妻のノートPC(HDD搭載機)を24H2に上げた直後、タスクマネージャーを開いたらディスク使用率が100%に張り付いて、操作がまともにできなかったことがある。サインインしてからデスクトップが使えるようになるまで、とにかく長かった。
この「サインイン後が長い」という症状、電源を入れてからロゴが出るまでの遅さとは別物だ。原因の探し方も違うので、先に時間を測って、どこが長いのかを決めるところから始める(2026年10月時点の24H2環境が前提)。
まず「どこが遅いか」をストップウォッチで3つに分ける
スマホのタイマーで十分。電源ボタンを押した瞬間から計る。
- 区間A:電源ON〜サインイン画面(パスワード入力欄)が出るまで
- 区間B:パスワード入力〜「ようこそ」が消えてデスクトップが映るまで
- 区間C:デスクトップが映ってから、マウスやアイコンが普通に反応するまで
この記事で扱うのはBとC。Aが長いなら、BIOS(UEFI)の起動設定やSSD・HDDの状態、高速スタートアップのほうを疑う話になる。そちらは高速スタートアップの記事に書いたとおりで、自分のメイン機(NVMe)で測ったときは有効で約8秒、無効で約12秒だった。数秒の差だ。
Bが長いのかCが長いのか。ここを間違えると、スタートアップアプリを全部切っても何も変わらない、という空振りになる。
イベントビューアーのイベントID 100で起動時間を数字にする
体感だと「5分」が実は90秒だった、なんてことも普通にあるので、Windowsが記録している起動時間も見ておきたい。
- スタートボタンを右クリックして「イベント ビューアー」を開く
- 左のツリーで「アプリケーションとサービス ログ」→「Microsoft」→「Windows」→「Diagnostics-Performance」→「Operational」
- 右側の「現在のログをフィルター」でイベントIDに
100を入力
詳細タブを開くと、BootTime(起動全体)、MainPathBootTime(デスクトップが出るまで)、BootPostBootTime(出たあとの落ち着くまで)がミリ秒で並ぶ。MainPathBootTimeが長ければ区間Bまで、PostBootTimeが長ければ区間Cが主犯、という見方になる。ちなみに自分はこの画面を開くたびに場所を忘れて毎回ググっている。
イベントID 100が見つからない起動もある。その場合はストップウォッチの結果だけで進めて問題ない。
区間Bが長いとき:ユーザーのサインイン処理を疑う
パスワードを入れたあとの「ようこそ」の間、Windowsはそのユーザーの設定やプロファイルを読み込んでいる。ここで引っかかる典型は次のあたり。
USB機器やネットワークドライブを外してみる
反応の遅いUSBメモリや外付けHDD、電源の入っていないNASのドライブ割り当てがあると、サインイン処理が相手の返事待ちになることがある。持ち込み修理でも、周辺機器を外して切り分けるのは初手の定番だった。
やり方は簡単で、USBは全部抜いて、有線LANも外し、Wi-Fiを切った状態で再起動して時間を測る。それで縮むなら、1つずつ戻して犯人を探す。
別のユーザーを作って同じ時間かどうか見る
これが意外と効く切り分けだ。「設定」→「アカウント」→「その他のユーザー」から、テスト用のローカルユーザーを作ってサインインしてみる。
- テスト用ユーザーだと速い → 元のユーザー側の問題(プロファイルの肥大化、常駐アプリ、同期フォルダ)
- テスト用ユーザーでも遅い → PC全体の問題(ストレージ、システムファイル、更新処理)
テスト用ユーザーは確認が終わったら削除しておけばいい。
OneDriveの同期が重なっていないか
デスクトップやドキュメントをOneDriveで同期している環境だと、サインイン直後に大量のファイルの確認が走ることがある。環境によって差が大きく、自分の機体では再現していないので断定はしない。確かめるなら、タスクバーのOneDriveアイコンから同期を一時停止して、再起動後の時間を比べる。手順はMicrosoftのOneDriveの同期のキャンセル・停止の案内にある。
区間Cが長いとき:スタートアップの影響度を見る
デスクトップは出たのに何もクリックできない状態が続くなら、起動と同時に動き出すアプリが渋滞している。Ctrl+Shift+Escでタスクマネージャーを開き、「スタートアップ アプリ」を見る。
Microsoftのスタートアップ アプリケーションの構成によると、タスクマネージャーでは各アプリの「起動への影響」が「影響が高い」「影響の中」「影響が小さい」などで表示される。判定基準はCPU使用時間とディスク使用量だ。まず「影響が高い」から順に、本当に毎回起動しなくていいものを無効にする。無効にするだけでアンインストールではないので、困ったらすぐ戻せる。
PCショップ時代に、メーカー製ノートでスタートアップに22個登録されていた機械を受け取ったことがある。セキュリティソフトの体験版、クラウド同期、メーカー独自ユーティリティと、見事に全部入りだった。整理しただけで別の機械みたいになったので、メモリ増設の見積もりは出さずに済んだ。
無効にしてはいけないのは、セキュリティソフト、タッチパッドやキーボードのドライバ系、プリンターの本体ユーティリティあたり。名前を見て迷ったら、そのアプリ名で検索してから決める。
ストレージがHDDなら、設定いじりより効く手がある
冒頭の妻のノートは、原因がまさにこれだった。24H2へのアップグレード直後はインデックスの再構築なども重なって、HDDだとディスク使用率が100%に張り付く。タスクマネージャーでディスク列を並べ替えると、犯人がすぐ見える。詳しくはディスク使用率100%の記事に書いた。
その後にSSDへ換装したら、起動は別物になった。HDD搭載機で、設定を削っても数十秒しか縮まないなら、換装のほうが話が早い。パーツ代は4,000円ほどだった。
ただしCrystalDiskInfoで健康状態が「注意」なら、先にバックアップだ。ここだけは順番を間違えないでほしい。
それでも直らないとき
ここまでで縮まないなら、サービスやドライバの干渉を疑う。クリーンブートの手順で、Microsoft以外のサービスを止めた状態の時間を測る。それで速くなるなら、止めたものの中に犯人がいる。
システムファイルの破損が気になるなら、管理者権限のコマンドプロンプトで DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth、続けて sfc /scannow の順に実行する。順序はこれが正しい。
起動のたびに黒い画面で止まる、ロゴの先に進まないといった重い症状なら、回復環境の出番になる。事前に回復ドライブを作っておくと、いざというときに慌てない。最後の手段は「このPCをリセット」だが、その前にバックアップを取っておくこと。
FAQ
「ようこそ」の画面は何分まで待てばいいですか?
更新プログラムの適用直後は数分かかることがあり、アクセスランプが点滅していれば処理中の可能性が高いです。ランプが消えたまま1時間以上動かないなら止まっていると判断し、電源ボタン長押しで強制終了します。
高速スタートアップをオフにすれば「ようこそ」は短くなりますか?
主に効くのは電源ONからの区間Aです。サインイン後の区間Bは別の処理なので、オフにしても縮まないことが多いです。USBの認識不良などが出ていないなら、無理に切る必要はありません。
スタートアップアプリを無効にすると、そのアプリは使えなくなりますか?
いいえ。自動起動しなくなるだけで、手動なら普通に起動できます。設定アプリの「アプリ」→「スタートアップ」でオンに戻せば、元の状態になります。
新しく作ったユーザーでは速いのに、元のユーザーだけ遅いのはなぜですか?
元のユーザー側にだけ、重い常駐アプリや肥大化した設定、同期中のフォルダがあるためです。テスト用ユーザーで必要なデータを移して乗り換える手もありますが、先にスタートアップの見直しを試すほうが安全です。
参考文献
- Windows でスタートアップ アプリケーションを構成する — Microsoft サポート
- Windows で PC のパフォーマンスを向上させるためのヒント — Microsoft サポート
- OneDrive で同期をキャンセルするか、または停止する方法 — Microsoft サポート
- Windows の回復オプション — Microsoft サポート






