パソコンを使っていると、数秒だけ画面が固まって、何もしていないのにスッと動き出す。操作中にカクッと引っかかって、またすぐ戻る。完全に止まるわけじゃないから「まあいいか」と放置しがちなんですよね。

PCショップ時代にもこの症状の持ち込みは多かった。「フリーズするんです」と言われて触ってみると、数秒で勝手に復帰する。お客さんは故障を疑って来るんだけど、ぶっちゃけ原因はWindowsの設定かドライバであることがほとんどなんです。

この記事では、Windows 11で起きる「プチフリーズ」の代表的な原因5つと、それぞれの直し方を解説します。2026年5月時点の情報です。

プチフリーズと「完全フリーズ」は何が違う?

まず整理しておきたいのが、プチフリーズと完全フリーズは別物だということ。

完全フリーズは、マウスカーソルも動かない、Ctrl+Alt+Deleteも効かない、電源ボタン長押しで強制終了するしかない状態。一方プチフリーズは数秒から十数秒だけ操作を受け付けなくなって、その後は何事もなかったかのように復帰します。

プチフリーズは放置しても使えてしまうのが厄介なんですよね。でも頻度が増えてくると作業にならない。原因はソフトウェア側にあることが大半なので、以下の5つを順にチェックしてみてください。

原因1 ── SSDの省電力機能「LPM」が悪さしている

プチフリーズの原因として意外と多いのが、SSDの省電力機能「LPM(Link Power Management)」です。SATA接続のSSDで、使っていないときにリンクの電力を落とす仕組みなんですが、復帰のタイミングで一瞬固まることがある。自分のメイン機でも数年前に同じ症状に遭遇しました。

直し方は電源オプションの変更です。

  1. スタートメニューで「電源プランの編集」と検索して開く
  2. 「詳細な電源設定の変更」をクリック
  3. 「AHCI Link Power Management - HIPM/DIPM」を探して「Active」に変更する
  4. 「OK」で閉じて再起動

この項目が表示されない場合は、レジストリエディターで対処します。HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\storahci\Parameters\Device を開き、「NoLPM」という名前の複数行文字列値(REG_MULTI_SZ)を新規作成して、値に「*」を入力してください。再起動後に反映されます。

ちなみにNVMe接続のSSDではLPMは関係ないので、この設定を変えても効果はありません。自分のSSDがSATAかNVMeかわからない場合は、タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブでディスクの型番を確認して検索するのが早いです。

原因2 ── GPUドライバの不具合

グラフィックドライバの更新直後や、Windows Update経由でドライバが自動更新された後にプチフリーズが始まることがあります。

まずは現在のドライババージョンを確認しましょう。デバイスマネージャーを開いて「ディスプレイアダプター」を展開、GPUを右クリック→「プロパティ」→「ドライバー」タブで日付とバージョンが出ます。

ドライバ更新直後に症状が出始めた場合は、同じ画面の「ドライバーを元に戻す」で前のバージョンに戻せます。ボタンがグレーアウトしている場合は、NVIDIAの公式サイトAMDの公式サイトから以前のバージョンを手動でダウンロードしてください。

結局のところ、ドライバ周りのトラブルはDDU(Display Driver Uninstaller)でセーフモードから完全削除してクリーンインストールが一番確実です。15年自作やっててもGPU載せ替えやドライバ更新のたびにDDUは通すようにしています(面倒だけど、結局これが近道なんですよね)。

原因3 ── Windows 11 24H2の「ウィンドウ ゲームの最適化」

これ意外と知らない人多いんですよね。

Windows 11 24H2で追加された「ウィンドウ ゲームの最適化」という機能が、ゲーム以外の通常アプリでもプチフリーズを引き起こすケースがあります。Microsoft Community Hubでも多数の報告が上がっている既知の問題です。

オフにする手順はシンプル。

  1. 「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「グラフィック」を開く
  2. 「既定のグラフィックス設定を変更する」をクリック
  3. 「ウィンドウ ゲームの最適化」をオフにする
  4. パソコンを再起動する

2026年5月時点では、Microsoftが修正パッチ(KB5062660)を配信済みです。まずはWindows Updateを最新まで適用してみて、それでもまだ症状が出る場合にこの設定をオフにしてみてください。

原因4 ── メモリ整合性(コア分離)の負荷

Windows 11ではセキュリティ機能「メモリ整合性」がデフォルトでオンになっている場合があります。仮想化ベースのセキュリティ(VBS)を使ってカーネルを保護する仕組みで、古いドライバとの相性問題やCPU負荷の増加でプチフリーズの原因になることがあるんです。

確認と無効化の手順。

  1. 「Windows セキュリティ」を開く
  2. 「デバイスセキュリティ」→「コア分離の詳細」をクリック
  3. 「メモリ整合性」のトグルを確認する

オンになっていてプチフリーズが頻発する場合は、一度オフにして症状が改善するか確認してみてください。改善したらドライバの互換性が原因の可能性が高いので、各デバイスのドライバを最新版に更新してからオンに戻すのが理想です。

セキュリティ機能なので、オフにしたまま放置するのはおすすめしません。あくまで原因の切り分け用として使ってください。

原因5 ── Windows Updateのバックグラウンドタスク

PCショップ時代、「メモリが足りないのでは」と持ち込まれたPCの体感8割が、バックグラウンドサービスの暴走でした。プチフリーズも構造は同じで、裏で動いているWindows Updateの関連タスクが犯人であることが少なくない。

2026年1月以降は特に注意が必要です。セキュアブート証明書の更新タスク(Microsoft\Windows\PI\Secure-Boot-Update)がバックグラウンドで定期的に走り、一時的にシステムが固まる事例が複数報告されています。

もう一つ確認してほしいのが「配信の最適化」。Windows UpdateのファイルをP2Pで他のPCと共有する機能で、ネットワークとディスクI/Oを圧迫します。

  1. 「設定」→「Windows Update」→「詳細オプション」→「配信の最適化」を開く
  2. 「他のPCからのダウンロードを許可する」をオフにする

工房の検証機でも配信の最適化がメモリを数GB消費していたことがあって、P2P共有をオフにしたらアイドル時のメモリ使用率が40%台に戻りました。プチフリーズだけでなく全体的なもっさり感にも効くので、試す価値はあります。

5つ試しても直らないときのチェックリスト

ここまでの5つで改善しない場合は、ハードウェア側の可能性も視野に入れてください。

  • SSDの健康状態: CrystalDiskInfoで「注意」や「異常」が出ていないか確認
  • メモリの接触不良: メモリを一度抜いて端子を清掃し、しっかり挿し直す。自分もこれでランダムフリーズが直った経験がある
  • CPU/GPU温度: HWiNFOでプチフリーズ発生時の温度を確認。90度超えならサーマルスロットリングの可能性あり
  • クリーンブート: サードパーティのサービスとスタートアップを全て無効にして症状が消えるか確認する(Microsoft公式手順

クリーンブートで直る場合は、原因はソフトウェアです。サービスを半分ずつ有効に戻して犯人を特定してください。直らない場合はハードウェア故障の線が濃くなるので、メモリ診断やストレージ診断に進みましょう。

FAQ

プチフリーズはSSDの寿命が近いサインですか?

SSDの寿命でプチフリーズが起きることはありますが、原因のほとんどはソフトウェア設定です。まずCrystalDiskInfoで健康状態を確認して、「正常」と表示されるならSSDの寿命ではなく、この記事の5つの原因を順にチェックしてみてください。

プチフリーズはメモリ不足が原因ですか?

メモリ不足でもプチフリーズは起きますが、タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブでメモリ使用率を確認してください。常時80%を超えていなければ、メモリ不足よりもSSD省電力設定やドライバの問題を先に疑うべきです。

NVMe SSDでもプチフリーズは起きますか?

はい、起きます。ただし原因1のLPM(リンク電源管理)はSATA SSD固有の問題です。NVMe SSDの場合はGPUドライバやウィンドウゲームの最適化など他の原因を優先して確認してください。NVMe固有の問題としてはファームウェアの不具合があるため、メーカーサイトで最新版を確認するのも有効です。

ゲーム中だけプチフリーズするのは何が原因ですか?

ゲーム中限定なら、原因3の「ウィンドウ ゲームの最適化」とGPUドライバの2つが有力です。DirectXシェーダーキャッシュの破損も原因になるため、「設定」→「システム」→「ストレージ」→「一時ファイル」から「DirectX シェーダー キャッシュ」を削除してみてください。

プチフリーズの原因を自分で特定する最短の方法は?

クリーンブートが最短です。サードパーティのサービスとスタートアップを全て無効にした状態で症状が消えるか確認し、消えた場合はサービスを半分ずつ有効に戻して犯人を絞り込めます。消えなければハードウェア側の問題なので、CrystalDiskInfoとメモリ診断に進んでください。

参考文献