パソコンを使っていると、急にファンが「ブォーン」と爆音で回りだしたり、ずっと回りっぱなしで止まらなかったり……。「壊れた?」と焦る人も多いですよね。

筆者は自作PCを20年以上いじっていて、工房(自宅の一室)にPCが7台あるんですが、ファンの騒音トラブルは何度も経験しています。以前、自作機のGPUが負荷時に95度近辺まで上がって、サーマルスロットリングでベンチが伸びなくなったことがありました。分解してグリスとサーマルパッドを全交換したら、アイドル温度が15度も下がったんです。つまり、ファンが全力で回るのは「PC内部が熱い」というSOSサインなんですよね。

この記事では、2026年4月時点の情報をもとに、パソコンのファンがうるさくなる原因6つと、自分でできる静音化の対処法をわかりやすく解説します。ノートPCでもデスクトップでも使えるので、ぜひ試してみてください。

原因1:ホコリが溜まって排熱できていない

ファンがうるさい原因でいちばん多いのが、吸排気口やファンにホコリが詰まっているケースです。ホコリが溜まると空気の流れが悪くなり、内部に熱がこもります。PCは温度が上がると自動的にファンの回転数を上げるので、「急にうるさくなった」の正体がホコリだった……ということが非常に多いです。

対処法:

  • 電源を切り、コンセントも抜いた状態で吸排気口のホコリをエアダスター(缶スプレータイプ)で飛ばす
  • ノートPCの場合、底面の通気口が塞がっていないか確認する。布団やソファの上で使うと熱がこもりやすい
  • デスクトップの場合、側面パネルを開けてファンやヒートシンクに溜まったホコリを除去する
  • 掃除の目安は3〜6か月に1回。ペットを飼っている家庭はもっと頻繁に

掃除して直ることもある——これは冗談じゃなく、ファン騒音の半分くらいはホコリ掃除で解決します。

原因2:CPUやGPUに高負荷がかかっている

動画編集、3Dゲーム、大量のブラウザタブ、Zoomを開きながらExcelとChromeを同時に……。こうした使い方をするとCPUやGPUの使用率が跳ね上がり、発熱→ファン全開になります。

対処法:

  • タスクマネージャーで犯人を特定するCtrl + Shift + Escでタスクマネージャーを開き、「CPU」列をクリックして使用率が高いプロセスを確認する
  • 使っていないアプリやブラウザのタブを閉じる
  • Windows Updateがバックグラウンドで走っていることも多い。設定 → Windows Updateで更新状況を確認する
  • ウイルス対策ソフトのフルスキャンが裏で動いている場合もある

タスクマネージャーの「プロセス」タブでCPU使用率が常に40〜100%のプログラムがあれば、それがファン爆音の犯人です。

原因3:電源プランが「高パフォーマンス」になっている

Windows 11では電源モードの設定によって、CPUの動作が大きく変わります。「最も高いパフォーマンス」に設定していると、CPUが常にフルスピードで動くので発熱しやすくなります。

対処法:

  1. 設定システム電源とバッテリーを開く
  2. 「電源モード」を「おすすめ」または「トップクラスの電力効率」に変更する
  3. ノートPCの場合、ACアダプター接続時と バッテリー駆動時で別々に設定できる

これだけでCPUの動作クロックが抑えられ、発熱もファン回転数もぐっと下がります。ゲームや動画編集をしないときは「おすすめ」で十分です。Microsoft公式サポートでも電源設定の変更を推奨しています。

原因4:グリス(サーマルペースト)が劣化している

パソコンのCPUとヒートシンク(冷却器)の間には、熱を効率よく伝えるための「グリス(サーマルペースト)」が塗られています。これが3〜5年で乾燥・劣化して、熱がうまく伝わらなくなると、CPU温度が上がり、ファンが全力回転します。

対処法:

  • デスクトップPCの場合:CPUクーラーを外し、古いグリスをイソプロピルアルコール(IPA)と不織布で拭き取り、新しいグリスを米粒大ほど塗り直す。グリスは1,000円前後で買える
  • ノートPCの場合:分解が難しいので、自信がなければメーカーや修理業者に依頼するのが安全
  • 購入から5年以上経っているPCは、グリスの劣化を疑ってみる価値あり

筆者も以前、自作機のGPU温度が95度に達したとき、グリス塗り直しでアイドル42度まで戻した経験があります。分解前に必ず同条件でベンチマークを回して「温度の記録」を取っておくのがポイントです。ビフォー・アフターの数値がないと、本当に効果があったのか判断できませんからね。

原因5:BIOSのファン制御設定がおかしい

パソコンのファンの回転速度は、BIOS(UEFI)で制御されています。BIOSアップデートの後にファンが爆音になった、というケースも報告されています(HP Support Community)。

対処法:

  1. PCを再起動し、起動時にF2またはDelキーでBIOS画面に入る(メーカーによってキーが違うので、起動画面の表示を確認)
  2. 「Fan Control」や「Hardware Monitor」などの項目を探す
  3. ファンモードが「Full Speed(全速)」になっていたら「Auto」や「Silent」に変更する
  4. 設定を保存して再起動

正直、15年やっててもBIOSのファンカーブ設定は毎回ググります。マザーボードのメーカーや世代によってメニューの場所が違うので、自分のマザーボードの型番+「fan control BIOS」で検索するのがいちばん確実です。ファンカーブの設定ガイド(英語)も参考になります。

原因6:ファン自体が故障・劣化している

「カラカラ」「ジジジ」「カタカタ」といった異音がする場合は、ファンのベアリング(軸受け)が摩耗している可能性があります。この場合は掃除や設定変更では直りません。

対処法:

  • 異音の種類で判断する
    • 「ブーン」→ 高回転による風切り音(正常だが負荷が高い状態)
    • 「カラカラ・カタカタ」→ ファンの軸ブレや異物混入。ファン交換を検討
    • 「ジジジ・ギギギ」→ ベアリングの摩耗。交換時期
  • デスクトップPCの場合:ケースファンやCPUファンは自分で交換できる。サイズ(一般的には120mm)と端子(3ピンor4ピンPWM)を確認して、同じ規格のファンを購入する。1,000〜3,000円程度
  • ノートPCの場合:内蔵ファンの交換は分解が必要。メーカー修理に出すのが安全。保証期間内なら無料で交換してもらえる場合もある

今すぐ試せるチェックリスト

ファンがうるさいときに、上から順番に確認していくのがおすすめです。

  1. 通気口が塞がっていないか確認(ノートPCを布団の上で使っていない?)
  2. タスクマネージャーでCPU使用率を確認Ctrl + Shift + Esc
  3. 電源モードを「おすすめ」に変更
  4. 吸排気口をエアダスターで掃除
  5. 常駐アプリ・スタートアップを整理設定 → アプリ → スタートアップでオフにする)
  6. それでもダメなら、グリス塗り直し or 修理を検討

FAQ

パソコンのファンが常に回っているのは異常ですか?

軽い回転音が常にしているのは正常です。CPUやGPUは使っていないときでもわずかに発熱するので、ファンが低速で回り続けるのは仕様です。ただし、負荷がないのにファンが全速で回り続ける場合は、ホコリ詰まり・電源設定・グリス劣化のいずれかを疑いましょう。

ファンの音を完全に無音にすることはできますか?

完全に無音にするのは難しいですが、ファンレス(ファンなし)のPCやノートPCクーラースタンドを使うことで大幅に静かにできます。デスクトップPCなら、BIOSのファンカーブを調整して「低温時はファン停止」に設定できるマザーボードもあります。

ノートPCの冷却台(クーラーパッド)は効果ありますか?

効果はあります。冷却台を使うとノートPC底面の温度が5〜10度ほど下がり、内蔵ファンの回転数も抑えられます。ただし根本的な解決(ホコリ掃除やグリス塗り替え)の代わりにはなりません。あくまで補助的な対策と考えましょう。

フリーソフトでファンの回転数を調整しても大丈夫ですか?

「SpeedFan」や「FanControl」などのフリーソフトで回転数を手動設定できますが、回転数を下げすぎるとCPU温度が危険な領域まで上がるリスクがあります。必ずCPU温度をモニタリングしながら調整し、80度を超えないようにしましょう。自信がなければBIOSの「Auto」設定に任せるのが安全です。

ファンの交換費用はいくらくらいかかりますか?

デスクトップPCのケースファンやCPUファンなら1,000〜3,000円程度で自分で交換できます。ノートPCの場合はメーカー修理で5,000〜15,000円が目安です(2026年4月時点)。保証期間内であれば無料になるケースもあるので、まずはメーカーに問い合わせましょう。

参考文献