「機種変更したいけど、eSIMの移行ってどうやるの?」「クイック転送を試したら『非対応のSIMです』と出てしまった」——こんな状況で焦っている方、まずは安心してください。eSIMの移行は、手順さえ押さえれば10分ほどで終わります。

2026年に発売されたiPhone 17シリーズは、日本向けモデルで物理SIMカードスロットが廃止されました。つまりiPhone 17への機種変更ではeSIMの移行が必須になります。この記事では、Appleの「eSIMクイック転送」の正しい手順と、転送がうまくいかないときの原因・対処法を順番に整理していきます。

eSIMクイック転送って何?——SIMカードを差し替えなくても電話番号を移せる機能

eSIM(イーシム)は、端末にあらかじめ組み込まれた「デジタルSIM」のことです。物理的なカードを差し替える必要がなく、通信事業者のプロファイル(契約情報のようなもの)をダウンロードするだけで回線が使えるようになります。

「eSIMクイック転送」は、古いiPhoneから新しいiPhoneへ、このプロファイルをBluetoothやiCloud経由で直接移す機能です。Apple公式サポートページによると、iPhone XS以降の機種で利用できます。

先日、実家の母のiPhoneを機種変更したとき、まさにこのeSIMクイック転送を使いました。母は「SIMカードが入ってないのに電話できるの?」と不思議そうでしたが、横について一緒に操作したら10分ほどで完了。目に見えないぶんシニア世代には伝わりにくいのですが、手順を知っていれば意外と簡単です。

eSIMクイック転送の手順——新旧iPhoneを並べて進めるだけ

操作を始める前に、3つだけ確認しておいてください。

  • 両方のiPhoneがiOS 16以上であること(2026年5月時点の最新はiOS 18.5。できる限り最新版にアップデートしておくのがおすすめです)
  • 両方のiPhoneでBluetoothがオンになっていること
  • 同じApple IDでサインインし、2ファクタ認証(本人確認の二重ロック)もオンにしておくこと

準備ができたら、順番に進めていきましょう。

  1. 新しいiPhoneの電源を入れて、初期設定の「こんにちは」画面まで進める
  2. 古いiPhoneを新しいiPhoneのすぐ隣に置く——すると古いiPhoneに「新しいiPhoneを設定」という画面が出るので「続ける」をタップ
  3. 新しいiPhoneに表示される青い模様を、古いiPhoneのカメラで読み取る
  4. データ転送の途中で「モバイル通信プランを転送」の画面が表示されたら、移したい電話番号を選んでタップ
  5. 古いiPhone側に「転送を承認しますか?」と出るので、サイドボタンをダブルクリックして承認
  6. 新しいiPhoneで回線が有効化されるまで数分待つ

これで完了です。新しいiPhoneの画面左上にキャリア名と電波のアンテナマークが表示されていれば、無事に転送できています。

もし初期設定の途中で転送画面が出なかった場合でも、あとから「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」→「近くのiPhoneから転送」で同じ操作ができます。焦らなくて大丈夫です。

「非対応のSIMです」「転送できない」——よくある原因5つと対処法

手順どおりに進めたのにうまくいかないこともあります。エラーが出たときに確認してほしいポイントを5つまとめました。

原因1:iOSのバージョンが古い

eSIMクイック転送にはiOS 16以上が必要です。NTTドコモの公式ページではiOS 16.4以上と案内されています。古いiPhoneのiOSが16.3以前のままだと「非対応のSIMです」と表示されることがあるので、「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」で最新版に更新してみてください。

原因2:SIMロックが解除されていない

2021年10月より前に購入したiPhoneには、SIMロック(特定のキャリアでしか使えない制限)がかかっている場合があります。ロック解除されていないとeSIMの転送はできません。各キャリアのマイページ(My docomo・My au・My SoftBank)からオンラインで無料解除できます。

原因3:Bluetoothの接続がうまくいっていない

クイック転送はBluetoothで通信しています。つながらないときは、まず両方のiPhoneで「設定」→「Bluetooth」をいったんオフにしてからオンに戻してください。それでもダメなら、両方のiPhoneを再起動してからやり直すと解決することが多いです。

原因4:契約しているキャリアがクイック転送に対応していない

ここが意外な落とし穴です。2026年5月時点で、eSIMクイック転送に対応しているキャリアとそうでないキャリアがあります。

区分キャリア名クイック転送
大手ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル対応
サブブランドahamo・povo・LINEMO・UQモバイル・ワイモバイル対応
格安SIMJ:COM MOBILE・BIGLOBEモバイル(au回線のみ)対応
格安SIMIIJmio・mineo・NUROモバイルなど非対応

ケータイ Watch(2025年10月)によると、クイック転送に対応しているMVNO(格安SIM事業者)はKDDI傘下の2社だけ。IIJmioやmineoを使っている場合は、クイック転送ではなく「eSIM再発行」で移行する必要があります(次のセクションで説明します)。

原因5:4Gから5G SAへの回線種別変更をともなう場合

4G契約から5G SA(スタンドアローン)契約への切り替えがセットになっていると、初期設定中の転送がブロックされることがあります。この場合は、先にデータ移行だけ済ませてから、あとで「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」で転送をやり直してみてください。

クイック転送が使えないときの代替手段——「eSIM再発行」で移行する方法

契約しているキャリアがクイック転送に非対応だったり、何度やってもエラーが出るときは、eSIM再発行(プロファイルの再ダウンロード)で対応できます。

主なキャリアの手続き方法と手数料をまとめました(2026年5月時点)。

キャリア手続き場所手数料
ドコモドコモオンラインショップ無料
auMy au無料
ソフトバンクMy SoftBank無料
楽天モバイルmy 楽天モバイルアプリ無料
IIJmio会員専用ページ220〜433.4円
mineoマイページ440円

大手4キャリアはオンライン手続きで無料。格安SIMだと数百円の手数料がかかりますが、店舗に出向く必要はありません。

再発行の流れはどのキャリアもほぼ同じです。

  1. 各キャリアのマイページまたはアプリで「eSIM再発行」を申請する
  2. 画面に表示されるQRコードを、新しいiPhoneの「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」→「QRコードを使用」で読み取る
  3. プロファイルがダウンロードされ、回線が有効化される

フリーランス仲間とZoomしていたとき、「格安SIMなのにクイック転送できなくて焦った」という話題が出たことがあります。結局その仲間も、キャリアのマイページからeSIM再発行を申し込んでQRコードを読み取るだけで済んだそうです。クイック転送が使えなくても別の方法で移行できるので、どうか心配しないでください。

機種変更前にやっておくと安心な3つのこと

eSIMの転送自体は簡単ですが、機種変更の全体をスムーズに進めるために、事前に確認しておくとよいポイントが3つあります。

1. LINEのトーク履歴をバックアップしておく。eSIMの移行とLINEの引き継ぎは別の作業です。LINEの「設定」→「トークのバックアップ」で最新のバックアップを取ってから機種変更してください。

2. Apple IDのパスワードを確認しておく。初期設定でApple IDへのサインインを求められます。パスワードを忘れていると、そこで止まってしまいます。

3. 古いiPhoneのiOSを最新にアップデートしておく。これだけでクイック転送のエラーを大幅に減らすことができます。

FAQ

eSIMクイック転送をしたら、古いiPhoneの回線はどうなりますか?

転送が完了すると、古いiPhone側のeSIMは自動的に無効化されます。1つの電話番号を2台で同時に使うことはできない仕組みです。古いiPhoneはWi-Fi接続のみで引き続き使えます。

物理SIMカードからeSIMへの変換もクイック転送でできますか?

はい、できます。古いiPhoneに物理SIMが入っている場合でも、対応キャリアであれば新しいiPhoneへeSIMとして転送することができます。

iPhoneからAndroidへeSIMを移行できますか?

eSIMクイック転送はiPhone同士(またはiPadとの間)専用の機能です。Androidへ機種変更する場合は、各キャリアのマイページからeSIM再発行を行い、新しい端末でQRコードを読み取って設定してください。

iPhone 17には物理SIMスロットがないって本当ですか?

はい。2026年発売のiPhone 17シリーズ(日本向けモデル)は物理SIMカードスロットが廃止され、eSIM専用です。iPhone 17への機種変更では、eSIMクイック転送またはeSIM再発行での移行が必要になります。

格安SIMでeSIMクイック転送ができないのはなぜですか?

eSIMクイック転送にはキャリア側のシステム対応が必要で、2026年5月時点ではほとんどのMVNO(格安SIM事業者)がこの対応を完了していません。対応しているのはJ:COM MOBILEとBIGLOBEモバイル(au回線のみ)だけです。非対応の格安SIMでは、eSIM再発行で移行してください。

参考文献