「新しいスマホにデータを移したのに、翌朝の改札でモバイルSuicaが反応しない!」——機種変更あるあるの中でも、通勤・通学の朝に発覚する交通系ICの移行トラブルはダメージが大きいですよね。
実はモバイルSuicaやモバイルPASMOは、写真やLINEのように「データコピー」では移行できません。旧端末で「サーバー退避」という専用の手続きをしないと、新しいスマホでは一切使えないんです。
この記事では、2026年4月時点の最新情報をもとに、モバイルSuica・PASMOの正しい機種変更手順と、うっかり忘れたときの復旧方法をわかりやすく解説します。
なぜデータ移行だけではダメなのか?交通系ICの「特殊な仕組み」
スマホの機種変更では、iPhoneなら「クイックスタート」、Androidなら「Googleバックアップ」で大半のアプリやデータを一括で移せます。でも、モバイルSuicaやPASMOはこの一括移行の対象外なんです。
理由はシンプルで、交通系ICカードのデータは端末内のFeliCaチップ(おサイフケータイの心臓部)に直接書き込まれているから。クラウド上にあるデータと違って、物理的なチップに紐づいているので、「コピー」という概念が使えません。
つまり、旧端末のFeliCaチップからデータを一旦サーバーに預けて(=サーバー退避)、新端末のFeliCaチップに書き戻す——この2ステップが必須なんです。これを知らずに旧端末を初期化したり、下取りに出したりすると、改札で「ピッ」と鳴らない地獄が待っています。
【機種変更前】モバイルSuica・PASMOの正しい移行手順
ここからは、iPhone・Android別にサーバー退避の具体的な手順を説明します。所要時間はたったの2〜3分なので、機種変更の前に必ずやっておきましょう。
iPhoneからiPhoneへ移行する場合
Suicaの場合:
- 旧iPhoneで「ウォレット」アプリを開く
- 移行したいSuicaカードをタップ
- 右上の「…」→「カードの詳細」→「カードを削除」をタップ
- 新iPhoneの「ウォレット」アプリで「+」→「以前のカード」からSuicaを選んで追加
iPhoneの場合、「カードを削除」すると自動的にサーバーに退避されます。残高や定期券の情報はそのまま引き継がれるので安心してください。
PASMOの場合:
Suicaとほぼ同じ手順です。旧iPhoneのウォレットアプリからPASMOを削除し、新iPhoneのウォレットで「以前のカード」から復元します。Apple PayのPASMO公式サイトに画面付きの詳細手順が載っています。
AndroidからAndroidへ移行する場合
Suicaの場合:
- 旧端末で「モバイルSuica」アプリを開く
- 「会員メニュー」→「カードを預ける(機種変更)」をタップ
- 続けて「おサイフケータイ」アプリが起動するので、そちらでも「カードを預ける」をタップ
- 新端末で「モバイルSuica」アプリをインストールし、「以前の端末からSuicaを移行する(機種変更)」を選択
- 旧端末と同じID・パスワードでログイン
2025年7月からはGoogle ウォレットアプリでもSuica・PASMOの移行が可能になりました。Google ウォレットのSuicaページにある「別のデバイスに移行」をタップすると、Googleアカウントにデータがクラウド保存され、新端末で簡単に復元できます。
PASMOの場合:
Android版PASMOのサーバー退避は、モバイルPASMOアプリではなく「おサイフケータイ」アプリから行うという点に注意が必要です。おサイフケータイアプリで「カードを預ける(機種変更)」をタップしてください。
iPhone↔Android間の移行は要注意!
ここが最大の落とし穴です。iPhoneからAndroid、またはAndroidからiPhoneへの直接移行はできません。OS間で移行する場合は以下の手順になります。
- 旧端末でSuica/PASMOを退会(払い戻し)する
- 残高が登録クレジットカードまたは口座に返金される
- 新端末で新規にSuica/PASMOを作成し、チャージし直す
定期券が残っている場合は、有効期限内であれば払い戻し額に含まれますが、手数料(Suicaの場合220円)がかかります。定期券の更新時期に合わせて機種変更するのが賢い方法です。
【やらかした人向け】サーバー退避を忘れたときの復旧方法
「もう旧端末を初期化しちゃった」「下取りに出してしまった」という場合でも、まだ諦めないでください。復旧方法はあります。
旧端末が手元にない場合(Android)
- PCまたは別の端末からモバイルSuica会員メニューサイトにアクセス
- 「再発行登録(利用停止)」を行う
- 新端末でモバイルSuicaアプリを開き、「再発行登録をした方」から手続き
注意: 再発行登録した当日は定期券のみ利用可能です。チャージ残高(SF)は翌朝5:00以降に受け取れるようになります。つまり、朝の通勤には間に合わない可能性があるので、現金やクレジットカードで切符を買う準備をしておきましょう。
旧iPhoneが手元にない場合
iPhoneの場合はもう少し簡単です。
- 新iPhoneで同じApple IDでサインインする
- ウォレットアプリで「+」→「以前のカード」を確認
- 旧端末のSuica/PASMOが表示されるので、タップして追加
Apple IDに紐づいているため、旧端末が手元になくても復旧できるケースが多いです。表示されない場合は、Appleサポートに問い合わせましょう。
モバイルPASMOの再発行
モバイルPASMOの場合は、モバイルPASMOサポートセンターに電話で問い合わせるのが確実です。会員登録済みであれば、サポート側でサーバー退避の処理をしてもらえます。
機種変更前に確認すべき5つのチェックリスト
二度と「改札で止まる」を経験しないために、機種変更前にこのリストを確認しましょう。
- 改札の外で手続きする — 入場中(改札内)ではサーバー退避ができません。必ず出場後に行いましょう
- 手続き可能時間を確認 — モバイルSuicaのサーバー退避は午前5:00〜午後11:45まで。深夜帯はメンテナンスのため手続きできません
- OSをまたぐ場合は「退会→新規作成」 — iPhone↔Androidの移行は直接移行不可。払い戻しが必要です
- ログインID・パスワードをメモする — 新端末で復元するときに必要です。忘れた場合はパスワード再設定が必要になり、さらに時間がかかります
- 定期券・オートチャージ設定を確認 — 移行後に定期券の有効期限やオートチャージの設定が正しく引き継がれているかチェックしましょう
2025年7月〜Googleウォレット対応で移行が楽になった(Android)
以前はAndroidでの移行といえば「おサイフケータイアプリ」一択でしたが、2025年7月のアップデートでGoogle ウォレットアプリからも直接移行できるようになりました。
Google ウォレットのSuica/PASMOページに「別のデバイスに移行」ボタンが追加され、タップするだけでGoogleアカウントにデータがクラウド保存されます。新端末で同じGoogleアカウントにログインすれば、ウォレットから復元可能です。
おサイフケータイアプリとの使い分けですが、どちらか一方で退避すればOKです。Google ウォレットの方が画面がシンプルで迷いにくいので、2025年7月以降に発売されたAndroid端末を使っている人にはこちらがおすすめです。
FAQ
サーバー退避せずに旧端末を初期化してしまった場合、残高は消えますか?
残高は消えません。モバイルSuicaの場合、PCから会員メニューサイトで「再発行登録」をすれば、翌朝5:00以降に新端末で残高を受け取れます。ただし当日中は定期券しか使えないので、現金を用意しておきましょう。
iPhoneからAndroidに機種変更するとき、Suicaの定期券はどうなりますか?
OS間の直接移行はできないため、iPhone側で一度退会(払い戻し)し、Android側で新規に定期券を購入し直す必要があります。払い戻し時に手数料(220円)がかかるため、定期券の有効期限が切れるタイミングでの機種変更がおすすめです。
Google ウォレットでの移行と、おサイフケータイアプリでの移行はどちらを使うべきですか?
2025年7月以降のAndroid端末であれば、Google ウォレットからの移行が画面もシンプルでおすすめです。どちらで退避しても結果は同じなので、使い慣れている方で問題ありません。
モバイルPASMOとモバイルSuicaを両方使っている場合、それぞれ別々に退避が必要ですか?
はい、それぞれ個別にサーバー退避の手続きが必要です。片方だけ退避して安心してしまうケースが多いので、両方使っている人は特に注意してください。
参考文献
- 端末の変更|各種手続き|モバイルSuica — JR東日本
- 機種変更|モバイルPASMO — PASMO協議会
- 機種変更|Apple PayのPASMO — PASMO協議会
- Google ウォレットアプリで「Suica」「PASMO」の移行が可能に — ITmedia Mobile, 2025年7月
- 機種変更をしたが、新しい端末でモバイルPASMOの受け取りができない — モバイルPASMOサポート






