副業でコワーキングスペースやカフェを使って作業しているけど、「これって確定申告で経費にしていいの?」と悩んでいませんか?

結論から言うと、副業のための作業場所として使ったコワーキングスペース代やカフェのドリンク代は、条件を満たせば経費として計上できます。ただし、勘定科目の選び方や証拠の残し方を間違えると、税務調査で否認されるリスクもあります。

FP相談でよく聞かれるのが「カフェで作業した分のコーヒー代、全部経費でいいですよね?」という質問。気持ちはわかるのですが、実はここに落とし穴があります。この記事では、2026年4月時点の情報をもとに、副業ワーカーが知っておくべき経費計上のルールを整理しました。

コワーキングスペース代は経費になる?利用形態別の扱い

コワーキングスペースの利用料は、副業の作業場所として使っているなら基本的に経費として認められます。ポイントは「利用形態」によって勘定科目が変わること。ざっくり3パターンに分かれます。

月額契約(固定席・専用デスク)の場合は、毎月定額を支払うため「地代家賃」で処理するのが一般的です。賃貸オフィスと同じ考え方ですね。マネーフォワードの解説でも、月額契約は地代家賃が適切とされています。

ドロップイン(時間単位の利用)の場合は、「会議費」または「賃借料」が使われます。副業の打ち合わせや集中作業のために数時間だけ利用する、というパターンですね。年に数回しか使わないなら「雑費」でも問題ありませんが、月に何度も使うなら科目を統一しておきましょう。

月額会員(フリーアドレス)の場合は、専用デスクではないものの継続的に支払うため、「地代家賃」か「賃借料」のどちらかに統一するのがベターです。

カフェ代はどこまで経費にできる?認められる条件と落とし穴

副業の作業場所としてカフェを使う人は多いですが、カフェ代の経費計上はコワーキングスペースより判断が難しいです。理由は「プライベートとの線引き」が曖昧だから。

経費にできるもの:

  • 副業の作業中に注文したドリンク代(コーヒー、紅茶など)
  • 副業関連の打ち合わせで使ったカフェ代(相手の分も含む)

経費にできないもの:

  • 食事代(ランチ、ケーキなど)→ 仕事がなくても食べるものなので原則NG
  • プライベートの休憩で入ったカフェのドリンク代
  • 家族や友人との飲食(副業と無関係)

副業の確定申告で実際に詰まった経験から言うと、カフェ代を全額経費にするのはリスクが高いです。筆者も独立1年目に「カフェで作業したからドリンクは全部経費」と思い込んでいた時期がありましたが、税理士に相談したら「食事代が混ざっていると全額否認される可能性がある」と指摘されました。

カフェ代の勘定科目は「会議費」が一般的です。1人で作業していても会議費で問題ありません。ただし、マネーフォワード クラウド確定申告の解説にもあるとおり、レシートに「作業内容」や「打ち合わせ相手」をメモしておくと税務調査時の証拠になります。

【早見表】利用パターン別・勘定科目の選び方

「結局どの科目にすればいいの?」と迷う方のために、利用パターン別に整理しました。

利用パターン勘定科目(第1候補)勘定科目(第2候補)備考
コワーキング・月額契約地代家賃賃借料毎月定額の場合
コワーキング・ドロップイン会議費雑費年数回なら雑費もOK
コワーキング・会議室レンタル会議費打ち合わせ目的
カフェ・1人で副業作業会議費雑費ドリンク代のみ
カフェ・打ち合わせ会議費交際費相手の分も計上可
コワーキング・事務手数料支払手数料入会金・登録料

大事なルールは「1年間通して同じ科目で統一する」こと。同じ種類の支出を月ごとに違う科目で処理すると、税務署から「計上ルールが不明確」と見なされるリスクがあります。

確定申告で経費計上するときの注意点3つ

コワーキングスペース代やカフェ代を確定申告で経費にするとき、押さえておきたい注意点を3つ紹介します。

注意点1: 領収書・レシートの保存期間を守る

白色申告なら5年間、青色申告なら7年間の保存が必要です(国税庁「帳簿の記帳のしかた」参照)。レシートを捨てがちな人は、スマホで撮影してクラウドに保存する習慣をつけましょう。2024年1月以降、電子帳簿保存法の改正により電子データでの保存も認められています。

注意点2: 副業の「事業所得」か「雑所得」かで扱いが変わる

副業の所得が「事業所得」なら経費を差し引いた金額に課税されますが、「雑所得」でも必要経費の計上は可能です。ただし、雑所得の場合は青色申告特別控除(最大65万円)が使えないため、節税効果は事業所得のほうが大きくなります。

2022年の国税庁通達改正(所得税基本通達35-2)により、副業の収入が300万円以下でも帳簿を付けていれば事業所得として認められる可能性が広がりました。コワーキングスペース代などの経費をきちんと記帳しておくことは、事業所得として認められるための材料にもなります。

注意点3: プライベート利用分を「家事按分」する

副業とプライベートの両方で使う場合は「家事按分」が必要です。たとえば、コワーキングスペースの月額会員で、週5日のうち3日を副業に使っているなら、利用料の60%(3÷5)を経費として計上できます。

FP相談でよく聞かれるのが「カフェは100%経費にしていいの?」という質問ですが、副業目的だけでカフェを利用しているなら100%計上も可能です。ただし、税務調査で「本当に全額が副業目的か」を説明できるよう、作業内容のメモを残しておくことが大切です。

コワーキングスペースとカフェ、副業の作業場所としてどっちがお得?

「経費にできるなら、コワーキングスペースとカフェどっちを使うのが得なの?」と気になる方もいるでしょう。コスト面を比較してみます。

比較項目コワーキングスペースカフェ
月額コスト目安5,000〜30,000円1回500〜800円 × 回数
経費の証明しやすさ◎(利用明細・領収書が明確)△(プライベートとの区別が必要)
Wi-Fi・電源◎(完備)○(店舗による)
集中しやすさ◎(作業向け環境)△(混雑・騒音あり)
住所利用・郵便受取○(対応プランあり)×

月に10回以上カフェで作業するなら、コワーキングスペースの月額プラン(5,000〜10,000円程度のフリーアドレス)のほうが割安になるケースが多いです。しかも、コワーキングスペースは領収書が明確に出るので経費計上もラクです。

筆者は午前中にFP相談の仕事をして、午後に執筆作業をする日が多いのですが、名古屋市内のコワーキングスペースの月額プランに落ち着きました。カフェだとレシートの管理が煩雑になるのと、長時間の滞在が申し訳なくなるのが理由です。

FAQ

副業所得が20万円以下でもコワーキングスペース代は経費にできる?

所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告では経費として計上できます。なお、副業所得が20万円以下でも住民税の申告は必要です(市区町村の窓口で手続き)。

カフェのレシートがないときはどうすればいい?

レシートがない場合は「出金伝票」を作成すれば経費として認められます。日付・金額・支払先・用途を記載して保管しましょう。ただし、頻度が多い場合はキャッシュレス決済を使って明細を残すほうが確実です。

自宅近くのカフェを毎日使っても経費になる?

副業のために利用している実態があれば、自宅近くでも経費計上は可能です。ただし、「自宅で作業できるのになぜカフェ?」と税務調査で聞かれたときに合理的な説明ができるようにしておきましょう(例: 自宅に作業スペースがない、集中できる環境が必要など)。

コワーキングスペースの入会金やロッカー代も経費にできる?

入会金は「支払手数料」、ロッカー代は月額なら「地代家賃」または「賃借料」で経費計上できます。コピー・印刷費用は「消耗品費」または「事務用品費」が適切です。

参考文献