Wordで文章を打っているのに、スペルミスの赤い波線が出てこない。あるいは「校閲」タブの「エディター」をクリックしても何もチェックされない——。そんな経験はありませんか?
Wordのスペルチェック・文章校正は、誤字脱字やおかしな日本語を自動で指摘してくれるとても便利な機能です。でも、設定ひとつでまるごとオフになってしまうことがあるんです。2026年4月時点のMicrosoft 365(Word for Microsoft 365)の画面をもとに、動かない原因と直し方をひとつずつ解説します。
そもそもWordのスペルチェック・文章校正って何をしてくれるの?
Wordには、文章を入力するそばからスペルミスや文法の間違いを自動で検出してくれる機能が搭載されています。ざっくり言うと、こんな感じで波線が引かれます。
- 赤い波線:スペルミス(英語のつづり間違い、存在しない単語など)
- 青い波線:文法・表現の問題(二重否定、敬語の誤用など)
さらにMicrosoft 365では「エディター」という高機能な校正ツールが使えます。「校閲」タブ → 「エディター」をクリック(またはショートカットF7キー)で起動でき、スペル・文法だけでなく「簡潔さ」「フォーマルさ」など文章のスタイルまでチェックしてくれます。Microsoft公式のエディター解説ページに詳しい説明があります。
つまり、この機能が動いていないと誤字脱字がスルーされ放題ということ。仕事の書類やレポートで恥をかく前に、さっさと直しましょう。
スペルチェック・文章校正が動かない原因6つ
波線が出ない・エディターが反応しない原因は、大きく分けて6つあります。上から順に確認していくのがおすすめです。
原因1:「入力時にスペルチェックを行う」がオフになっている
これがいちばん多い原因です。何かの拍子にチェックを外してしまっていたり、他人が作ったファイルを開いたら設定が違っていたり、というパターンがよくあります。
確認・修正の手順:
- Wordの「ファイル」タブ → 「オプション」をクリック
- 左メニューの「文章校正」を選択
- 「Wordのスペルチェックと文章校正」セクションで、以下の2つにチェックが入っているか確認
- ✅ 入力時にスペルチェックを行う
- ✅ 自動文章校正
- チェックが外れていたら入れて「OK」をクリック
これだけで波線が復活するケースがかなり多いです。
原因2:「この文書のみ」波線を非表示にする設定がオンになっている
実はWordには、文書単位で波線の表示をオフにする設定があります。同じオプション画面の下のほうにあるので見落としがちです。
確認・修正の手順:
- 「ファイル」→「オプション」→「文章校正」を開く
- 画面の下部にある「例外」セクションを確認
- 以下の2つのチェックが外れているか確認
- ☐ この文書のみ、結果を表す波線を表示しない
- ☐ この文書のみ、文章校正の結果を表示しない
- チェックが入っていたら外して「OK」をクリック
この設定はファイルごとに保存されるので、他の人からもらったファイルだと知らない間にオンになっていることがあります。
原因3:校正言語が「スペルチェックと文章校正を行わない」に設定されている
文章を選択した状態で言語設定を確認してみてください。「校正対象外」に指定されていると、その範囲だけ波線が出なくなります。
確認・修正の手順:
- チェックされない文章を全選択(Ctrl+A)する
- 「校閲」タブ →「言語」→「校正言語の設定」をクリック
- 「スペルチェックと文章校正を行わない」のチェックが入っていたら外す
- 言語が「日本語」または「英語(米国)」など正しいものになっているか確認して「OK」
校正言語の設定方法(wanichan.com)でも手順が図解されています。
原因4:校正ツール(言語パック)がインストールされていない
Wordのスペルチェックは、対応する言語の校正ツールがインストールされていないと動きません。とくに日本語と英語以外の言語をチェックしたい場合に起きやすいトラブルです。
確認・修正の手順:
- 「ファイル」→「オプション」→「言語」を開く
- 「Office の編集言語と校正」セクションで、使いたい言語の「校正」列に「インストール済み」と表示されているか確認
- 表示されていなければ「校正ツールを追加」リンクからMicrosoft公式の言語パックページへ移動してインストール
原因5:アドインの競合やWordの一時ファイルの破損
まれに、サードパーティ製のアドイン(翻訳ツールやGrammarlyなど)がWordの校正機能と干渉して、スペルチェックが正常に動かなくなることがあります。
対処法:
- 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」を開く
- 下部の「管理」で「COMアドイン」を選び「設定」をクリック
- すべてのアドインのチェックを一度外して「OK」→ Wordを再起動
- スペルチェックが復活したら、アドインを1つずつ戻して原因を特定する
また、WordのNormal.dotmテンプレート(既定のテンプレートファイル)が破損している場合も同様の症状が出ます。Microsoft公式のトラブルシューティングでは、Wordをセーフモード(Ctrlキーを押しながら起動)で確認する手順が紹介されています。
原因6:Officeの修復が必要
上記すべてを試しても直らない場合は、Office自体のファイルが壊れている可能性があります。
対処法:
- Windowsの「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 「Microsoft 365」を探して「…」→「変更」をクリック
- 「オンライン修復」を選んで実行(時間はかかるが確実)
- 修復が終わったらWordを起動して確認
「クイック修復」もありますが、校正ツール関連の問題はオンライン修復のほうが確実です。
エディター機能を使いこなすコツ
せっかく波線が復活したら、Microsoft 365の「エディター」機能をフル活用しましょう。ただの赤波線チェック以上のことができます。
- F7キー一発で全文チェック:「校閲」タブの「エディター」をクリックするか、F7を押すだけで文書全体をまとめてチェックできます
- 文書スタイルの選択:エディターのウィンドウ上部で「フォーマル」「プロフェッショナル」「口語体」を選べます。ビジネス文書なら「プロフェッショナル」、論文なら「フォーマル」がおすすめ
- チェック項目のカスタマイズ:「ファイル」→「オプション」→「文章校正」→「設定」ボタンから、どこまで細かくチェックするかを調整できます(エディターのチェック対象を調整する方法)
それでも直らないときのチェックリスト
ここまでの対処法を試しても解決しない場合は、以下も確認してみてください。
- Wordのバージョンは最新か?:「ファイル」→「アカウント」→「更新オプション」→「今すぐ更新」で最新版にする
- Windowsのユーザーアカウントが破損していないか?:別のWindowsユーザーでサインインしてWordを開き、スペルチェックが動くか試す
- レジストリのリセット:上級者向けですが、Wordの校正関連のレジストリキーを削除して再生成させる方法もあります(Microsoft公式サポートに問い合わせるのが安全)
FAQ
Wordの赤い波線と青い波線の違いは何ですか?
赤い波線はスペルミス(つづり間違い)、青い波線は文法や表現の問題を示しています。Microsoft 365のエディター機能では、さらに「簡潔さ」「フォーマルさ」などの文体チェックも行えます。
特定の単語にだけ赤い波線が出るのを消したいのですが?
赤い波線が出ている単語を右クリックして「辞書に追加」を選べば、以降その単語にはスペルミスの波線が出なくなります。社名や専門用語などを登録しておくと便利です。
Mac版のWordでもスペルチェックが動かない場合はどうすればいい?
Mac版では「Word」メニュー→「環境設定」→「スペルチェックと文章校正」から同様の設定を確認できます。「入力時にスペルチェックを行う」「入力時に文法チェックを行う」のチェックが入っているか確認してください。
無料のWord Online(Web版Word)でもスペルチェックは使えますか?
はい、Web版のWordでもスペルチェックと文章校正は利用できます。ただし、デスクトップ版のエディター機能と比べると、チェック項目のカスタマイズなど一部機能に制限があります。
参考文献
- Word でスペル チェックが機能しない — Microsoft Learn
- Check grammar, spelling, and more in Word — Microsoft Support
- Check spelling and grammar in Office — Microsoft Support
- Wordの「スペルチェック&文章校正機能」を使いこなそう — ASCII.jp






