次男が1歳で保育園に入った4月、最初の2週間で3回「お熱が37.5度を超えました、お迎えお願いします」のコールが来ました。

在宅勤務だから対応できるはず、と思っていたのに、実際に電話を受けると頭が真っ白になる。さっきまで書いていた資料のどこまで終わったのか、午後の打ち合わせは誰に引き継ぐのか。バタバタと保育園に向かって、夕方に仕事を再開しようとしたら「何やってたっけ」状態。結局その日の進捗はほぼゼロでした。

withwork Magazineの調査によると、入園から半年以内に78%の親が「月1回以上」のお迎え呼び出しを経験しています。0〜1歳児クラスは年間10〜30日の病欠が平均的とされていて、月に2〜3回の呼び出しは珍しくありません。在宅勤務で「すぐ迎えに行ける」ぶん、園側の呼び出しハードルが下がっている面もあります。

我が家では結局、「中断メモ」と「朝の5秒シェア」という2つの仕組みに落ち着きました。電話を受けてから5分でメモを書いて中断し、夕方に15分で仕事を再開できるようになった流れを書いていきます。

お迎えコールで仕事が崩壊するパターン

保育園からの呼び出しで在宅勤務が崩れるとき、だいたい同じところでつまずきます。

まず、「どこまでやったか分からなくなる」パターン。急いでPCを閉じて迎えに行き、帰ってきたら作業の途中経過が頭から消えている。ファイルは開いたままだけど、次に何をするつもりだったのか思い出せません。再開までに30分かかることもあります。

次に、「午後の予定が全部飛ぶ」パターン。会議や締め切りを誰にも引き継がずに出てしまい、Slackに「すみません子どもの熱で」と打つのが精一杯。相手も「了解です、お大事に」としか言えず、タスクが宙に浮きます。

そして、「夫婦で押し付け合いになる」パターン。うちも最初はこれでした。電話が来た瞬間に「今日どっちが行く?」とLINEで相談するのですが、お互い「午後に会議がある」と言い合って5分ロス。保育園は「早めにお願いします」と言っているのに、夫婦の交渉が終わらない。

原因は共通しています。「突然来る」と分かっているのに、事前の段取りがゼロだった。仕組みがないから毎回パニックになっていました。

電話を受けたら5分でやる「中断メモ」

保育園から電話が来たら、迎えに出る前の5分で「中断メモ」を書きます。A4の付箋でもSlackの自分宛DMでも、スマホのメモ帳でも構いません。書く項目は3つだけです。

1. 今やっていた作業と「次の一手」
「提案書のスライド8枚目、グラフの数値を入れるところ」のように、再開したとき最初にやることを1行で書きます。「資料作成中」では粒度が粗すぎて、戻ったときに使えません。

2. 今日中に誰かに伝えるべきこと
午後の会議のキャンセル連絡、クライアントへの返信期限、チームメンバーへの確認依頼。保育園に向かう車の中でSlackを打つのは危ないので、出発前に1分で済ませます。Slackのステータスを「子の体調不良で中抜け中・戻りは○時予定」に変えておくと、個別連絡の手間が減ります。

3. 今日やらなくてもいいことの「捨てリスト」
中断メモの裏面にあたる部分。「明日でいいタスク」を書いておくと、帰宅後に「あれもこれも」と焦らずに済みます。

うちでは冷蔵庫の横のホワイトボードに中断メモのテンプレートをマグネットで貼っています。電話が来たらホワイトボードの前に立って書くだけ。デジタルでもいいのですが、帰宅後にPCを開く前に目に入る場所に物理的に貼っておくと、再開がスムーズです。

先週の大掃除で使ったホワイトボードの余白がちょうど空いていて、そこに中断メモの枠を追加しました。ホワイトボード1枚で家事も仕事も回しているので、場所が足りなくなってきたのが最近の悩みです。

この5分が惜しく感じるかもしれません。でも実際に計ってみたら、中断メモなしで再開すると思い出す作業だけで30分かかっていました。5分の投資で30分を取り戻せるなら安い買い物です。

朝イチの「5秒シェア」で迎え担当を決めておく

次男が保育園に入った当初、お迎えコールのたびに夫とLINEで「どっちが行く?」のやりとりをしていました。お互い遠慮しあって結局5分、長いときは10分かかる。

そこで始めたのが、朝の保育園送りのときに玄関で交わす「5秒シェア」です。

「今日、午前なら私が動ける。午後は会議だから夫よろしく」
「了解。午後イチだけ商談あるから、14時以降なら俺が行く」

たったこれだけ。ホワイトボードに「AM:ママ / PM:パパ」と書く日もありますが、口頭で十分なときもあります。ポイントは「動ける時間帯」を朝のうちに共有すること。コールが来てから交渉するのでは遅い。夫に渡したら案外うまくいった仕組みの1つで、2回目のコールのあと夫自身が「朝決めてあると楽だな」と言ってくれました。

どちらも動けない時間帯が被る日は、朝の段階でファミリーサポートや病児シッターの連絡先を確認しておきます。「いざというときの連絡先リスト」をスマホのメモアプリに入れておくだけで、焦りがだいぶ違います。札幌市のファミリーサポートセンターにも登録していて、年に2〜3回ですが急なお迎え代行を頼んだことがあります。

帰宅後に15分で仕事モードに戻る「再開ルーティン」

子どもを病院に連れていき、薬をもらい、家で寝かしつける。ここからが後半戦です。

いきなりPCを開くと、Slackの通知とメールの山に飲まれます。我が家の場合はこの順番で再開しています。

最初の5分:中断メモを読み返す。PCを開く前に、ホワイトボードの中断メモを見ます。「次の一手」を確認してから画面に向かうと、迷いなく手が動く。メモがなかった頃は、未読メッセージを上から全部読んで30分溶かしていました。

次の5分:Slackの未読を流し読み。全部返す必要はありません。「自分宛のメンション」だけ確認して、今日中に返すべきものだけ返します。残りは翌朝で大丈夫です。

最後の5分:今日のゴールを1つだけ決める。子どもの看病と並行する日は、フルパワーで働ける日の半分も進みません。「これだけ終わればOK」を1つ決めて、達成したらPCを閉じる。完璧を目指すと、子どもの様子を見に行くたびに集中が切れて結局何も終わりません。

中断メモの「捨てリスト」に書いたタスクは、翌日に回して問題ありません。全部やる必要はないです。やる気じゃなく仕組みで解決する、がうちの在宅勤務の基本方針なので、「看病日は1タスク完了で合格」と決めてからだいぶ楽になりました。

FAQ

お迎えコールは在宅勤務でも「早退」扱いになりますか?

会社の就業規則によります。在宅勤務中に一時離席して迎えに行き、そのあと業務を再開する場合は「中抜け」として扱う会社が増えています(2026年6月時点)。上司に事前確認しておくとコールが来たときに迷いません。

中断メモはデジタルと紙のどちらがいいですか?

どちらでも機能します。うちはホワイトボード派ですが、Slackの自分宛DMやNotionのテンプレートを使っている人もいます。帰宅後すぐ目に入る場所に置けるかどうかで選ぶのがコツです。

0歳・1歳児クラスだと月に何回くらい呼び出しがありますか?

withwork Magazineの調査では、入園半年以内の78%が月1回以上の呼び出しを経験しています。0歳児クラスは年間20〜30日の病欠が平均的で、冬季(12〜2月)と入園直後にとくに集中します。

夫婦どちらも迎えに行けない日はどうしていますか?

ファミリーサポートセンターに登録し、緊急時にお迎え代行を依頼できるようにしています。病児対応のベビーシッターサービスも併用していて、年に2〜3回の頻度ですが助かっています。

参考文献