USBメモリや外付けHDDをFAT32でフォーマットしようとしたら、「32GBまでしか選べない」という壁にぶつかったことはありませんか?
実はこの制限、技術的な理由ではなく、約30年前にMicrosoftの開発者が「とりあえず」で決めた値がずっと残っていただけなんです。そしてついに2026年、Windows 11のアップデートでこの制限が最大2TBまで解放されました。
この記事では、FAT32の32GB制限がなぜ存在していたのか、2026年4月時点でのWindows 11での対応状況、そしてコマンドプロンプトを使った具体的なフォーマット手順をわかりやすく解説します。
そもそもFAT32って何?NTFS・exFATとの違いをざっくり解説
USBメモリやSDカードをフォーマット(初期化)するとき、「ファイルシステム」を選ぶ画面が出てきます。ここで選べるのがFAT32・NTFS・exFATの3種類です。
ざっくり言うと、ファイルシステムとは「データの整理棚のルール」みたいなもの。どのルールで整理するかによって、対応する機器や保存できるファイルサイズが変わります。
| ファイルシステム | 1ファイルの上限 | 対応機器 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| FAT32 | 4GB | Windows・Mac・ゲーム機・カーナビなど幅広い | 互換性が最も高いが、大きなファイルは保存できない |
| NTFS | 実質無制限 | Windows中心(Macは読み取りのみ) | セキュリティ機能が充実。Windows PCの内蔵ドライブ向け |
| exFAT | 実質無制限 | Windows・Mac・最近のゲーム機 | FAT32の後継。大容量USBメモリ・SDカードに最適 |
ポイントは、FAT32はとにかく互換性が高いということ。古いカーナビ、デジカメ、テレビの録画用USB、ゲーム機(Nintendo Switchなど)では、いまだにFAT32しか認識しない機器が少なくありません。
だからこそ「64GBのUSBメモリをFAT32でフォーマットしたい」というニーズがあるのに、Windowsが32GBまでしか対応していなかった――というのが今回の問題です。
なぜ30年間も「32GB制限」が残っていたのか?
この制限の正体は、1994年ごろにWindows 95の開発者が「仮で」設定した値です。
XenoSpectrumの報道によると、当時Microsoftの開発者だったDave Plummer氏が、FAT32のフォーマットツールに32GBという上限を「とりあえずの値」として設定しました。本来は一時的な措置のつもりだったのに、そのまま約30年間変更されなかったのです。
FAT32の技術的な上限は最大約2TB(512バイトセクタの場合)。つまり、32GBという制限はファイルシステムの限界ではなく、Windowsのフォーマットツール側の制限に過ぎませんでした。
Microsoftとしては「大きなドライブにはNTFSを使ってほしい」という意図もあったようですが、結果として多くのユーザーが「なぜ32GBまでしか選べないの?」と困惑する状況が30年も続いていました。
2026年4月、ついにWindows 11で2TBまで解放!ただし条件あり
窓の杜の報道によると、2026年4月10日にリリースされたWindows 11 Insider Preview(Dev Build 26300.8170 / Beta Build 26220.8165)で、FAT32フォーマットの上限が32GBから2TBに引き上げられました。
ただし、知っておくべき条件があります。
コマンドラインのみ対応(GUIは従来通り)
2026年4月時点では、この2TB対応はコマンドプロンプトの「format」コマンド限定です。エクスプローラーで右クリック→「フォーマット」のメニューや、「ディスクの管理」画面では、引き続き32GBまでしかFAT32を選べません。
Insider Preview版が先行、安定版は順次配信
2026年4月時点ではInsider Preview版に限られていますが、PC Watchの報道によれば、2026年5月以降の月例アップデートで一般ユーザーにも順次配信される見通しです。
ファイル単体の4GB制限は残る
フォーマットの上限は2TBになっても、FAT32の「1ファイルあたり4GBまで」という制限はそのままです。4GBを超える動画ファイルやISOイメージを保存したい場合は、引き続きexFATやNTFSを使う必要があります。
コマンドプロンプトで32GB超のUSBをFAT32フォーマットする手順
Windows 11で2TB対応のアップデートが適用されている環境では、以下の手順で大容量のUSBメモリや外付けドライブをFAT32フォーマットできます。
手順1: コマンドプロンプトを管理者権限で開く
スタートメニューで「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリック→「管理者として実行」を選びます。
手順2: ドライブレターを確認する
フォーマットしたいUSBメモリのドライブレター(E:やF:など)を、エクスプローラーの「PC」画面で確認します。間違えると別のドライブのデータが全部消えるので、ここは慎重に。
手順3: formatコマンドを実行する
以下のコマンドを入力してEnterキーを押します(ドライブレターは自分の環境に合わせて変更)。
format E: /FS:FAT32 /Q
各オプションの意味はこちら:
- E: — フォーマットするドライブのレター(必ず確認!)
- /FS:FAT32 — ファイルシステムをFAT32に指定
- /Q — クイックフォーマット(データ領域のゼロ埋めをスキップして高速化)
確認メッセージが表示されたら「Y」を入力してEnterを押すと、フォーマットが開始されます。
アップデート前のWindows 11でも使える代替方法
まだアップデートが来ていない場合や、Windows 10を使っている場合は、以下の方法でも32GB超のFAT32フォーマットが可能です。
- サードパーティツール: 「GUIFormat(fat32format)」という無料ツールを使えば、GUIで簡単にFAT32フォーマットできます
- PowerShell:
Format-Volume -DriveLetter E -FileSystem FAT32コマンドも利用可能です(ただし時間がかかる場合があります)
結局どのファイルシステムを選べばいい?用途別の使い分けガイド
「FAT32が2TBまで使えるようになったなら、全部FAT32でいいの?」と思うかもしれませんが、答えは「用途による」です。
| 用途 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 古いカーナビ・デジカメ・テレビで使う | FAT32 | FAT32しか認識しない機器がまだ多い |
| Nintendo SwitchのSDカード | FAT32 | Switch本体がFAT32フォーマットを要求する場合がある |
| Windows・Mac両方で使うUSBメモリ | exFAT | 4GB超のファイルも扱えて互換性も高い |
| 4K動画など大きなファイルを持ち運ぶ | exFAT | FAT32の4GB制限に引っかからない |
| WindowsのバックアップやPCの内蔵ドライブ | NTFS | 暗号化・圧縮・アクセス権限などの機能が使える |
つまり、FAT32を選ぶべきなのは「FAT32でないと認識しない機器で使うとき」がメインです。それ以外の一般的な用途では、exFATの方が使い勝手がいいでしょう。
FAQ
Windows 10でもFAT32の32GB制限は解除されますか?
2026年4月時点では、この変更はWindows 11のInsider Preview版のみです。Windows 10への適用は発表されていません。Windows 10では引き続きサードパーティツール(GUIFormatなど)を使う方法が確実です。
右クリックの「フォーマット」メニューからもFAT32で32GB超をフォーマットできますか?
いいえ、2026年4月時点ではコマンドプロンプトの「format」コマンド限定です。エクスプローラーの右クリックメニューやディスクの管理では、従来通り32GBまでの制限が残っています。
FAT32でフォーマットしたら4GB以上のファイルは保存できませんか?
はい、FAT32では1ファイルあたり4GBまでという制限が引き続きあります。4GBを超える動画やISOイメージを保存したい場合はexFATやNTFSを選んでください。
フォーマットするとUSBメモリのデータは全部消えますか?
はい、フォーマットするとドライブ内の全データが削除されます。必ず事前に大切なファイルのバックアップを取ってから実行してください。
参考文献
- FAT32フォーマットのサイズ制限が32GBから2TBへと緩和 -- 窓の杜, 2026年4月
- Windows 11プレビュー版、FAT32フォーマットの32GB上限撤廃 -- PC Watch, 2026年4月
- 30年前の「雨の木曜日」に決まった32GB制限:FAT32が2TBへ解放される背景 -- XenoSpectrum, 2026年4月
- Windows 11 is finally removing the 32GB FAT32 capacity limit -- PCWorld, 2026年
- FAT32 vs exFAT vs NTFS:USBドライブのフォーマット -- Corsair






