楽天証券が2025年10月に導入した「パスキー認証(FIDO2)」。指紋や顔認証でサクッとログインできる便利な仕組み……のはずが、「パスキーが有効なため、ID/PWでのログインはできません」というエラーが出てログインできなくなった、という声がSNSやQ&Aサイトで続出しています。
2026年2月現在、日本証券業協会のガイドライン改正により、証券各社はパスキーなどフィッシング耐性の高い認証を導入する流れが加速中。楽天証券もその一環でパスキーを導入しましたが、一部端末で不具合が報告されています。
この記事では、楽天証券のパスキー認証エラーが起きる5つの原因と、それぞれの具体的な対処法をわかりやすく解説します。「iSPEEDでログインできない!」「パスキーを削除したい!」という人は、ぜひ参考にしてください。
そもそもパスキーって何?楽天証券が導入した理由
パスキーとは、ざっくり言うと「パスワードの代わりに、指紋認証や顔認証でログインする仕組み」のことです。正式にはFIDO2(ファイド・ツー)という国際規格に基づいた認証方式で、Apple・Google・Microsoftの3大プラットフォーマーが推進しています。
従来のパスワード認証には、こんな弱点がありました。
- フィッシングサイトにパスワードを入力してしまう
- 同じパスワードを使い回して、どこかの漏洩で芋づる式にやられる
- パスワード自体を忘れてログインできなくなる
パスキーなら、認証情報はスマホやPC本体に保存され、サーバーには送信されないので、フィッシングサイトに騙されても認証情報が漏れる心配がありません。
楽天証券は2025年10月26日にパスキー認証を導入しました(楽天証券パスキー認証ページ)。背景には、2025年10月に施行された日本証券業協会(JSDA)の改正ガイドラインがあり、証券会社に対してフィッシング耐性の高い認証方式の導入が求められるようになりました。
つまり、パスキーは「セキュリティを強化するための良い仕組み」なんですが、導入直後からログインできないトラブルが多発しているのが現状です。
パスキーでログインできない5つの原因
楽天証券のパスキーでエラーが出る原因は、大きく分けて5つあります。自分がどれに当てはまるかチェックしてみてください。
原因1:iSPEEDアプリが古いバージョンのまま
最も多い原因がコレです。楽天証券のスマホアプリ「iSPEED」がパスキー対応のバージョンにアップデートされていないと、エラーコード「330-60172」が表示されてログインできません。
パスキーはウェブサイト側で作成しますが、iSPEEDアプリ側もパスキー認証に対応している必要があります。アプリが古いままだと「パスキーが有効なため、ID/PWでのログインはできません」というメッセージが出ます。
原因2:推奨環境を満たしていない
楽天証券のパスキー認証には、推奨環境が細かく決まっています。2026年2月時点の推奨環境は以下のとおりです。
パスキー作成時:
- iPhone:iOS 16以上、Safariブラウザ
- Android:Android 9以上、Google Chrome
パスキーログイン時:
- iPhone/iPad/Mac:Safari
- Android:Google Chrome
- PC:Windows 10以上、Chrome または Microsoft Edge
要するに、iPhoneなのにChromeを使っているとか、AndroidなのにSafari的な別ブラウザを使っている場合はうまくいきません。特にGoogleアプリ内ブラウザでは正常に動作しないと公式が明記しています。
原因3:VPNを使っている
VPN(仮想プライベートネットワーク)をオンにしている状態では、パスキーの作成・利用ができない場合があります。楽天証券の公式お知らせでもVPNの解除が案内されています。
海外在住の方や、会社のVPNをスマホに入れている方は要注意です。
原因4:1アカウント1パスキーの制限に引っかかっている
楽天証券では、1アカウントにつき作成できるパスキーは1つだけです。たとえば「スマホでパスキーを作成した後、PCでも作ろうとした」場合、PCでは新規作成が拒否されます。
この場合、スマホで作ったパスキーを使ってPCにログインする必要があります(Bluetooth経由でスマホの認証を使う方式)。
原因5:端末側の生体認証やロック設定の問題
パスキーは端末のロック解除方法(指紋・顔認証・PINなど)を使って本人確認をします。そのため、以下のケースではうまく動きません。
- 端末にロック画面が設定されていない
- 生体認証の登録データが破損している
- パスワードマネージャー(iCloudキーチェーン、Googleパスワードマネージャーなど)が無効になっている
- PCからログインする場合にBluetoothがオフになっている
原因別・今すぐ試せる対処法
原因がわかったら、以下の対処法を順番に試してみてください。
対処法1:iSPEEDアプリを最新版にアップデートする
App Store(iPhone)またはGoogle Play(Android)を開き、「楽天証券 iSPEED」を検索して「更新」ボタンが出ていればタップします。アップデート後、アプリを完全に終了してから再起動してください。
これだけで解決したという報告が最も多いです。
対処法2:推奨ブラウザに切り替える
ウェブサイトからログインする場合は、以下のブラウザを使ってください。
- iPhone/Mac → Safari
- Android → Google Chrome
- Windows PC → Google Chrome または Microsoft Edge
特にiPhoneユーザーは、Chromeや他のブラウザではなくSafariを使うのがポイントです。
対処法3:VPNをオフにする
スマホの「設定」→「VPN」から、VPNが有効になっていないか確認します。有効になっていたらオフにしてから、もう一度ログインを試してください。
対処法4:パスキーを削除して再登録する
パスキーの調子が悪い場合は、一度削除してから再登録するのが確実です。手順は以下のとおり。
- 楽天証券のウェブサイトにID・パスワードでログインする(※パスキーが有効だとこれができないので、次の「対処法5」へ)
- 「セキュリティ設定」画面を開く
- パスキーを削除する
- あらためてパスキーを新規作成する
対処法5:自動音声ダイヤルでパスキーを一時停止する
パスキーが有効になっていて、ID・パスワードでもログインできない場合は、楽天証券の自動音声ダイヤルに電話することでパスキーを一時的に停止できます。
- 楽天証券に登録してある電話番号から自動音声ダイヤルに電話する
- 本人確認を行う
- 30分間だけパスキーの利用が停止される
- この30分間にID・パスワードでログインし、セキュリティ設定からパスキーを削除する
30分の制限時間があるので、電話したらすぐにログイン&パスキー削除の操作をしましょう。
パスキーを使わずにログインする方法はある?
「パスキーが面倒だから、従来のID・パスワードでログインしたい」と思う方もいるかもしれません。
2026年2月現在、楽天証券ではパスキーを作成していなければ、従来どおりID・パスワードでログインできます。パスキーの作成は任意なので、まだ設定していない方は無理に設定する必要はありません。
ただし、日本証券業協会のガイドライン改正により、今後は証券各社でパスキーなどの多要素認証が必須になる可能性があります。いずれはパスキーに移行する必要が出てくるかもしれないので、早めに慣れておくのもアリです。
すでにパスキーを作成してしまった場合は、対処法4・5の手順でパスキーを削除すれば、ID・パスワード認証に戻せます。
トラブルを防ぐ!パスキー設定時の3つのコツ
これからパスキーを設定する方、または再設定する方は、以下の3点を押さえておくとトラブルを避けやすくなります。
コツ1:推奨環境を事前にチェックする
パスキーを作成する前に、自分の端末・OS・ブラウザが推奨環境に入っているか確認しましょう。特にOSのバージョンとブラウザの種類は重要です。iPhoneならiOS 16以上+Safari、AndroidならAndroid 9以上+Chromeが必要です。
コツ2:端末のロック設定を確認する
パスキーは端末の生体認証やPINを使うため、ロック画面が設定されていない端末では使えません。指紋認証や顔認証がうまく動作するか事前にテストしておきましょう。
コツ3:PCからログインするならBluetoothをオンに
パソコンからパスキーでログインする場合、スマホのパスキーをBluetooth経由で利用します。PCとスマホの両方でBluetoothをオンにしておく必要があるので、忘れずに設定してください。
FAQ
楽天証券のパスキーを削除したら、セキュリティは大丈夫?
パスキーを削除してID・パスワード認証に戻しても、ログイン追加認証(SMS認証)などの設定があれば一定のセキュリティは保たれます。ただし、フィッシング耐性はパスキーのほうが高いため、環境が整い次第パスキーに再設定するのがおすすめです。
スマホを機種変更したらパスキーはどうなる?
パスキーはiCloudキーチェーン(iPhone)やGoogleパスワードマネージャー(Android)に同期されるため、同じApple ID/Googleアカウントの新端末なら引き継がれます。ただし、iPhoneからAndroid(またはその逆)への機種変更では引き継げないので、事前にパスキーを削除して新端末で再作成してください。
iSPEED以外のアプリ(マーケットスピードなど)でもパスキーは使える?
2026年2月現在、パスキー認証に対応しているのは楽天証券のウェブサイトとiSPEEDアプリです。マーケットスピードII(PC版)では従来のID・パスワード認証が利用されます。対応アプリの最新情報は楽天証券の公式ページで確認してください。
パスキーの一時停止(30分)が終わる前にログインできなかったらどうする?
30分を過ぎると再びパスキー認証が有効になります。もう一度自動音声ダイヤルに電話すれば、再度30分間の一時停止が可能です。焦らず、電話してからすぐにログイン操作を始めましょう。
参考文献
- パスキー認証(FIDO2) — 楽天証券公式サイト
- 【重要】一部の端末でパスキーの作成、ログインが正常にできない事象について — 楽天証券公式お知らせ, 2025年10月28日
- ログインにお困りの方 — 楽天証券サポートFAQ
- FIDO2 とは? — Microsoft Security



