PCショップ時代、「突然青い画面が出て再起動した」という持ち込み修理は週に何件も来ていた。お客さんはほぼ全員パニック状態で、画面に出ていた英語のエラー文字なんて覚えていない。自分も最初のころは「とりあえずWindows Updateを当ててみましょう」で済ませていたんですが、それだと当たるも八卦で効率が悪いんですよね。
あるとき先輩に「まず停止コードを読め、話はそれからだ」と言われてから、切り分けの精度が一気に上がった。2026年6月現在、Windows 11(24H2)でもブルースクリーンの基本構造は変わっていない。停止コードを読んで、ソフトかハードかの方向を掴んで、順に潰していく。結局のところ、これが最短ルートなんです。
ブルースクリーンが出たら最初にやること
ブルースクリーンが表示されると、数秒で自動的に再起動してしまうことが多い。慌ててスマホで写真を撮ろうとしても間に合わない場合がほとんどなので、再起動後に「あとから確認する方法」を知っておくほうが現実的です。
方法は2つある。
方法1: 信頼性モニター
Windowsキーを押して「信頼性」と入力し、「信頼性履歴の表示」を開く。カレンダー形式でエラーが時系列に並ぶので、×マークが付いた日をクリックすると「Windows停止エラー」としてブルースクリーンの記録が残っているはずです。PCショップ時代も持ち込みPCを受け取ったらまずこれを開いていた。お客さんの曖昧な「最近おかしい」を日付で特定できるので、初動が圧倒的に速くなる。
方法2: イベントビューアー
Windowsキー + Xから「イベントビューアー」を開き、「Windowsログ」→「システム」を選択。フィルターで「ソース: BugCheck」または「イベントID: 1001」で絞り込むと、停止コード(BugCheckCode)と関連パラメータが記録されています。
イベントビューアーのほうが情報量は多いけど、最初は信頼性モニターで十分。「いつから調子が悪いか」がわかるだけで、Windows Updateやドライバ更新との因果関係が見えてきます。
主な停止コードと原因の方向性
停止コードだけで原因を断定するのは正直むずかしい。ただ、「ソフト寄りかハード寄りか」の方向を掴むには十分なんですよね。15年やっててもこの表は毎回見返すので、手元に置いておくと便利です。
| 停止コード | よくある原因 | 方向性 |
|---|---|---|
| CRITICAL_PROCESS_DIED | システムファイル破損、Windows Update失敗 | ソフト寄り |
| IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL | ドライバの不具合、メモリ不良 | 半々 |
| KERNEL_DATA_INPAGE_ERROR | ストレージの読み取りエラー、SSD/HDD劣化 | ハード寄り |
| SYSTEM_SERVICE_EXCEPTION | ドライバの競合、セキュリティソフトの干渉 | ソフト寄り |
| WHEA_UNCORRECTABLE_ERROR | CPU・メモリの物理故障、過熱 | ハード寄り |
「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」はドライバが原因のこともあればメモリの物理不良のこともあって、一番判断に迷う停止コードだったりする。PCショップ時代にはこの停止コードの持ち込みが体感で一番多かった。
ちなみに、停止コードの横に「失敗した内容: ○○.sys」とドライバファイル名が表示されていることがある。これが出ていたらかなり有力な手がかりになるので、イベントビューアーで確認してメモしておくのをおすすめします。たとえば「ntoskrnl.exe」ならメモリ関連、「dxgkrnl.sys」ならGPUドライバが怪しい、といった具合です。
ソフト側の対処を順に試す
自分の経験上、ブルースクリーンの7割くらいはソフト側の対処で解決する。以下の順番で試していくのが効率的です。
1. Windows Updateを最新にする
「設定」→「Windows Update」で未適用の更新がないか確認。2026年5月配信のKB5089549では、ブート関連の修正やBitLocker回復キーが不要に求められる不具合の修正が含まれています(Microsoft公式)。逆に、Windows Update直後にブルースクリーンが出始めたなら、そのアップデートが原因の可能性がある。自分のDell検証機でもKB5083769のあとにブートループに陥ったことがあって、WinREから「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」で復旧した経験があります。
2. ドライバを更新する(特にGPU・ネットワーク)
デバイスマネージャーを開いて、「!」マークが付いているデバイスがないか確認する。GPUドライバはメーカーの公式サイト(NVIDIAやAMD)から最新版をダウンロードするのが確実。Windows 11 24H2ではDWM(デスクトップウィンドウマネージャー)の変更に伴うGPUドライバとの相性問題が報告されているので、GPU周りは優先的に確認しておきたい。
3. SFC + DISMでシステムファイルを修復する
コマンドプロンプトを管理者権限で開いて、以下を順に実行。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow
DISMを先、SFCを後に走らせるのが正しい順序です(Microsoft Learn)。ただし24H2の初期ビルドにはSFCが毎回「破損を検出し修復しました」と報告する既知バグがあったので、最新のWindows Updateを当ててから実行するのが前提になります。
4. セキュリティソフトの競合を疑う
ぶっちゃけ、これが原因のブルースクリーンはPCショップ時代に何回も見た。特にメーカー製PCに最初から入っているセキュリティソフトの体験版が2つ同時に動いていて、それがぶつかってブルースクリーンを起こしていたケースは印象に残っている。Windows 11にはMicrosoft Defenderが標準搭載されているので、サードパーティ製のセキュリティソフトを一時的にアンインストールして症状が再現するか確認するのが確実です。
5. クリーンブートで原因アプリを絞り込む
Windowsキー + Rで「msconfig」を起動し、「サービス」タブで「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェック。残ったサービスをすべて無効にして再起動する。これでブルースクリーンが止まれば、無効にしたサービスのどれかが犯人。半分ずつ有効に戻していけば特定できます。
ソフトで直らないならハード側を切り分ける
ソフト側を一通り試してもブルースクリーンが再発するなら、ハードウェアの問題を疑う段階に入ります。
メモリ診断
Windowsキーを押して「メモリ診断」と入力し、「Windowsメモリ診断」を起動。「今すぐ再起動して問題の有無を確認する」を選択すると、再起動後にメモリのテストが走ります。標準テストで問題が検出されなくても、拡張テストまで走らせると見つかることがある。より精度の高い検査が必要なら、memtest86+のUSBブートで一晩回すのが確実です。
自分の自作機でもランダムフリーズが頻発したとき、memtest86+でエラーが出たことがある。結局メモリを抜いて端子を無水エタノールで拭いて挿し直したら直ったので、物理故障じゃなくて接触不良だった。メモリの挿し直しだけで解決するパターンは意外と多いので、診断ツールを回す前にまず一度抜き差ししてみるのも手です。
ストレージ診断
CrystalDiskInfoでS.M.A.R.T.情報を確認する。健康状態が「注意」や「異常」になっていたら、すぐにデータをバックアップしてストレージの交換を検討してください。特にKERNEL_DATA_INPAGE_ERRORが出ている場合は、ストレージの読み取り不良が原因である可能性が高い。
最小構成テスト(デスクトップPCの場合)
CPU、メモリ1枚、GPU、起動ドライブだけの最小構成にして症状が再現するか確認する。再現しなければ外したパーツのどれかが原因、再現するならCPU・マザーボード・電源のいずれかを疑う流れです。ノートPCの場合はここまでの分解は現実的ではないので、メーカーの修理窓口に相談するのが無難です。
Windows Update直後のブルースクリーンへの対処
Windows Update後にブルースクリーンが出始めた場合、更新プログラムのアンインストールが有効なことがある。通常起動できるなら「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」→「更新プログラムをアンインストールする」から該当のKBを選択して削除する。
起動すらできない場合は、電源ボタン長押しによる強制シャットダウンを2回繰り返すとWindows回復環境(WinRE)に入れる。「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「更新プログラムのアンインストール」で、最新の品質更新プログラムを削除できます。
Microsoftは問題のある更新に対して「既知の問題のロールバック(KIR)」を自動適用することがあるので、1〜2週間様子を見てから再度Windows Updateを試すのも選択肢の一つ。大型アップデート直後は少し待ってからインストールするのが、15年やっていての自分なりの運用ルールになっています。
FAQ
ブルースクリーンが一度だけ出てその後再発しない場合も対処は必要?
1回だけなら経過観察で問題ないことが多いです。ただし信頼性モニターで日付を記録しておき、1週間以内に再発したらソフト側の対処から始めてください。
ブルースクリーンの画面を長く表示させる方法はある?
「設定」→「システム」→「バージョン情報」→「システムの詳細設定」→「起動と回復」の設定で、「自動的に再起動する」のチェックを外すと、ブルースクリーンが表示されたまま停止します。停止コードをメモしたら手動で再起動してください。
ブルースクリーンが出る頻度が高いとSSDやHDDの寿命に影響する?
ブルースクリーン自体がストレージを直接消耗させることはありませんが、強制再起動の繰り返しでファイルシステムが破損するリスクはあります。頻発する場合は早めに原因を特定して対処するのが安全です。
セーフモードで起動してもブルースクリーンが出る場合はどうすればいい?
セーフモードではサードパーティ製ドライバやサービスが読み込まれないため、それでもブルースクリーンが出るならハードウェア故障の可能性が高い。メモリ診断やストレージ診断を優先して実施してください。
参考文献
- Bug Check Code Reference - Windows drivers — Microsoft Learn
- Stop code error or bug check troubleshooting — Microsoft Learn
- Windows 11 バージョン 24H2 の既知の問題と通知 — Microsoft Learn
- May 12, 2026—KB5089549 (OS Builds 26200.8457 and 26100.8457) — Microsoft Support






