在宅勤務が当たり前になった2026年。でも「子どもの声がZoom会議に入って気まずかった」「生活音が気になって集中できない」という悩み、実はまだまだ多いんです。

リノベる株式会社の調査によると、子育て世帯の約8割が自宅のワークスペースに何かしらの困りごとを抱えており、特に「子供が家にいるとWEB会議に参加するとき気を遣う」(43%)が上位に挙がっています。さらに2025年4月からは改正育児・介護休業法により、3歳未満の子を持つ従業員へのテレワーク措置が企業の努力義務になりました。制度は整いつつあるのに、肝心の「家で集中する方法」がわからない――そんな人に向けて、共働き+保育園児2人の環境で在宅ワークを続けている筆者が、実際に効果があった方法を5つ紹介します。

なぜ在宅勤務で「子どもの声」が問題になるのか?

そもそも、なぜ子どもの声はこんなに会議で目立つのでしょうか。理由はシンプルで、子どもの声は高音域(1,000〜4,000Hz)に集中しているため、マイクが非常によく拾うんです。大人の話し声やエアコンの音は低音域寄りなのでノイズキャンセルが効きやすいのですが、子どもの泣き声や叫び声はちょうど人間の声と周波数帯が重なるため、ソフトウェア側でも「消していい音」なのか判別しづらいという事情があります。

つまり、「うるさいから静かにして」と子どもに言うだけでは根本解決になりません。ツール設定・物理環境・家族のルールの3つを組み合わせるのがポイントです。

対策1:Zoom・Teamsのノイズキャンセル設定を「強」にする

まず一番カンタンにできるのが、Web会議アプリ側のノイズ抑制設定を見直すことです。

Zoomの場合

Zoomには標準でノイズキャンセル機能が搭載されています。2026年4月時点の設定手順は以下のとおりです。

  1. Zoomアプリを開き、右上の歯車アイコン(設定)をクリック
  2. 「オーディオ」タブを選択
  3. 下にスクロールして「バックグラウンドノイズ抑制」を見つける
  4. 」に設定する(デフォルトは「自動」)

さらにZoomの公式ヘルプによると、「パーソナライズされたオーディオ分離」という機能もあります。初回に自分の声を数秒読み上げて登録すると、AIが自分の声だけを優先的に拾い、周囲のノイズをカットしてくれます。我が家では結局これに落ち着いたのですが、次男(1歳)が隣で泣いていてもほぼ音が入らなくなりました。

Microsoft Teamsの場合

Teamsでも同様のノイズ抑制機能があります。

  1. 会議画面の右上「…」→「設定」→「デバイスの設定」を開く
  2. 「ノイズ抑制」を「」に切り替える

ただし、Teams側のノイズ抑制を「高」にすると自分の声も若干こもることがあるため、気になる場合は外部ツール「Krisp」を併用するのも手です。Kripは無料プランでも1日60分まで使え、子どもの泣き声やペットの鳴き声など生活音に特化したノイズキャンセルが強力です。

対策2:マイクを「単一指向性」に変えるだけで激変する

ノートPC内蔵マイクは「全指向性(無指向性)」といって、360度すべての方向から音を拾います。つまり、背後で遊んでいる子どもの声もバッチリ拾ってしまうんです。

これを「単一指向性」のヘッドセットやマイクに変えると、口元の正面方向の音だけを拾い、横や後ろからの音は大幅にカットされます。

おすすめのポイントは以下の3つです。

  • ブームマイク付きヘッドセット:マイクが口元まで伸びるタイプ。口との距離が近いほど、周囲の音との音量差が大きくなり、相対的に生活音が入りにくくなります
  • 価格帯は3,000〜5,000円で十分:高すぎる製品を買って機能を使いこなせないより、シンプルなものを選ぶ方が長続きします(これは家電全般に言えることですが、以前20万円近い食洗機を買って機能の8割を使わなかった経験から、つくづくそう思います)
  • 有線がベター:Bluetoothは接続トラブルが起きることがあるので、会議用は有線USBタイプが安定します

対策3:仕事スペースを「仕組み」で確保する

「個室の書斎があれば解決するのに……」と思う方は多いはず。でも、マンションや賃貸では専用の仕事部屋を確保できないケースがほとんどです。

そこで大事なのが、完璧な環境を求めるのではなく、「ここは仕事の場所」と家族全員が認識できる仕組みを作ることです。

物理的な仕切りのアイデア

  • パーティション(間仕切り):2,000〜5,000円程度の折りたたみ式で十分。視界を遮るだけでも「今は仕事中」のサインになります
  • カーテンで仕切る:突っ張り棒+カーテンなら賃貸でもOK。使わないときは束ねておけます
  • ノートPCスタンド+外付けモニター:ダイニングテーブルでも「仕事セット」を広げる行為自体が、家族への合図になります

「移動式オフィス」という発想

Web会議の時間だけ、ノートPCを持って寝室や洗面所に移動する——これも立派な対策です。ドア1枚あるだけで子どもの声はかなり軽減されます。常時その部屋にいる必要はなく、会議の30分だけ移動すると割り切ればハードルは下がります。

対策4:家族のルールは「お願い」じゃなく「見える化」で回す

ここが一番大事かもしれません。「今から会議だから静かにしてね」とお願いベースでやると、家族の機嫌や状況に左右されて長続きしません。

実はこれ、我が家の家事分担でまったく同じ失敗をしています。産後に夫に「皿洗いお願い」と頼んだら3日で破綻したのですが、ホワイトボードに「夜の食器:夫」「翌朝の食器:私」と書いて固定したら3ヶ月続きました。「お願い」は仕組みじゃない。名前を書いた瞬間に責任が定着するんです。

これを在宅勤務にも応用します。

見える化のコツ

  • ホワイトボードにその日の会議時間を書く:「10:00〜10:30 Zoom会議」「14:00〜15:00 集中タイム」など。家族が一目でわかるようにする
  • ドアに「会議中」の札を貼る:100均のマグネットシートに「会議中」「話しかけてOK」を書いて、裏表で切り替えるだけ
  • 子どもには「信号」で教える:赤い札=話しかけないでね、青い札=大丈夫だよ、と視覚的に伝えると、年中さんくらいから理解できます。うちの長男(年中)はこの方式で「赤のときはお絵描きタイム」と自分で決めてくれるようになりました

日曜の夜に5分だけ「来週の会議スケジュール」を共有する家族会議を設けると、突発的な「え、今から会議?」が減ります。

対策5:2025年4月の法改正を活用して会社と交渉する

2025年4月1日に施行された改正育児・介護休業法により、3歳未満の子を持つ従業員に対して、企業はテレワークを選択できるよう措置を講ずることが努力義務となりました(厚生労働省公式ページ参照)。

「努力義務」なので強制力はありませんが、会社にテレワーク環境の改善を相談する際の根拠になります。たとえば以下のような交渉が考えられます。

  • コアタイム外の柔軟な勤務:子どもが保育園にいる時間帯(9:00〜16:00)に会議を集中させてもらう
  • テレワーク手当の活用:ヘッドセットやパーティションの購入費用を会社のテレワーク手当で賄えないか確認する
  • 出社日とリモート日の使い分け:重要な会議がある日だけ出社し、集中作業はリモートで行うハイブリッド型を提案する

筆者の周りでも、この法改正をきっかけに「午前中だけリモート」「週2日出社+週3日リモート」に切り替えた共働き家庭が増えています。制度がある以上、使わない手はありません。

FAQ

子どもが急に泣き出してZoom会議が中断してしまったらどうすればいい?

まずマイクをミュートにして、チャットで「少々お待ちください」と一言入れましょう。2026年現在、在宅勤務中の生活音に対する理解は広がっており、厚生労働省も「テレワーク中の子どもの声は問題にすべきでない」という見解を示しています。慌てず対応すれば大丈夫です。

ノイズキャンセルソフト「Krisp」は安全?会社のPCに入れても大丈夫?

Kripは多くの企業で導入実績がある製品ですが、会社支給のPCにインストールする場合は情報システム部門に確認してください。セキュリティポリシーによっては許可が必要な場合があります。個人PCで在宅勤務している場合は問題なく使えます。

賃貸でも使えるおすすめの仕切り方法は?

突っ張り棒+カーテンが最もコスパが良く、原状回復も簡単です。折りたたみ式パーティションも壁に穴を開けずに済みます。2,000〜5,000円程度で購入でき、使わないときは畳んでクローゼットに収納できます。

何歳くらいから子どもに「会議中は静かにして」が伝わる?

一般的に3〜4歳ごろから視覚的なサインを使えば理解できるようになります。「赤い札のときは静かにしようね」とルール化し、守れたら褒めるの繰り返しで定着します。1〜2歳の場合はルール理解が難しいため、別室への移動やパートナーとの交代制が現実的です。

参考文献