去年のお盆、保育園が1週間休みに入った初日のこと。長男に「今日のお昼なに?」と午前中だけで5回聞かれた。そのたびにキッチンへ呼ばれて、あとから手帳にメモした分だけ足したら、午前中の中断時間は合計35分だった。

在宅勤務中に子どもがずっと家にいると、仕事と生活の境目が溶ける。保育園のお盆休みは1週間程度だけれど、小学校に上がれば夏休みは約40日続く。仕組みなしで乗り切るのは、正直しんどい。保育園のお盆休みを経験するたびに対策を足してきて、今年はこの方法で回っている。

夏休みの在宅勤務が崩壊する落とし穴

キッズラインが2024年7月に実施した調査では、子どもの長期休みに「家事負担が増える」と答えた保護者が82.9%。困りごとのトップは「子どものお昼ごはんづくり」で77.6%だった。

うちの場合、崩壊パターンは決まっていた。

  • 昼食交渉ループ: 「お昼なに?」「カレーがいい」「カレーないよ」のやり取りだけで10分消える
  • 仕事中の「ねぇママ」: Web会議中だけでなく、集中して作業しているときにも容赦なく来る
  • 生活リズムの崩壊: 保育園がない日は起床がずれて、朝のルーティンが丸ごと吹き飛ぶ

どれも「事前に仕組みを入れる」ことで防げた。意志力で頑張るのは3日が限界だった。

「前夜の昼食ボード」で翌日の「お昼なに?」をゼロにする

準備は前夜5分だけ。

寝る前にリビングのホワイトボードへ、翌日の昼食を長男と一緒に書く。「あしたはおにぎり」と長男が自分の字で書くのがポイントで、自分で書いた情報は自分で納得してくれる。翌日はボードを指さして「おにぎりだよね」と確認するだけで済んだ。お盆の1週間、昼食の交渉はほぼゼロになった。

メニューは完璧でなくていい。冷凍うどん、レトルトカレー、おにぎり+味噌汁。お盆中の昼食には手をかけないと先に決めてあって、夫にもホワイトボードに「お盆は手抜き公認」と書いて共有した。夫に渡したら案外うまくいって、コンビニ弁当の日を自分でボードに書き込むようになった。

文字がまだ書けない年齢なら、食べ物のシールや絵を貼る方法でも同じ効果がある。次男(1歳)はまだ参加できないので、長男が代筆している。

「おしごとBOX」で会議中の中断を子ども自身に任せる

100均のプラスチックBOXひとつで済む。

中身は塗り絵、シール帳、パズル、折り紙、迷路ドリルなど、ひとりで遊べるアイテムを5〜6個詰める。赤青の札(赤=話しかけないで、青=大丈夫だよ)をドアに貼る仕組みと組み合わせて、赤札を出すタイミングでBOXを渡すルールにした。

長男は「赤のときはBOXの時間」と覚えてくれた。動画に頼らなくても30〜40分は自分で過ごせるようになった。飽き防止に中身は週1回、1〜2個だけ入れ替える。全部新品でなくていい、家にあるもので十分回る。

ただし限界はある。1時間超の会議が連続する日は、BOXだけでは持たない。そういう日は夫の在宅日に合わせてスケジュール調整するか、ファミリーサポートの一時預かりを使うほうが現実的だった。使える日だけ使えばいい。

夏休み専用の「週間テンプレ」を家族会議で決める

普段は保育園のおかげで日中のスケジュールが固定されている。長期休みにそれが消えると、1日の過ごし方が毎朝の交渉事になる。

うちでは日曜夜の家族会議(5分、議題3つ)で翌週の「夏休みテンプレ」をホワイトボードに書き出している。大枠はこのくらいシンプルにした。

  • 午前(9:00〜12:00): 仕事集中タイム。長男はドリル+ひとり遊び
  • 昼(12:00〜13:00): 昼食+自由時間(昼食ボードのメニューをここで食べる)
  • 午後(13:00〜15:00): 公園・児童館・お出かけ(夫と交代 or 一緒に)
  • 夕方以降: 通常の家事タイムに合流

2025年4月施行の改正育児・介護休業法で、3歳未満の子を養育する労働者へのテレワーク措置が事業主の努力義務になった。フレックスタイム制が使える職場なら、夏休み期間だけ始業を30分早めて15時台に退勤するという調整も選択肢になる。

夫の出社日(週4)はワンオペになるので、その日はホワイトボードに「手抜き公認日」と書いてある。夕食は冷凍ストック・レトルトOK、洗い物は翌朝まとめでいい。手抜きと明記しておくことが自分への許可になると気づいたのは、去年のお盆だった。

テンプレは完璧に守らなくてよくて、水曜に1分だけ微調整する枠も入れている。ざっくり決めて途中で直すほうが、毎朝ゼロから考えるよりずっと楽。

夏休みに入る前の週末にやっておくこと

仕組みは休み中に慌てて作ると定着しにくい。始まる前の週末に準備しておくのがベスト。

おしごとBOXの中身を揃える(15分)
100均で塗り絵、シール帳、折り紙、迷路ドリルなどを5〜6個。小学生なら自由研究キットや工作セットでもいい。長男と一緒に選ぶと「自分のBOX」という意識が出て、使ってくれやすくなった。

昼食メニューの「ストック表」を作る(10分)
冷凍うどん、レトルトカレー、焼きそば、チャーハン、ホットケーキなど、子どもが選べるメニューを6〜8個リストにしてホワイトボードに貼る。前夜にそこから選ぶだけにすると、献立を考えるコストも消える。

夫婦の会議スケジュールを可視化する(5分)
Googleカレンダーやホワイトボードで、夫婦のWeb会議予定を書き出す。被る日がわかれば事前にファミサポや一時預かりの手配ができる。朝になってから「どっちが見る?」の交渉を始めると、それだけで10分のロスになる。

FAQ

「おしごとBOX」は何歳から使える?

うちでは長男が3歳のときに始めました。シール貼りや大きめのパズルなら3歳頃からひとりで遊べます。2歳以下は小さいパーツの誤飲リスクがあるので、中身の選定には気をつけてください。

昼食ボードは小学生にも効く?

小学生ならむしろ自分で献立を書いてくれるので、親の負担がさらに減ります。「水曜は自分で作る日」にしてお手伝いにつなげている家庭もあるそうです。

夫が在宅勤務ではない場合はどう乗り切る?

午前中に集中して仕事を済ませ、午後は子どもとの時間にあてるのが現実的です。自治体のファミリーサポートや一時預かりに事前登録しておくと、いざというとき1〜2時間の預かりが頼めます。

保育園児なのに夏休み対策は必要?

保育園にもお盆休みや行事での休園日があります。短期間でも仕組みがないと仕事への影響は大きいので、事前に入れておくと安心です。

参考文献