「あれ、デスクトップに置いてたファイルどこ行った?」「ドキュメントフォルダの中身がOneDriveに移動してる……」。Windows 11のパソコンを使っていて、こんな経験はありませんか?

これ、実はWindows 11とOneDriveの「既知のフォルダーバックアップ(Known Folder Move)」という機能が原因です。2026年2月現在、Windows 11のセットアップ時やアップデート後に、ユーザーが気づかないまま有効化されるケースが続出しています。

この記事では、OneDriveがファイルを勝手に移動する原因と、ファイルをローカル(パソコン本体)に戻す手順、再発を防ぐ設定方法をわかりやすく解説します。

そもそも何が起きてるの?「既知のフォルダーバックアップ」とは

Windows 11には、デスクトップ・ドキュメント・ピクチャの3つのフォルダを自動的にOneDriveに同期(バックアップ)する機能が標準で入っています。これが「既知のフォルダーバックアップ(Known Folder Move=KFM)」です。

ざっくり言うと、パソコンのフォルダの「本籍地」がOneDriveのクラウド上に変わるということ。見た目は同じ「デスクトップ」フォルダですが、ファイルの実体はOneDrive経由でクラウドに保存されます。

この機能自体はパソコンが壊れたときのバックアップとして便利なのですが、問題はユーザーが気づかないうちに勝手にオンになること。Office Watchの調査(2026年)によると、Windows 11の初期セットアップ(OOBE)で「今すぐバックアップ」ボタンが大きく表示される一方、「このPCにのみ保存」は小さいリンクで目立たない場所に配置されています。

つまり、セットアップ時に何となくボタンを押し進めただけで、知らないうちにOneDriveバックアップがオンになっているわけです。

「ファイルが消えた!」と焦る前に確認すること3つ

OneDriveにファイルが移動しても、ファイルが削除されたわけではありません。まずは落ち着いて、以下の3つを確認しましょう。

1. エクスプローラーのアドレスバーを確認

デスクトップやドキュメントフォルダを開いて、上部のアドレスバーを見てください。パスがC:\Users\ユーザー名\OneDrive\デスクトップになっていたら、OneDriveバックアップが有効になっています。通常はC:\Users\ユーザー名\Desktopです。

2. OneDriveの雲アイコンを確認

タスクバー(画面右下)に雲のマークのOneDriveアイコンがあるか確認しましょう。アイコンをクリックして「設定」→「同期とバックアップ」→「バックアップを管理」で、どのフォルダがバックアップ対象になっているか一目でわかります。

3. OneDriveの容量を確認

無料版のOneDriveは容量が5GBしかありません。バックアップが勝手にオンになっていると、あっという間に容量オーバーになって「ストレージがいっぱいです」と警告が出ます。これが表示されたら、ほぼ確実にKFMが有効です。

OneDriveバックアップを停止してファイルをローカルに戻す手順

ここからが本題です。OneDriveのバックアップを停止して、ファイルをパソコン本体に戻す方法を、順を追って解説します。

ステップ1:バックアップを停止する

  1. タスクバーのOneDriveアイコン(雲マーク)をクリック
  2. 右上の歯車アイコン「設定」をクリック
  3. 左メニューから「同期とバックアップ」を選択
  4. 「バックアップを管理」をクリック
  5. 「デスクトップ」「ドキュメント」「ピクチャ」それぞれのトグルをオフにする
  6. 確認画面で「バックアップを停止」をクリック

Microsoftの公式サポートページにも詳しい手順が載っています。

⚠ 注意:バックアップを停止しただけでは、ファイルは元の場所に自動で戻りません。OneDriveフォルダ内にファイルが残ったままになります。次のステップで手動でファイルを移動しましょう。

ステップ2:ファイルをOneDriveからローカルに移動する

  1. エクスプローラーでC:\Users\ユーザー名\OneDrive\デスクトップを開く
  2. 中のファイルをすべて選択(Ctrl + A)
  3. 切り取り(Ctrl + X)
  4. C:\Users\ユーザー名\Desktopフォルダを開く
  5. 貼り付け(Ctrl + V)

「ドキュメント」「ピクチャ」も同じ要領で、OneDriveフォルダ内からローカルのフォルダにファイルを移動してください。

ポイント:ファイル数が多い場合、移動に時間がかかることがあります。途中で電源を切ったりしないよう注意してください。

ステップ3:フォルダの場所が正しいか確認する

Microsoft Q&Aのスレッドで紹介されている方法も有効です。

  1. エクスプローラーのナビゲーションペインで「ドキュメント」を右クリック「プロパティ」
  2. 「場所」タブをクリック
  3. 「標準に戻す」ボタンをクリック
  4. パスがC:\Users\ユーザー名\Documentsになっていることを確認して「OK」

デスクトップ・ピクチャも同様に確認しておくと安心です。

二度と勝手にオンにさせない!再発防止の設定3つ

バックアップを停止しても、Windowsのアップデートやアカウント再設定で復活することがあります。根本的に防ぎたい人は、以下の設定を試してみてください。

方法1:OneDriveの自動起動を無効にする(初心者向け)

  1. Windowsの「設定」「アプリ」「スタートアップ」
  2. 「Microsoft OneDrive」をオフにする

OneDriveが起動しなければバックアップが勝手にオンになることもありません。ただし、OneDriveを他の用途(ファイル共有など)で使っている場合はオフにしないでください。

方法2:OneDriveをアンインストールする(OneDrive不要な人向け)

  1. 「設定」「アプリ」「インストールされているアプリ」
  2. 「Microsoft OneDrive」を探して「アンインストール」

Microsoft公式サポートによれば、アンインストールしてもOneDriveに保存済みのファイルは消えません(ブラウザからonedrive.comにアクセスすれば引き続き閲覧可能)。

方法3:レジストリで自動バックアップを無効化する(上級者向け)

企業のIT管理者や、設定を確実に固定したい上級者向けの方法です。Microsoft Learnの公式ドキュメントに記載されている手順をもとに解説します。

  1. Win + Rで「ファイル名を指定して実行」を開く
  2. regedit と入力してレジストリエディターを起動
  3. 以下のパスに移動:
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\OneDrive
  4. 右クリック→「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択
  5. 名前をKFMBlockOptInにして、値を1に設定

この設定で、OneDriveの「既知のフォルダーバックアップ」の自動オプトインがブロックされます。

⚠ 注意:レジストリの編集はシステムに影響を与える操作です。必ず事前にレジストリのバックアップを取ってから作業してください。

OneDriveをうまく使いこなすコツ

ここまで「勝手に移動されて困る」という話をしてきましたが、OneDrive自体は便利なサービスです。問題なのは「知らないうちにオンになる」ことであって、意図的に使う分にはメリットがたくさんあります。

  • パソコンが壊れてもファイルがクラウドに残る(バックアップとして優秀)
  • 複数のパソコンでファイルを共有できる(会社と自宅など)
  • スマホからもアクセスできる(外出先で確認したい時に便利)

使いこなすポイントは、同期するフォルダを自分で選ぶこと。デスクトップは同期せず、ドキュメントだけ同期する、といった使い分けがおすすめです。

また、Microsoft 365(旧Office 365)を契約していればOneDriveの容量が1TBに増えるので、容量不足の心配もなくなります。2026年2月時点で、Microsoft 365 Personalは月額1,490円(年額14,900円)です。

FAQ

OneDriveバックアップを停止したらファイルは消える?

消えません。バックアップを停止してもOneDriveフォルダ内にファイルは残ります。ただし自動でローカルに戻らないので、手動でファイルを移動する必要があります。

OneDriveをアンインストールしてもクラウド上のファイルは残る?

はい、残ります。Microsoft公式サポートによれば、アンインストールしてもOneDrive上のファイルには影響しません。ブラウザからonedrive.comにアクセスすれば閲覧・ダウンロードできます。

会社のパソコンでもこの問題は起きる?

会社のIT管理者がグループポリシーでOneDriveバックアップを管理している場合は、勝手にオンになることはありません。ただし、管理されていない環境や個人のMicrosoftアカウントでサインインした場合は同じ症状が出る可能性があります。

OneDriveの無料容量5GBを超えたらどうなる?

容量を超えるとファイルの同期が停止し、「ストレージがいっぱいです」という通知が表示されます。新しいファイルがクラウドにアップロードされなくなりますが、既存のファイルが削除されることはありません。

参考文献