自分のメイン機(Ryzen 9 7900X / RTX 4070 Super)でWindows Update後にこれが出た。Chromeでタブを5〜6個開いていると、いきなり灰色の画面に「Aw, Snap!」と表示されてページが落ちる。エラーコードはSTATUS_ACCESS_VIOLATION。特定のサイトではなく、ランダムに起きるから厄介だった。
結局のところ、犯人はGPUドライバとChromeの描画エンジン(ANGLE)の相性問題だった。ハードウェアアクセラレーションを完全にオフにすれば止まるけど、それだとGPU描画の恩恵がゼロになる。本命の対処はANGLEバックエンドの切り替えで、これならGPU性能を活かしたまま安定動作させられる。
エラーの正体はメモリアクセス違反
STATUS_ACCESS_VIOLATION(エラーコード 0xC0000005)は、Chromeのプロセスが割り当てられた範囲外のメモリを読み書きしようとしたときに出るエラーだ。難しく聞こえるけど、要はChromeの内部で何かがぶつかって落ちている。
2026年に入ってからWindows 11 24H2環境でこのエラーの報告が増えていて、Googleの公式コミュニティにも多数のスレッドが立っている。原因は主に3つに絞られる。
- GPUドライバとChromeのANGLE描画エンジンの衝突。Windows Update後にGPUドライバのバージョンがずれたり、ChromeのANGLEがデフォルトで選ぶ描画パス(Vulkan/D3D11)とドライバの相性が悪いケースがある。自分のRTX 4070 Superでもこれが原因だった
- 拡張機能のコード注入。品質の低い拡張機能がWebページにスクリプトを注入し、メモリ破壊を起こすパターン
- Chromeのユーザープロファイル破損。長期間使っているプロファイルのデータが壊れて、起動時にクラッシュを繰り返す
まずは拡張機能とプロファイルの問題を切り分けるために、Ctrl+Shift+Nでシークレットウィンドウを開いて使ってみる。シークレットモードでもクラッシュするなら、犯人はGPUドライバ側の可能性が高い。
ハードウェアアクセラレーションをオフにして切り分ける
シークレットモードでもクラッシュする場合、GPUが原因かどうかを確認する最短ルートがある。
Chromeのアドレスバーにchrome://settings/systemと入力してEnter。「グラフィック アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」をオフにしてChromeを再起動する。
これでクラッシュが止まったなら、犯人はGPU周りで確定だ。ただし、ハードウェアアクセラレーションを切ったままだとYouTubeの4K再生やWebGLを使ったサイトが重くなる。あくまで「GPUが犯人か」を確認するための診断ステップであって、これが最終解決ではない。
ANGLEバックエンドをD3D11に切り替える
GPU描画性能を維持したままクラッシュを止める本命の対処法がこれだ。
Chromeのアドレスバーにchrome://flags/#use-angleと入力してEnter。「Choose ANGLE graphics backend」という項目が表示されるので、ドロップダウンを「Default」から「D3D11」に変更する。変更後、画面下部に表示される「Relaunch」ボタンでChromeを再起動。
自分のメイン機ではD3D11に切り替えた後、ハードウェアアクセラレーションをオンに戻してもクラッシュが再発しなくなった。GPU描画も有効なままなので、YouTubeの4K再生もWebGLも普通に動く。
なぜこれで直るのか。ANGLEはChromeがGPUを使って描画するときの中間レイヤーで、デフォルトではOS環境に応じてVulkanやD3D11を自動選択する。この自動選択がWindows Update後のドライバと噛み合わないケースがあり、D3D11を明示的に指定すると衝突を回避できるという仕組みだ(ちなみに15年やっててもこの手のフラグ設定は毎回ググる)。
設定後、chrome://gpuをアドレスバーに入力して開くと、現在の描画状態を一覧で確認できる。「GL_RENDERER」の行に「ANGLE (... Direct3D11 ...)」と表示されていればD3D11で動作している。「Software only」や「Disabled」の項目が多い場合はGPU側に別の問題がある可能性がある。
ANGLEを変えても直らない場合
ANGLEバックエンドを変更しても解消しない場合、GPUドライバ自体が破損している可能性がある。PCショップ時代にも、Windows Updateの直後にGPUドライバのバージョンが勝手に巻き戻されてChromeがクラッシュしていた持ち込みは何台か見た。
DDU(Display Driver Uninstaller)でGPUドライバをクリーンインストールする。DDUの公式サイトからダウンロードし、セーフモードで実行してGPUドライバを完全削除する。その後、NVIDIA公式サイトやAMD公式サイトから最新ドライバをクリーンインストールする。Windows Update経由ではなく、必ずメーカー公式サイトから手動で入れること。
Chromeのプロファイルをリセットする。エクスプローラーのアドレスバーに%LOCALAPPDATA%\Google\Chrome\User Data\と入力し、「Default」フォルダを「Default_Backup」にリネームしてからChromeを起動する。ブックマークや履歴はGoogleアカウントの同期で復元できるが、拡張機能の設定は手動でやり直す必要がある。
chrome://conflictsで競合モジュールを確認する。セキュリティソフトや常駐アプリがChromeにコードを注入していないか確認できる。「ステータス: 競合が検出されませんでした」以外が表示されていたら、該当ソフトの一時停止を試す。
FAQ
ANGLEバックエンドをD3D11に変更するとChromeの描画性能は下がる?
D3D11はDirectX 11ベースの描画パスで、Windows環境では十分に安定した選択肢。デフォルト設定(自動選択)と比較して体感できるほどの性能差はほとんどない。Vulkanのほうが理論上は高速な場面もあるが、安定性を優先するならD3D11が無難だ。
Edgeでも同じSTATUS_ACCESS_VIOLATIONエラーが出る。同じ対処法で直る?
EdgeもChromiumベースなので、ANGLE描画エンジンの仕組みは共通している。Edgeの場合はedge://flags/#use-angleで同様にD3D11を指定できる。DDUによるGPUドライバのクリーンインストールも有効。
chrome://flags の設定はChromeのアップデートでリセットされることがある?
Chromeのメジャーアップデートでflagsの項目が変更・削除されることがある。アップデート後にクラッシュが再発した場合は、chrome://flags/#use-angleを再確認して設定が残っているか確認する。項目自体が消えていた場合は、Chromeのバージョンアップで問題が修正された可能性もあるので、まずはデフォルト設定で様子を見る。
GPUドライバを更新したら直ることもある?
2026年6月時点で、NVIDIAもAMDもWindows 11 24H2向けのドライバ修正を複数リリースしている。DDUでクリーンインストールする前に、まずメーカー公式サイトで最新ドライバに更新してみるのも手。ただし、Windows Updateが古いドライバに巻き戻す既知の問題(Microsoft公式で認知済み)があるため、「デバイスのインストール設定」でドライバの自動更新をオフにしておくことを推奨する。
参考文献
- Error code: STATUS_ACCESS_VIOLATION — Google Chrome Community, 2026
- Windows 11, version 24H2 known issues and notifications — Microsoft Learn, 2026
- ANGLE - Almost Native Graphics Layer Engine — Chromium / Google, ANGLE プロジェクト公式
- Chrome STATUS_ACCESS_VIOLATION on Windows 11 with NVIDIA — NVIDIA GeForce Forums






