「ChatGPTを使いたいのに、会社のPCからアクセスできない……」そんな悩みを抱えているビジネスパーソン、実はかなり多いんです。2025年以降、情報セキュリティの観点からChatGPTやGeminiなどの外部AIサービスをブロックする企業が急増しています。

でも安心してください。あなたの会社のPCには、すでにMicrosoft Copilot(コパイロット)が入っている可能性が高いです。Windows 11に標準搭載されていて、Microsoft 365のライセンスがあれば追加料金なしで使えるバージョンもあります。

この記事では、2026年2月時点の最新情報をもとに、会社のPCでCopilotしか使えない環境でも仕事を効率化する7つの活用術を紹介します。「Copilotって何ができるの?」「ChatGPTの代わりになるの?」という疑問をまるっと解決しましょう。

そもそもなぜ会社のPCでChatGPTが使えないの?

まず「なんでブロックされてるの?」という疑問から解決しましょう。企業がChatGPTの利用を制限する理由は、おもに以下の3つです。

1. 情報漏洩リスク
ChatGPTの無料版やPlus版では、入力した内容がAIの学習データとして利用される可能性があります。個人情報保護委員会も2023年6月に注意喚起を出しており、社内の機密情報や顧客データを入力してしまうと取り返しがつきません。

2. シャドーIT対策
社員が勝手に外部のAIツールを使い始めると、IT部門が管理できない「シャドーIT」状態になります。どんなデータが外部に送信されているか把握できなくなるため、多くの企業が一律でブロックしているんです。

3. Copilotならデータが保護される
一方、Microsoft Copilotを会社のMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)でサインインして利用する場合、入力データはAIの学習に使用されません。Microsoft公式ドキュメントによると、データはMicrosoft 365のサービス境界内で処理されるため、企業にとって「管理しやすいAI」なんです。

つまり、会社がChatGPTをブロックしてCopilotを許可しているのは、ちゃんとした理由があるということ。であれば、Copilotを使い倒す方が賢い選択です。

Copilotの無料版でできること・できないこと

Copilotには複数のプランがありますが、会社のPCで使えるのは大きく分けて2種類です。

① Windows標準搭載のCopilot(無料)
Windows 11に最初から入っているチャットAI。ブラウザのEdgeからもアクセスできます。2026年2月時点で、1日300回までのチャットが可能で、1セッションあたり最大30ターン(30往復)使えます。

② Microsoft 365 Copilot Chat(法人向け・追加料金なし)
Microsoft 365 E3/E5、Business Standard/Premiumなどのライセンスに含まれるバージョンです。Microsoft 365 Copilot Chat FAQによれば、商用データ保護が適用され、入力データが学習に使われないのが最大の特徴です。

逆にできないことも把握しておきましょう。

  • 画像生成は1日15回まで(無料版の場合)
  • Word・Excel・PowerPoint内での直接操作は有料のMicrosoft 365 Copilotライセンス(月額4,497円/ユーザー)が必要
  • 社内ファイルの検索・要約も有料版限定
  • 一度の入力で処理できるテキスト量は約4,000トークン(約3,000文字)。ChatGPTの有料版より短い

ただし、チャットベースの質問・相談・文章作成は無料版でも十分使えます。ここからは具体的な活用術を見ていきましょう。

Copilotだけで仕事を効率化する活用術7選

活用術1:メールの下書きを一瞬で作る

ビジネスメールの作成、意外と時間がかかりますよね。Copilotに「取引先に納期遅延のお詫びメールを書いて。原因は部品調達の遅れ。新しい納期は3月15日」と伝えるだけで、ビジネスマナーに沿った丁寧なメールが完成します。

コツは「相手・目的・伝えたいポイント」を箇条書きで渡すこと。これだけで出力の精度がグッと上がります。

活用術2:長い資料の要約

「30ページのPDFを読む時間がない……」そんなときは、テキストをコピーしてCopilotに貼り付け、「この文章を300文字で要約して」と依頼しましょう。ただし、無料版では約3,000文字までの入力制限があるので、長い文書はセクションごとに分けて要約するのがポイントです。

活用術3:Excel関数の作成を手伝ってもらう

「VLOOKUPの書き方が分からない」「条件付きのSUMIFSを組みたい」――こんなときはCopilotに相談しましょう。たとえば「A列に商品名、B列に売上がある表で、商品名がりんごの売上合計を求めるExcel関数を教えて」と聞けば、正しい関数を教えてくれます。

生成された関数はそのままExcelにコピペでOK。ChatGPTが使えなくても、Copilotでも同じ品質の回答が得られます

活用術4:会議のアジェンダ・議事録テンプレ作成

「来週の企画会議のアジェンダを作って。参加者5名、議題は新商品のターゲット層と価格帯の検討、所要時間60分」と入力すれば、時間配分入りのアジェンダが作れます。

会議後は、メモした内容を貼り付けて「この内容を議事録形式にまとめて。決定事項とアクションアイテムを分けて」と指示すればOKです。

活用術5:英語メール・文書の翻訳と添削

海外とやり取りがある方は、翻訳ツールとしてもCopilotが優秀です。「以下の日本語メールをビジネス英語に翻訳して」と依頼するだけ。逆に、英語で届いたメールの要約も「このメールの要点を日本語で3つにまとめて」で一発です。

Google翻訳より自然なビジネス英語になるのが、AIチャットの強みです。

活用術6:ブレインストーミングの壁打ち相手

「新規顧客向けのキャンペーン案を5つ考えて。業種はBtoBのIT企業、予算は50万円以内」のように条件を絞って質問すれば、具体的なアイデアが返ってきます。

ChatGPTの「カスタム指示」のような機能はCopilotにはありませんが、毎回チャットの最初に「あなたはマーケティングの専門家です」とロール(役割)を指定することで、近い効果が得られます。

活用術7:Windowsキー+Cで爆速起動

意外と知られていないのが、Windowsキー+CのショートカットでCopilotを即起動できること(Windows 11の場合)。ブラウザを開かなくても、作業中にサッと呼び出してすぐ質問できるので、調べ物の効率が段違いです。

さらに、Copilotのチャット画面は最前面に固定できるので、ExcelやPowerPointを操作しながら横でCopilotに相談する、というワークフローが実現します。

ChatGPTとCopilotの違いを正しく理解しよう

「やっぱりChatGPTの方がいいんじゃないの?」と思うかもしれません。たしかに、用途によって得意分野が異なります。

比較項目Copilot(無料版)ChatGPT(無料版)
AIモデルGPT-4ベースGPT-4o mini
1日の利用回数300回制限あり(変動)
Web検索Bing連携で対応対応
画像生成DALL-E 3(1日15回)DALL-E 3(制限あり)
ファイルアップロード画像のみ(無料版)対応
データ保護(企業向け)Entra ID連携で対応Team/Enterprise版が必要
Office連携有料版で対応非対応

ざっくり言うと、Copilotは「会社の仕事を安全にこなすAI」、ChatGPTは「なんでも柔軟に相談できるAI」です。会社のPCで使う分には、Copilotで十分カバーできるケースがほとんどです。

それでも物足りないときの裏ワザ

Copilotだけでは対応しきれない場面もあります。そんなときのテクニックを紹介します。

1. Edge側のCopilotを使う
Microsoft Edgeのサイドバーに搭載されているCopilotは、今開いているWebページの内容を読み取って質問に答えてくれます。「このページの内容を要約して」が使えるので、リサーチ業務がはかどります。

2. スマホで別のAIを使い分ける
会社のPCからはアクセスできなくても、個人のスマホからChatGPTやClaudeを使うのは多くの企業で問題ありません(ただし、会社の機密情報は絶対に入力しないこと)。アイデア出しやプライベートな調べ物はスマホで、業務データを扱う作業は会社PCのCopilotで、と使い分けるのが現実的です。

3. プロンプトを工夫する
Copilotの回答精度を上げるには、プロンプト(指示文)の書き方が重要です。以下のテンプレートを参考にしてみてください。

[役割]あなたは○○の専門家です。[タスク]以下の内容について○○してください。[条件]○○の形式で、○○文字以内で。[入力データ](ここにテキストを貼り付け)」

このように構造化して指示を出すだけで、ChatGPTと同等レベルの回答が返ってきます。

FAQ

会社のCopilotに入力した内容は学習に使われますか?

Microsoft Entra ID(旧Azure AD)でサインインしている場合、入力データはAIの学習に使用されません。Microsoft公式で「商用データ保護」が適用されると明記されています。ただし、個人のMicrosoftアカウントでサインインしている場合はこの保護が適用されない可能性があるため、会社のアカウントでログインしているか確認しましょう。

CopilotでExcelやWordを直接操作できますか?

Excel・Word・PowerPoint内でCopilotを使うには、有料のMicrosoft 365 Copilotライセンス(2026年2月時点で月額4,497円/ユーザー)が必要です。無料版ではチャット経由で関数やテンプレートを生成し、手動でコピペする使い方になります。

Copilotの無料版は1日何回まで使えますか?

2026年2月時点で、無料版は1日300回までのチャットが可能です。1セッションあたりの上限は30ターン(30往復)です。業務で使う分には、ほとんどの人が上限に達することはないでしょう。

IT部門にChatGPTの利用許可を申請するにはどうすればいいですか?

ChatGPT Team(月額25ドル/ユーザー)やChatGPT Enterprise版であれば、企業向けのデータ保護機能が備わっています。「情報がAI学習に使われない」「SOC 2準拠のセキュリティ」などのポイントを添えて、IT部門に導入を提案してみましょう。ただし、最終判断は会社のセキュリティポリシー次第です。

参考文献