2026年4月15日に配信されたWindows 11の累積更新プログラム「KB5083769」をインストールしたあと、パソコンが再起動を繰り返す・画面がモザイク状にピクセル化する・ブルースクリーン(BSoD)が表示されるといったトラブルが一部のPCで報告されています。

筆者の工房にもPC 7台が常時稼働しているのですが、そのうちDell製の検証機1台がまさにこの症状に当たりました。15年やっててもWindows Updateの地雷は踏むときは踏みます。この記事では、KB5083769で何が起きているのか、そして回復環境(Windows RE)から更新プログラムをアンインストールして元に戻す方法を、画面が映らなくなった状態からでもできるように手順つきで解説します。

KB5083769で何が起きている?報告されている不具合3つ

KB5083769はWindows 11 24H2 / 25H2向けに2026年4月14日(米国時間)にリリースされたセキュリティ累積更新プログラムです。Microsoftの公式サポートページによると、セキュアブート証明書の更新やセキュリティ脆弱性の修正が含まれています。

ところが、インストール後に以下のような不具合が報告されています。

1. 再起動ループ(ブートループ)

更新プログラムのインストール後、Windowsが起動途中で再起動を繰り返し、デスクトップにたどり着けなくなる症状です。PCWorldの報道によると、HPやDellのPCで複数件報告されています。自動修復が起動しても修復に失敗し、ループが続くケースもあります。

2. 画面がモザイク状にピクセル化する

再起動後に画面全体がモザイク状に崩れ、その後ブルースクリーンに遷移するという症状です。グラフィックドライバとの相性問題が原因と見られています。筆者も過去に自作機でGPUドライバ更新直後に画面が真っ黒になった経験がありますが、今回のモザイク化はドライバ単体ではなくWindows Update側の問題なので、ドライバだけ入れ直しても直りません。

3. BitLocker回復画面が表示される

Microsoftが公式に認めた既知の不具合です。特定のグループポリシー設定(PCR7とセキュアブートに関連する非既定値の構成)を使っている環境で、更新後の再起動時にBitLocker回復キーの入力を求められます。Windows Centralの記事によると、回復キーを入力すれば1回で解消されるケースがほとんどですが、回復キーを控えていないと詰みます。

まず確認:再起動が多いだけなら正常な場合もある

KB5083769はインストール中に4回以上再起動することがあるとTweakTownが報じています。「更新プログラムを構成しています」の画面で何度か再起動するのは、今回のアップデートでは正常な動作の場合があります。

30分〜1時間は待ってみてください。途中で電源を切ると、それ自体が起動不能の原因になりかねません。1時間以上経っても進まない場合や、同じ画面に何度もループする場合は、次のセクションの対処法に進んでください。

回復環境(Windows RE)からKB5083769をアンインストールする手順

デスクトップに入れない状態でも、Windows回復環境(WinRE)から問題の更新プログラムを削除できます。これが最も確実な対処法です。

ステップ1:回復環境に入る

パソコンの電源を入れ、Windowsのロゴや読み込みアニメーションが表示されたら、電源ボタンを5〜10秒長押しして強制シャットダウンします。この操作を2回繰り返すと、3回目の起動時に「自動修復を準備しています」と表示され、回復環境に入れます。

回復環境が表示されない場合は、Windows 11のインストールメディア(USBまたはDVD)から起動し、「コンピューターを修復する」を選択してください。

ステップ2:更新プログラムをアンインストールする

  1. トラブルシューティング」を選択
  2. 詳細オプション」を選択
  3. 更新プログラムのアンインストール」を選択
  4. 最新の品質更新プログラムをアンインストールする」を選択
  5. 画面の指示に従い、アンインストールが完了したら再起動

これでKB5083769が削除され、アップデート前の状態に戻ります。

ステップ3:再インストールを一時的にブロックする

アンインストールしてもWindows Updateが再び自動でKB5083769をインストールしてしまうことがあります。Microsoft公式の「Show or hide updates」トラブルシューターを使って、修正版が出るまでこのKBを非表示にしておくのが安全です。

「設定」→「Windows Update」→「更新の一時停止」で最大5週間停止する方法もありますが、セキュリティ更新が全て止まるので長期間は推奨しません。

BitLocker回復画面が出た場合の対処法

「BitLocker回復キーを入力してください」という青い画面が表示された場合は、まず落ち着いてください。回復キーさえあれば解消できます。

  1. 別のデバイス(スマホやタブレット)で https://account.microsoft.com/devices/recoverykey にアクセス
  2. Microsoftアカウントでサインインし、回復キーを確認
  3. 48桁の回復キーを入力してEnter

回復キーが見つからない場合は、Active Directoryの管理者やPC購入時の書類を確認してください。企業・組織のPCの場合はIT部門に問い合わせるのが最短です。

なお、今後の予防策として、グループポリシーエディタで「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「BitLockerドライブ暗号化」→「オペレーティングシステムのドライブ」にある「ネイティブUEFIファームウェア構成のTPMプラットフォーム検証プロファイルを構成する」を「未構成」に設定しておくと、このタイプの問題を回避できます。

それでも直らないときの最終手段

更新プログラムのアンインストールでも解消しない場合は、被害が少ない順に以下を試してください。

  1. システムの復元:回復環境の「詳細オプション」→「システムの復元」から、KB5083769インストール前の復元ポイントを選択。個人ファイルは消えませんが、復元ポイント以降にインストールしたアプリは再インストールが必要です
  2. スタートアップ修復:同じく「詳細オプション」→「スタートアップ修復」。起動に必要なシステムファイルの修復を自動で試みます
  3. PCのリセット(個人用ファイルを保持):「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」→「個人用ファイルを保持する」→「ローカル再インストール」。アプリや設定は消えますが、ドキュメントや写真などのファイルは残ります

筆者の場合、工房のDell検証機は「最新の品質更新プログラムをアンインストール」で無事復旧しました。自分の自作機でも同じ手順で対処できたので、メーカー製・自作問わず有効です。

今後のWindows Updateで同じ目に遭わないための備え

Windows Updateの不具合は残念ながら定期的に発生します。毎回怯える必要はありませんが、以下の備えをしておくと被害を最小限に抑えられます。

  • システムの復元ポイントを有効にしておく:「システムのプロパティ」→「システムの保護」でCドライブの保護を「有効」に。Windows Updateの前に自動で復元ポイントが作成されます
  • BitLocker回復キーをMicrosoftアカウントまたは紙で控えておく:回復キーが分からないと本当に詰みます
  • 大型アップデートの直後は1〜2週間様子を見る:Windows Updateの「更新の一時停止」を1週間に設定し、大きな不具合報告がないか確認してからインストールするのが安全です
  • 重要なファイルは外付けドライブやクラウドにバックアップ:最悪のケースでもデータさえ残っていれば復旧できます

FAQ

KB5083769をアンインストールするとセキュリティは大丈夫?

一時的にセキュリティパッチが外れた状態になります。Microsoftが修正版を配信するまでの間は、ウイルス対策ソフトを最新に保ち、不審なサイトやメールに注意してください。2026年5月の月例更新で修正が含まれる可能性があります。

自分のPCがKB5083769をインストール済みか確認するには?

「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」を開き、「品質更新プログラム」の欄にKB5083769が表示されていればインストール済みです。正常に動作しているなら、わざわざアンインストールする必要はありません。

KB5083769の不具合はどのPCで起きやすい?

2026年5月時点の報告では、HP・Dell製のPCで発生例が多く報告されています。ただし特定のメーカーだけの問題ではなく、古いドライバやサードパーティ製ウイルス対策ソフトとの干渉が原因と見られています。自作PCでも発生する可能性はあります。

画面がモザイク化してもデータは消えない?

画面表示の問題であり、ストレージ上のデータには影響しません。回復環境から更新プログラムをアンインストールすれば、ファイルはそのまま残った状態で復旧できます。

参考文献