フリーランス仲間とのZoom飲み会で「スマホが再起動を繰り返して止まらない、もう壊れた?」と焦っている人がいました。画面にメーカーのロゴが出て、少し進んだかと思ったらまた消えて、またロゴ。触れない、電話もできない、LINEも開けない。この状態は「再起動ループ」と呼ばれています。

焦らなくて大丈夫です。再起動ループはハードウェアが物理的に壊れたわけではなく、ソフトウェア側の問題で起きているケースがほとんど。自力で直せる方法がいくつかあるので、落ち着いて確認してみてください。

「再起動ループ」はなぜ起きる?よくある原因

再起動ループとは、スマホの電源を入れるたびにロゴ画面で止まり、自動的に電源が落ちてまた起動する、を延々と繰り返す症状です。iPhoneではAppleのリンゴマークがずっと出たり消えたりする「リンゴループ」、Androidではメーカーロゴが延々と表示される状態になります。

原因はいくつかに分かれます。

  • OSアップデートの失敗: アップデート中にバッテリーが切れた、ストレージ容量が足りない状態で無理にアップデートした場合に起きやすいです
  • アプリの不具合: 最近インストールしたアプリや、アップデートされたアプリに深刻なバグがあると、起動のたびにクラッシュして再起動がかかります
  • ストレージの空き不足: 空き容量が極端に少ないと、OSが正常に動作するための一時ファイルを書き込めず起動に失敗します
  • バッテリーの劣化: バッテリーが寿命を迎えると、起動に必要な電力を供給できず途中で落ちてしまいます
  • SIMカード・SDカードの接触不良: カードがずれていたり、端子が汚れていたりすると起動プロセスが止まることがあります

先日、フリーランス仲間のスマホで起きた再起動ループは、ストレージ残量が200MBしかない状態でOSアップデートを実行したのが引き金でした。「アップデートの通知が出たから押しただけなのに」と困っていましたが、空き容量が少ないと起動に必要なファイルを展開できず、この症状に陥ることがあります。

まず試す「強制再起動」の手順

再起動ループに陥ったら、最初に試してほしいのが強制再起動です。通常の再起動とは違い、メモリ(一時的な作業データ)を完全にクリアして起動し直すので、一時的な不具合ならこれだけで直ることがあります。

データは消えません。安心してください。

iPhoneの場合(iPhone 8以降のすべてのモデル)

  1. 音量を上げるボタンを1回押して、すぐ離す
  2. 音量を下げるボタンを1回押して、すぐ離す
  3. サイドボタン(電源ボタン)をAppleのロゴが出るまで押し続ける(10〜15秒ほど)

ロゴが表示されたらボタンを離してください。この3ステップを「素早く、テンポよく」やるのがコツです。もしロゴが出ない場合はバッテリー切れの可能性があるので、充電ケーブルをつないで30分ほど待ってから再度試してみてください。Appleの公式サポートページにもモデル別の手順が載っています。

Androidの場合

  1. 電源ボタン音量を下げるボタンを同時に10秒以上長押し
  2. 画面が消えて振動したらボタンを離す

メーカーや機種によってボタンの組み合わせが異なることがあります。GalaxyやXperiaの一部の機種では電源ボタンだけの長押し(20秒以上)で強制再起動できる場合もあるので、反応しなければメーカーのサポートページで自分の機種の手順を確認してみてください。

強制再起動で直らないなら「セーフモード」で原因を切り分ける

強制再起動をかけてもまたループに戻る場合、次のステップは「セーフモード」です。セーフモードとは、スマホに最初から入っている基本的なアプリだけで起動するモードのこと。自分で後からインストールしたアプリはすべて無効化された状態で立ち上がります。

セーフモードで問題なく起動できたら、原因は後からインストールしたアプリのどれかにあるとわかります。逆にセーフモードでもループするなら、OS自体やハードウェアの問題です。

Androidでセーフモードに入る方法

  1. 電源ボタンを長押しして電源メニューを表示する
  2. 「電源を切る」のアイコンを長押しする(タップではなく長押し)
  3. 「セーフモードで再起動しますか?」と表示されたら「OK」をタップ

電源メニューが出せないほどループが速い場合は、電源ボタン+音量下ボタンで強制再起動をかけ、起動アニメーションが出た瞬間に音量下ボタンだけを押し続けてみてください。画面の左下に「セーフモード」と表示されれば成功です。手順の詳細はGoogleの公式ヘルプでも確認できます。

iPhoneにはセーフモードがない

実はiPhoneには、Androidのような「セーフモード」が標準では用意されていません。強制再起動で直らない場合はパソコンに接続して対処する必要があります。

セーフモードで起動できたら

セーフモードで正常に動いたなら、後から入れたアプリが犯人です。直近でインストールまたはアップデートしたアプリから順にアンインストールしていきましょう。

  1. 「設定」→「アプリ」を開く
  2. 最近インストール・更新した順に並べ替える
  3. 怪しいアプリをアンインストール
  4. 通常の再起動(電源ボタン長押し→再起動)で問題が再発しないか確認

セーフモードを終了するには、ふつうに再起動するだけです。特別な操作はいりません。

セーフモードでも起動しないときの最終手段

セーフモードにも入れない、または入れてもまたループする場合は、OS自体が壊れている可能性があります。ここからはデータが消えるリスクのある操作を含むので、慎重に進めてください。

iPhoneの場合:パソコンに接続して復元する

  1. MacまたはWindowsパソコンにUSBケーブルで接続する
  2. macOS Catalina以降は「Finder」、Windowsは「iTunes」か「Appleデバイス」アプリを開く
  3. iPhoneをリカバリーモードにする(音量上→音量下→サイドボタン長押し。パソコンとケーブルのアイコンが出るまで押し続ける)
  4. パソコン側に「アップデートまたは復元」の選択肢が出たら、まず「アップデート」を選ぶ

「アップデート」はデータを消さずにiOSを再インストールする方法です。これで直らなければ「復元」になりますが、iPhoneが初期化されます。iCloud.comでバックアップの有無を事前に確認しておいてください。

Androidの場合:リカバリーモードからキャッシュを消す

  1. 電源を完全にオフにする(強制再起動で電源を落とす)
  2. 電源ボタン+音量上ボタンを同時に長押しする(機種によっては音量下)
  3. リカバリーメニューが表示されたら、音量ボタンで「Wipe cache partition」を選んで電源ボタンで決定する

キャッシュ(一時データ)の削除だけなら個人データは消えません。それでも直らない場合は「Factory reset(初期化)」を選ぶことになりますが、写真やアプリデータはすべて消えるので、最後の手段にしてください。

実家の母のiPhoneが以前、iOSアップデート直後に画面が真っ暗になって起動しなくなったことがありました。あのときは強制再起動だけで直りましたが、再起動ループに入っていたらパソコン経由でリカバリーモードから復旧する流れになっていたと思います。母はパソコンを持っていないので、そういう場合はキャリアショップやApple Store、街のスマホ修理店に持ち込むのがいちばん確実です。

再起動ループを防ぐために気をつけること

一度直っても同じことを繰り返さないよう、ふだんから気をつけておきたいポイントがあります。

  • ストレージの空きは常に2GB以上キープする: iPhoneは「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」、Androidは「設定」→「ストレージ」で確認できます。空き容量が1GB未満の状態でOSアップデートを実行するのは避けてください
  • OSアップデートは充電しながら行う: バッテリー残量50%未満でアップデートを始めると、途中で電源が落ちてシステムファイルが壊れるリスクがあります。充電ケーブルをつないだ状態で始めるのが鉄則です
  • バックアップを定期確認する: 万が一初期化が必要になっても、直近のバックアップがあれば復旧できます。iPhoneは「設定」→自分の名前→「iCloud」→「iCloudバックアップ」、Androidは「設定」→「Google」→「バックアップ」で最終バックアップ日を確認してみてください

FAQ

再起動ループ中にデータは消えますか?

再起動ループが起きているだけではデータは消えません。ただし「復元(初期化)」を行うとデータが消えるので、パソコン経由のアップデート(iOSの場合)やキャッシュクリア(Androidの場合)を先に試してください。

バッテリーの劣化で再起動ループが起きることはありますか?

あります。バッテリーが劣化していると、起動時に大きな電力が必要な場面で電圧が足りず、途中で電源が落ちてループすることがあります。iPhoneの場合「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」で最大容量が75%を切っていたら、バッテリー交換を検討してみてください。

セーフモードに入れないAndroidスマホはどうすればいいですか?

メーカーや機種によってセーフモードへの入り方が異なります。取扱説明書やメーカーのサポートサイトで「セーフモード」と検索してみてください。それでもダメな場合はリカバリーモードからの操作か、メーカーの修理窓口への相談が確実です。

修理に出すと費用はどれくらいかかりますか?

ソフトウェアの問題でAppleCare+に加入していれば無料で対応してもらえるケースもあります。ハードウェア故障でバッテリー交換が必要な場合、iPhone 15シリーズで14,500円(2026年6月時点、Apple公式価格)。Androidは機種やメーカーで大きく異なり、基板修理になると3〜5万円かかることもあるため、まずメーカーの窓口に見積もりを依頼してみてください。

参考文献