使うなら、割り切りも大切です
Wi-Fiモデルのままで外を歩きながらナビに使うのは、そもそも得意な使い方ではありません。母のiPadも、リビングで行き先を調べる用途がほとんどなので、家で目的地を決めて、外ではiPhoneに任せる使い分けにしました。
外でも頻繁に使いたい場合は、次の選択肢があります。
- 道案内はiPhoneを使い、iPadは地図を大きな画面で下調べするのに使う
- Bluetooth接続の外付けGPS受信機を併用する(対応するアプリや機種は事前に確認してください)
- 買い替えのタイミングで、Wi-Fi + Cellularモデルを選ぶ
価格は機種やタイミングで変わるので、購入前にAppleストアで両モデルの値段を見比べてみてください。使い方に合わせて選べば大丈夫です。
FAQ
iPadのWi-Fiモデルにはまったく位置情報の機能がないのですか?
まったくないわけではありません。Appleの仕様ではWi-Fiとデジタルコンパスを使った位置推定に対応しています。ただしGPS/GNSSはWi-Fi + Cellularモデルのみの記載なので、精度には限りがあります。
iPhoneでは正しく出るのに、iPadだけずれるのはなぜですか?
iPhoneにはGPS/GNSSが載っているためです。同じ場所でも、衛星の電波で測る機種と、Wi-Fiの情報で推定する機種とでは、結果に差が出ることがあります。
位置情報サービスをオフにしたままでも地図は使えますか?
地図の表示や検索は使えますが、現在地を使った案内はできなくなります。Appleのサポートによれば、位置情報サービスをオフにするとアプリは位置情報を使えなくなります。
設定を直してもずれが残るときは?
Wi-Fiモデルの場合、仕組み上の限界の可能性が高くなります。外ではiPhoneを使うか、Wi-Fi + Cellularモデルへの買い替えを考えてみてください。
参考文献
- iPad(第10世代)技術仕様 — Apple, 2026年10月確認
- iOS/iPadOS/watchOSのプライバシーと位置情報サービスについて — Appleサポート
- Googleマップで現在地を表示する — Googleマップ ヘルプ
- Google マップ - App Store — Apple






