自作機でゲームをしているときに、2〜3秒だけ画面がカクッと止まって、何事もなかったかのように戻る。完全にフリーズするわけでもないし、ブルースクリーンが出るわけでもない。自分のメイン機(Ryzen 9 7900X + RTX 4070 Super)でもこの症状に遭遇して、最初は「GPUがおかしいのか?」と疑ったんですが、結局SATA SSDの省電力設定が犯人でした。

PCショップ時代にも「数秒だけ固まる」という持ち込みはかなり多くて、原因が1つに絞れないから切り分けに時間がかかるんですよね。ただ、LatencyMonというフリーソフトを使えば、どのドライバがPCの動作を止めているのかピンポイントで特定できます。2026年7月時点のWindows 11 24H2環境での手順をまとめておきます。

プチフリーズのとき、PCの中では何が起きているのか

Windowsは裏側でハードウェア割り込み(ISR)と遅延プロシージャ呼び出し(DPC)という仕組みでドライバの処理を回しています。ざっくり言うと、ドライバがCPUを「ちょっと待って」と独占する時間が長すぎると、マウスカーソルもアプリも止まって見える。これがプチフリーズの正体です。

完全フリーズと違って数秒で戻るのは、独占が解除されればWindowsが正常に動き出すから。ブルースクリーンにならない分、放置しがちなんですが、ゲームや動画編集中に起きると操作が飛ぶこともある。地味にストレスが大きい。

2026年7月現在のWindows 11 24H2では、DWM(Desktop Window Manager)の描画処理が変更された影響で、GPUドライバ起因のプチフリーズ報告が増えています。Microsoft Q&Aのスレッドでも、24H2アップデート後にスタッタリングが発生するという報告が複数上がっています。

LatencyMonで「犯人ドライバ」を特定する

LatencyMon(レイテンシモニター)は、どのドライバがDPCレイテンシを引き上げているかをリアルタイムで計測してくれるフリーソフトです。公式サイトからダウンロードでき、2026年7月時点の最新バージョンは7.31。インストールは数秒で終わります。

使い方はシンプルで、起動したら緑の再生ボタンを押すだけ。プチフリーズが起きるまでしばらく放置するか、いつもフリーズが起きる操作(ゲームや動画再生など)を再現してください。

見るべきポイントは「Drivers」タブの「Highest execution (ms)」列。ここで数値が1.0msを大きく超えているドライバがいたら、そいつが犯人の可能性が高いです。自分の経験だと、犯人は大きく3方向に分かれます。

  • storport.sys / storahci.sys:SSDの省電力機能(LPM)が原因
  • dxgkrnl.sys / nvlddmkm.sys:GPUドライバが原因
  • USBPORT.sys / usbhub3.sys:USBの省電力設定が原因

(ちなみに自分は最初、LatencyMonの画面を見て何がなんだかわからなかったんですが、「Drivers」タブだけ見ればいいと気づいてからは話が早かったです)

犯人別の対処法

storport.sys / storahci.sys が犯人のとき

SATA SSD搭載機で一番多いパターン。自分のメイン機でも、SATA SSDを使っていた時代にまさにこの症状が出て、電源オプションの変更だけで直りました。

コントロールパネルの「電源オプション」を開き、使用中のプランの「プラン設定の変更」から「詳細な電源設定の変更」へ進みます。「AHCI Link Power Management - HIPM/DIPM」の項目を「Active」に変更してください。SSDが省電力モードに入らなくなるので、復帰時のカクつきが消えます。

この項目が表示されない場合はNVMe SSDの可能性が高い。NVMe SSDではLPMの問題は起きないので、別の犯人を探してください。

dxgkrnl.sys / nvlddmkm.sys が犯人のとき

GPUドライバが犯人なら、まずDDU(Display Driver Uninstaller)をセーフモードで実行してドライバを完全に削除し、GPUメーカー公式サイトから最新ドライバをクリーンインストールします。15年やっててもGPUドライバの問題はDDUに頼るのが結局一番確実なんですよね。

DDUだけで直らない場合は、MPO(マルチプレーンオーバーレイ)の無効化を試します。レジストリエディタで HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\DwmOverlayTestMode(DWORD値)を新規作成して値を 5 に設定し、PCを再起動。工房の検証機でこれを試したら、Chrome系アプリの表示崩れがぱたっと止まったことがあります。

MPO無効化は公式サポート外の手順なので、実施前に復元ポイントを手動で作成しておいてください。自分は工房の全7台で、レジストリ変更の前に必ず復元ポイントを作るルールにしています。

USBPORT.sys / usbhub3.sys が犯人のとき

デバイスマネージャーの「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」配下にある各USBルートハブのプロパティを開き、「電源の管理」タブで「コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」のチェックを外します。加えて、電源プランの詳細設定で「USBのセレクティブサスペンドの設定」を「無効」に変更。

デスクトップPCでUSBの省電力が必要な場面はほぼないので、最初からオフにしておくのが安全です。ゲーム中にUSBコントローラーが切断される症状も、この設定で直ることが多い。

24H2環境で追加で確認しておくこと

24H2ではDWMの描画パイプラインが変更されており、GPUドライバとの相性問題が起きやすくなっています。Microsoft Q&Aでも、dxgkrnl.sysが高DPCレイテンシを引き起こすケースが2026年に入ってから報告されている状況です。

24H2固有の対処として、まずWindows Updateを最新まで適用してください。KB5089549(2026年5月配信)にはexplorer.exeの信頼性改善が含まれており、DWM関連のフリーズも軽減されたという報告があります。ドライバとWindows Updateの両方を最新にした上でLatencyMonを走らせると、切り分けの精度が上がります。

ぶっちゃけ、プチフリーズは原因が1つじゃないケースもあります。SSD LPMとGPUドライバの複合要因だったり、USBデバイスの省電力が絡んでいたり。LatencyMonで犯人が複数見えたら、レイテンシが大きいものから順に1つずつ潰していくのが遠回りに見えて一番確実です。

FAQ

LatencyMonは無料で使えますか?

Home Editionは個人利用で完全無料です。公式サイトからダウンロードできます。Professional Editionは有料ですが、プチフリーズの犯人特定ならHome Editionで十分です。

NVMe SSDでもプチフリーズは起きますか?

NVMe SSDではSATA特有のLPM問題は発生しませんが、GPUドライバやUSB省電力が原因のプチフリーズは起こりえます。LatencyMonの「Drivers」タブで犯人を確認してください。

LatencyMonで異常が見つからない場合は?

ドライバ以外の原因として、メモリの接触不良やSSDの劣化(CrystalDiskInfoで健康状態を確認)、Windows Update直後のインデックス再構築が考えられます。タスクマネージャーでCPUやディスク使用率が張り付いていないかも確認してみてください。

プチフリーズを放置するとPCが壊れますか?

プチフリーズ自体でハードウェアが壊れることはほぼありません。ただし、原因がSSDの劣化やメモリ接触不良だった場合は症状が悪化する可能性があるため、LatencyMonで原因を切り分けておくに越したことはないです。

参考文献