夫の出社日が週4に増えた3月、リビングのダイニングテーブルで仕事をしていた私は、目の前のシンクに積まれた食器が気になって仕方なかった。午前中だけで3回、席を立って洗い物に手を出してしまい、ストップウォッチで計ったら合計28分を家事に使っていた。

個室がない。でも、リビングで仕事をするなら「ここは仕事の場所」と自分にも家族にも伝わる仕組みが要る。我が家では3つの工夫を組み合わせて、予算2,000円以下で集中できるワークスペースを作った。

デスクを壁向きに配置して「家事の視界」を消す

最初にやったのが、デスクの向きを変えること。それまでリビングの中央に向けて座っていたのを、壁に向かう配置にした。背中側にキッチンとリビングが来るレイアウトです。

たったこれだけで、シンクの洗い物もソファの散らかりも視界に入らなくなった。人間は見えてしまうと気になる生き物だから、見えなくする物理的な遮断がいちばん確実です。

うちはさらに、突っ張り棒と布で簡易パーティションを追加した。100均の突っ張り棒(2本で220円)に手持ちの布をかけただけ。完全な個室にはならないけれど、視界の7割がカットされるだけで、仕事中に「あ、あれもやらなきゃ」と思う回数が激減します。

コクヨマーケティングの調査でも、テレワークで個室がない場合に「デスクの向きを変える」「パーティションで仕切る」が有効な対策として挙げられています。大掛かりなリフォームは不要で、デスクを90度回すだけでも効果はあります。

3COINSの550円ケーブルトレーで床の配線を消す

次に手をつけたのが、デスク周りの配線。電源タップ、スマホの充電器、USBハブが床に散乱していて、見た目が「仕事場」というより「物置」だった。

1歳の次男がケーブルを引っ張る安全面の問題もあった。

3COINSで見つけたクランプ式ケーブルトレー(550円)をデスク天板の裏に取り付けて、電源タップごと持ち上げた。充電ケーブルはマグネット式に変えてデスク脚に吸着させている。これで床からケーブルが完全に消えた。

所要時間は取り付けに10分。ドライバーも要らない。550円でこの効果なら、もっと早くやればよかったというのが正直な感想です。床にケーブルがないと掃除機もロボット掃除機も引っかからなくなって、家事面でもメリットがある。

デスク下にグレーのラグを敷いて「仕事エリア」を可視化する

3つ目の仕上げが、デスクの足元に70cm×100cmのグレーのラグを敷くこと。リビングのフローリングと色が違うだけで、「ここからここまでが仕事のスペース」と視覚的に線引きができる。

これが想定以上に効いたのは、年中の長男への効果だった。敷いて3日目に長男が「ママ、グレーの上だね」と言い出して、ラグの上にいるときは話しかけないルールを自分で理解してくれた。言葉で「今は仕事中だよ」と言い聞かせるより、床の色が変わっている視覚情報のほうが子どもには伝わりやすいようです。

自分自身のスイッチにもなっている。朝、フェイク通勤から帰ってきてラグの上に座った瞬間に「ここから仕事だ」と切り替わる感覚がある。総務省の令和7年版情報通信白書によれば、テレワーク実施者の約44%がリビングで仕事をしているというデータがあるので、同じ悩みを抱えている人は少なくないはずです。

終業後の「3分リセット」で仕事の痕跡をリビングから消す

ワークスペースを作ったら、片付ける仕組みもセットで用意する。うちでは終業時に「3分リセット」をやっています。

やることは3つだけ。PCを閉じてカラーボックスに立てる、ケーブル類をトレーに戻す、デスク上の書類やメモを引き出しに入れる。タイマーで測ったら実際2分40秒で終わる。

リビング兼用のワークスペースは、リセットの仕組みがないと家族にストレスを与えます。夕食時にデスクの上にPCとメモが散乱していたら、夫や子どもにとっては「まだ仕事してるの?」という無言のプレッシャーになる。

夫に渡したら案外うまくいった。夫がリビングで副業の作業をした後も、同じ要領で片付けてくれるようになって、夕食後のリビングから仕事の痕跡が消えるサイクルが回り始めた。

予算と所要時間のまとめ

我が家で実際にかかった費用と時間をまとめておきます。

  • デスクの壁向き配置変更:0円(移動するだけ)、所要時間15分
  • 突っ張り棒パーティション:220円(100均)、所要時間10分
  • 3COINSケーブルトレー:550円、所要時間10分
  • マグネット式充電ケーブル:約800円(Amazonで購入)、所要時間5分
  • グレーのラグ(70×100cm):約1,500円(ニトリ)、設置1分

合計で約3,000円、作業時間は全部合わせても40分程度。全部やる必要はありません。デスクの向きを変えるだけでも効果を実感できるので、まずはそこから試してみてください。

うちの場合はこの3つの組み合わせで仕事中の家事中断が週3.5時間から30分以下に減ったけれど、住環境や家族構成で効果は変わります。子どもがいない家庭ならラグのゾーニングは不要かもしれないし、一人暮らしなら3分リセットも省略していい。自分の環境で刺さるものだけ取り入れればそれで十分です。

FAQ

賃貸でもデスクの配置変更やパーティション設置はできる?

壁向き配置はデスクを移動するだけなので問題ありません。突っ張り棒のパーティションも壁や天井に穴を開けないタイプを使えば原状回復に影響しません。うちも賃貸ですが、退去時に跡が残らない方法だけで構築しています。

ケーブルトレーはどんなデスクにも取り付けられる?

クランプ式は天板の厚さ1.5〜4cm程度に対応しているものが多いです。3COINSのトレーは天板裏にネジ止めするタイプもあるので、デスクの構造に合わせて選んでください。天板が薄すぎるテーブル(折りたたみ式など)は対応外のことがあります。

子どもが小さくてラグを汚しそうだけど大丈夫?

洗えるタイプのラグ(ニトリの「Nウォッシュ」シリーズなど)を選べば汚れても洗濯機で丸洗いできます。うちも次男がお茶をこぼしたことがありますが、洗って乾かすだけで問題なく使えています。

壁向きにすると圧迫感が出ないか心配

デスクの前の壁に何も貼らず白い壁のままにしておくと圧迫感は軽減されます。視線の先に小さい観葉植物を1つ置くだけでも印象が変わります。うちはデスク幅と同じ80cmの壁面だけ使っているので、圧迫感はほぼ感じません。

参考文献